紫は激怒した。 必ず、かの山陰両県の観光客を増やさなければならぬと決意した。 紫には行政がわからぬ。 紫は、幻想郷の賢者である。 スキマを開き、殆ど寝て暮して来た。 けれども観光に対しては、人一倍に敏感であった。 きょう未明紫は幻想郷を出発し、野を越え山越え結界越え、云里はなれた此の米子の市にやって来た。 紫には父も、母も無い。旦那も無い。 九尾の、狐の式神と二人暮しだ。 ―「走れ紫」より
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