『夏目友人帳』が欲しい
水銀燈「朱の盆!ちょっと朱の盆!」
ぬらりひょん「まだか…まだか…」イライラ
水銀燈「朱の盆!どこにいるのよ!」
ぬらりひょん「遅い!遅すぎる…!」
水銀燈「朱の盆!」
ぬらりひょん「やかましい!頭の上でギャーギャー喚くな!」
水銀燈「うるさいのはそっちでしょう!ヤクルトが一本もないのよ!あれほど言っておいたのに朱の盆の奴ー!」
ぬらりひょん「奴ならあいにく用事で留守だ、ここには居らん。わかったら静かにしておれ!」
水銀燈「何よ、いつ帰ってくるのよ!?」
ぬらりひょん「知らん!わしも帰りを待っているのだ。おのれ朱の盆…」
ガラガラ
朱の盆「ぬらりひょん様~」ボロッ
ぬらりひょん「おお、やっと戻ったか!旧鼠も一緒か」
朱の盆「はい…」
旧鼠 ガクッ
ぬらりひょん「で、例のものは?」
朱の盆「それが…ちょっと失敗しまして…」
ぬらりひょん「な、な、な、な、何だとー!!!! お前ら二人で行って取りそこねたと言うのか!」
朱の盆「すすっ、すみません」
ぬらりひょん「お前!『人間が相手なら楽勝だ』と言って出て行ったではないか!」
朱の盆 シュン
水銀燈「朱の盆!」
朱の盆「は、はいっ」
水銀燈「ヤクルトが切れてるわよ。さっさと持ってきて」
朱の盆「姐さん…わ、わかりやした」クルッ
ぬらりひょん「コラ、わしの話は終っとらんぞ!お前は口を出すな」
水銀燈「こっちの方が優先よ!そもそも朱の盆、貴方こんな時に何をしてたのよ?」
ぬらりひょん「この我侭人形が…よろしい、わしが教えてやろう」
ぬらりひょん「4、50年ほど前の話だ。ある所に『夏目レイコ』という人間のくせにやたら妖力が高い者が居ったのだ。そ奴は凶暴無比な性格で、出会う妖怪を片っ端から打ち負かしたと言う」
水銀燈「昔話なんか聞きたくないわよ。早く終わらせて」
ぬらりひょん「ム…、その夏目レイコは『友人帳』という不思議な書物を持っており、負けた証として妖怪達がその書物に名前を書かせられると、どんな命令でも服従せざるを得なくなったとの事だ」
水銀燈「ふあ~ぁ」アクビ
ぬらりひょん「どうやらその書物には妖怪達の抵抗力を奪うまじないがかけられているらしい。つまりだ、その『友人帳』を手に入れさえすれば、名を連ねている妖怪達を全て部下にすることが出来るのだ。以前よりわしはずっと狙っていた」
水銀燈「まだ終わらないのー?つまんなぁ~い」
ぬらりひょん「時が経ち、夏目レイコが死んだとの話を聞き、わしは『友人帳』の行方を探った。しかしどうにも見つからん。他の者に渡らないよう封印でもされていたのかもしれぬ」
水銀燈「朱の盆、ヤクルトー!」
ぬらりひょん「最後まで聞かんか!ところが先日、『友人帳』が復活し、夏目レイコの血族の手に渡ったとの話を聞いた。そこでこの二人に奪いに行かせたのだが…」ジロ
朱の盆 ギクッ!「あわわわわ、申しわけございません!」
ぬらりひょん「仮にも『友人帳』を持つほどの人間だ、気をつけろとわしは言ったはずじゃ。部下ながらつくづく情けない」
朱の盆「た、確かに『友人帳』を持つ『夏目 貴志』には妖力がありました。でも、それほど強い人間じゃなかったです」
ぬらりひょん「ほう…では何故失敗を?」
朱の盆「それはですね、あいつには妖怪の用心棒がついてまして…」
ぬらりひょん「用心棒?お前の知っている者か?」
朱の盆「さあ?『ニャンコ先生』と呼ばれてましたけど知らない奴でした。猫というよりは狸のようなふざけた姿だったんですが、やたらと強くてとても敵わなかったんです~」
ぬらりひょん「『ニャンコ先生』?聞かぬ名だな。お前達を返り討ちにするほどの力を持ちながら人間如きに従っているとは…『友人帳』に名のある者かもしれんな…」
ビシュッ!
ぬらりひょん・朱の盆「うわっ!」
水銀燈「私は乳酸菌がなくて機嫌が悪いの。長話をいいかげん終わらせないと本っ気で怒るわよ」
朱の盆 ビクッ「は、は、はい、すぐにヤクルト買ってきます!」ダダダダ
水銀燈 ジロッ
ぬらりひょん「え?わしに何か?」
水銀燈「さっきの話でちょっとひっかかったんだけど…貴方、その『友人帳』って物をずっと狙ってたのよね?」
ぬらりひょん「そ、それはそうだが…」
水銀燈「ならばその夏目とかいう人間と、直接勝負すれば良かったんじゃない?」
ぬらりひょん 「え、あ、そのー、わしは正々堂々というのが嫌いっていうか、策略家っていうか…」
水銀燈「結局勝てる自信がなかったんでしょ!貴方も十分情けないわよ」
ぬらりひょん グサアッ!「そこまで言わんでも…」
水銀燈「ふん、部屋に戻るからちゃんと運ばせてね」
ぬらりひょん「は、は~い。行ってらっしゃいませ~」
パタパタ…
ぬらりひょん(小声で)「この真正サド人形が!」
水銀燈 クルッ「何か言った?」
ぬらりひょん「い、いえ。なんでもありません」
ぬらりひょん シクシクシクシク(おのれ水銀燈!しかし『友人帳』はなんとしても欲しい。何か良い算段はないものか…)
(続かない)
最終更新:2009年05月04日 09:21