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20122月報告会要旨

日時 2月28日(火)12:00-13:00
場所 国立国会図書館
出席者 シントン・ラーピセートパン駐日タイ大使館公使、パウイットラ・マカム駐日タイ大使館広報部職員、国立国会図書館員、小野澤ニタヤー筑波学院大学教授、小泉徹立教大学学系図書館課担当課長、石井美千子アジア経済研究所図書館参事など総計35名
(報告内容)まず、シントン・ラーピセートパン駐日タイ大使館公使より、タイの洪水被害全般についてのお話があった。今回の洪水は90億立米という例年の2.5倍の多雨によって生じたもので、規模は百年に一度という大規模なものであり、被害地域は全76県のうち65県200万ha、死者815名、被害総額は3.6兆円(民間3.2兆円)にのぼり、日系企業449社などの産業基盤だけでなく、421万世帯の家屋が浸水するなど市民にも大きな影響を与えている。タイ政府は自助努力による復興を目指しているが、現在は産業の復興が中心となっており、大使館にも洪水・経済関係の情報は多数寄せられているが図書館の被害情報は寄せられていないので、大使館としても積極的に動きにくい状況にある。
続いて国立国会図書館司書の山口学より被害状況に関しての報告があった。タイ文部省の統計によると、図書館の被害はタイ全土で2652館にのぼっている。そのうち学校図書館は、初等教育機関の図書館のうち、中東部378館、北部99館、東北部46館、南部30館が被災し、中等教育機関の図書館77館が被災した。公共図書館、学校図書館では、図書だけでなく、施設、備品、コンピュータも全滅した所が多い。
大学図書館では、タマサート大学図書館で20万冊、アジア工科大学図書館で10万冊が水損し、他のバンコク近郊の大学図書館も大きな被害を受けている。多くの図書は長い間水につかったためカビが生えて使用不能になっている。蔵書の再購入や被害が軽微な図書のデジタル化による再利用も計画されているが、多額の予算が必要であり募金が呼びかけられている。タイ図書館協会では、公共図書館2館と学校図書館18館を選定し、優先的に復興を目指すプロジェクトを策定したが、16億円以上の予算が必要であり募金を呼びかけている。
ドイツがアユタヤの仏教大学の蔵書修復に専門家を派遣したり、ネパールの教育財団の資金援助やアメリカのアジア財団の本の寄贈活動など、国際的な救援の動きも広がっている。
日本では、日本図書館協会・日本タイ学会が後援して実行委員会が設立され、募金をよびかけているが、その他水損した図書の修復の専門家の派遣、修復基材の提供や、学校図書館、公共図書館に対しての資金援助、大学図書館に対して、日本の図書館で余った書籍を贈呈したり、日本にある図書をデジタル化してデータを送るなどさまざまな援助が考えられるが、館種別の縦割りでは対応が難しい面があり、国際協力活動として統一された息の長い支援が必要とされる。
最終更新:2012年03月02日 16:07