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河北新報 
社説

道州制下の市町村/さらなる合併再編は無理だ
 安倍晋三首相が政権公約の柱に掲げる道州制。都道府県を廃し、全国を10前後の広域自治体とする構想だが、この新制度と絡んで、将来の基礎自治体を現在の約1800市町村から300―500市に再編すべきだとの提案が各方面から示されている。

 一つは日本経団連が3月に発表した提言だ。道州制を導入するための法律を2013年までにつくり、現在の市町村を300から500の基礎自治体(市)に再編するよう求めている。

 二つ目は自民党道州制調査会の「道州と国の役割分担に関する小委員会」が同月出した委員長メモ。道州制下の基礎自治体を政令都市や中核都市の別なく、300に改編するとの内容だ。

 三つ目は民主党が昨年末にまとめた「政権政策」だ。同党は小沢一郎代表の就任を機に道州制の否定に転じたのだが、将来は全国を300程度の基礎自治体で構成すべきだとしている。

 期せずして出そろった与野党と経済界の各提案の共通項は、現在の市町村を再編して大幅に数を減らし、効率的な地方自治を目指せということであろう。

 早くも、300や500という数字が独り歩きしそうな気配だ。
 しかし、実はこの基礎自治体再編構想には深い落とし穴が隠されていると考えた方がいい。

 約1800の市町村を仮に300市に再編したとすると、一つの市の人口は最少でも、ほぼ20万以上になるとの試算がある。

 古代ギリシャでは、政治的リーダーの肉声の演説を聞き取れる範囲に集まる人数が都市の適正人口だという解釈があった。

 これは極端な話だとしても、現在の都市の適正人口は地域の歴史や風土、経済力、地理的条件などにより無理なく決まっていくもので、その多様性を外科手術で画一化するのは無理だ。

 人口だけではない。市域面積も再編によって広大になればなるほど、行政サービスとコミュニティーのきめ細かさが失われていくことは目に見えている。

 1999年から本格化した「平成の大合併」では約3200の市町村が約1800まで減った。国の財政誘導策を背景に都道府県の後押しがあったとはいえ、あくまで市町村の自主的な判断に基づく合併だった。

 平成の大合併にくみしなかった自治体は反合併・独立の方針を掲げたか、合併しても利点のない自治体だ。つまり、全国の市町村にはもはや合併の余力は残っていないと理解したい。

 そこに300―500市を目指す新たな基礎自治体再編構想、言い換えれば、さらなる市町村合併促進策を持ち込めば、市町村の自主的判断などとは縁遠い、国の強引な合併強制策になることは間違いない。

 全国町村会が先ごろ、自民党・道州と国の役割分担に関する小委員会の委員長メモに対し、「これ以上の合併は強制以外にない」として全面的に反論したのは当然のことであろう。

 道州制論議では、国から道州への移譲権限などが先行的に検討されているが、道州制下の市町村のありようこそ、制度の根幹にかかわる。ここに地域住民の知恵が生かされるべきだ。
2007年04月17日火曜日


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行政改革推進委員会開く
-石井正弘・岡山県知事と道州制に関して意見交換



日本経団連の行政改革推進委員会(出井伸之委員長、大久保尚武共同委員長)は20日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催、全国知事会道州制特別委員会の委員長を務める石井正弘・岡山県知事から、道州制に関する全国知事会の考え方や今後の検討体制について説明を受け、意見交換を行った。

石井知事は、今年1月18日に全国知事会が発表した「道州制に関する基本的考え方」を中心に説明。冒頭で「成熟社会を迎えた日本では地方分権型の行政システムを確立することが求められている」と指摘し、「道州制は真の分権型社会を実現するためのものであって、国の都合による行財政改革や財政再建の手段であってはならない。また、道州制の議論にかかわらず、引き続き地方分権改革を着実に推進しなければならない」と主張した。
続いて石井知事は、全国知事会の考え方として、「道州制は地方分権を推進するためのものでなければならない」「道州が地域の特性に応じ、自己決定と自己責任の下で政策展開できるよう、国と地方の役割分担に応じた、自主性・自立性の高い地方税財政制度を構築しなければならない」など、7つの道州制の基本原則を紹介、「道州制導入に対して異論がある知事も、これらの基本原則を前提とした道州制ならば導入してもよいとしている」と説明した。
今後、さらに検討を進めるに当たっては、(1)国と地方が一体となった検討機関の設置(2)国民意識の醸成――の2点が必要であると指摘。さらに、具体的な検討課題としては、「国のあり方および国・道州・市町村の役割分担」「税財政制度のあり方」「大都市圏との関係」などの8点を挙げ、特に、一番重要な課題として税財政制度のあり方を指摘し、地方の自主性を確保するために、偏在性が低く安定性を備えた地方税体系を構築する必要があると強調した。
その上で、「全国知事会としては、道州制特別委員会の下に2つのプロジェクトチームを設置して、テーマごとに具体的な検討を行う」と紹介した。
なお、石井知事は、「三位一体改革までの第一期分権改革は未完の改革と認識している」と説明。例えば、三位一体改革では3兆円の税源移譲に対して国庫補助負担金は4兆円以上削減された結果、地方に1兆円以上のしわ寄せがあったことや、多くの項目で国から地方への関与が残っていて地方の裁量性が高まっていないことなどの問題点を指摘した。今後の地方分権改革では、「地方の自主性を高めるために、地方消費税などの偏在性が低い税目を中心に、地方に安定した財源を確保することが重要だ」と述べた。

石井知事の説明に続いて行われた意見交換では、参加者から「現在は小規模な港湾や空港が各県に整備されており、大型のものがないことが問題」との指摘がなされた。
これに対して、石井知事は「今後は、国際競争の中で勝ち抜くために、重点的にインフラを整備しなければいけないと思う」と理解を示し、「道州制の下で、道州が地域全体のメリットを考えて政策を打ち出せば、大きなメリットになる」と指摘した。

【産業第一本部行革担当】
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300-500自治体に再編 13年までに道州制法案 経団連が提言  2007/03/26 14:15
 日本経団連が、都道府県を広域自治体に再編する道州制を導入するための法律を2013年までに制定し、約1800ある市町村を300-500の「基礎自治体」に再編すべきだとの提言を取りまとめたことが26日、明らかになった。全国を10区域程度の道や州に分け産業、雇用、教育などに関する政策や権限を国から移し、地域間の経済格差是正や行財政改革を目指す。医療・介護、消防など住民に身近な行政サービスは基礎自治体が担う。3月中に発表する。

 経団連が道州制の具体的な構想を示すのは初めて。安倍晋三首相も道州制実現に強い意欲を示しており、経団連は率先して具体案を示すことで政府、与党の検討に弾みをつける考えだ。



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東京新聞
 2007年03月12日の記事 
政治

首長の選出方法で意見聴取 自民道州制小委
 自民党道州制調査会の組織・権限小委員会は12日、道州の首長の選出方法について、大石真・京大大学院教授(憲法)と市川喜崇・同志社大教授(行政法)の2人から意見を聞いた。

 大石教授は「住民が、首長は自分たちで選ぶという実感を持つことが大切」として有権者が選挙で首長を選出する直接公選制を主張。首長の権力抑制のため、道州議員の中から議会が選ぶ“議院内閣制”が論じられることについて「議会与党の支持があれば首長は大きな権限を持つ。権力抑制にならない」とした。多選制限は「あり得る選択肢だ」との認識を示した。

 一方、市川教授は議院内閣制を適当とし、「道州として人口規模が大きくなると、(国政のように)政党本位で政策運営がなされるべきだ」とし、政党単位で首長を指名する制度がふさわしいと強調。多選制限は必要ないとの見方を示した。

(共同)

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さきがけ on The Web


社説:道州制論議 身近な行政の充実から
 道州制をめぐる論議が国と地方で行われている。道州制については昨年9月、安倍晋三首相が自民党総裁選に当たって「3年以内のビジョン策定」を打ち出し、首相就任後、初の所信表明演説でもそのように約束した。いわば首相の公約だが、道州制に移行すれば地方は苦境から脱却できるかのような雰囲気が先行していまいか。

 年明け以降の動きを追うと、日本経団連は日本の目指すべき将来像を描いた「希望の国、日本」の中で重要課題の一つとして道州制に言及した。平成27年度までに都道府県を10程度の道州に、約1800の市町村を少なくとも半分程度まで統合することなどを提言している。

 全国知事会は、道州制について「分権型社会における新たな地方制度として道州制を検討しなければならない」とする、初の統一見解を決めた。慎重意見も多いことから賛否は明確に示さなかったものの、地方分権を推進する手段として道州制を検討するというわけである。

 さらに自民党道州制調査会は道州の首長の役割や議員の選出方法などについて検討を始め、渡辺喜美道州制担当相の道州制ビジョン懇談会は、来年3月までに中間報告をまとめることを確認している。

 一方、本県は各界から委員を選んで道州制ビジョン懇話会を発足させ、道州制のメリット、デメリットなどを県民に伝えることにした。19年度末まで協議を続け、県民向けパンフレットなどを作成する予定だ。

 こうしてみると、道州制をめぐる動きは2つに大別される。1つは自民党や経団連のように、道州制導入を前提に道州の機能や国と地方の役割分担、中央省庁の再編などまで検討していこうとする動きである。ビジョン作成のタイムリミットは安倍首相が公約した3年以内。経団連は道州が広域的な経済圏の形成に資するとも唱えている。

 これに対し知事会は慎重に構え、道州制導入の是非論には踏み込んでいない。知事会が掲げるのは分権社会の確立であり、道州制はそれに付随する課題と位置づけられる。本県の懇話会は道州制論議のスタートラインに立った段階といえる。

 つまり、道州制についてはまだ、言葉だけが独り歩きして内容はあいまい、といった感が強い。都道府県が合併して道州になるとすれば、道州は都道府県の機能を広域的に受け継ぐ自治体と考えていいのか。権限や財源はどうなるのか。身近なところでは「秋田県」は消えるのか、今後の市町村合併はどんな形で進むのか、その市町村と道州の関係はどうなるのか—。

 現在は国が主導した「平成の大合併」に向けた初期段階のような様相といえる。道州制の理念がまとまらず知事会にも賛否両論がある中で、政府、自民党が既決事項のように道州制導入に取り組めば、国民の意思は取り残される。効率的な地方行政を目指すあまり、地域が抱える「弱さ」を道州制で補うという意識が強くなれば、住民にとって最も身近な市町村単位の行政にかかわる課題がかすんでしまう恐れがある。道州制をめぐる論議は身近な行政の充実を第一に考えるべきではないか。


(2007/02/28 08:59 更新)


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中日新聞

道州制の導入、省庁再々編
自民が独自案着手
 自民党が、道州制の導入と中央省庁の再々編に向けた独自案づくりに乗り出した。今夏の参院選までに中間報告をまとめ、党のマニフェスト(政権公約)に反映させる方針だ。安倍晋三首相が提唱する「道州制ビジョン」などを後押しするとともに、国と地方の統治機構に関する改革論議をリードする狙いがある。

 議論が先行しているのが道州制。党道州制調査会(杉浦正健会長)は、道州と国との役割分担などテーマ別に5つの小委員会を設置し、今月から一斉に検討作業をスタートさせた。各小委とも4月中に「報告案」を作成し、5月末には中間報告を取りまとめる予定だ。杉浦会長は「しっかりした中間報告をまとめ、参院選で国民的議論を巻き起こしたい」と意欲を示している。

 政府側でも、渡辺喜美道州制担当相が1月下旬、有識者らによる私的懇談会「道州制ビジョン懇談会」を発足させたが、中間報告を取りまとめるのは来年3月末とあって、道州制問題では当面、党側が論議をリードしていく方針だ。

 省庁再々編の検討作業も、道州制論議に引っ張られる形で動きだした。

 自民党は2005年の衆院選マニフェストで、「01年の省庁再編から5年経過を機に、問題点の洗い出しと必要な見直しを実施」と明記したが、その後は音無しだった。道州制導入には、国から地方への大幅な権限移譲は避けて通れず、省庁再々編論議も並行して進めなければならない。

 このため、首相は1月下旬、中馬弘毅・党行政改革推進本部長に対し「道州制を含めた観点から幅広く、あるべき省庁の姿を検討してほしい」と指示した。同本部は今月6日、新設した中央省庁改革委員会の初会合を開き、6月上旬に中間報告することを決めた。

 しかし、首相や党側の意気込みに比べると、道州制や省庁再々編に関して世論の関心はまだ薄く党内でも「そう簡単に方向性は出ない」(中堅議員)と冷ややかな意見が少なくない。こうした懸念を打ち消すには、説得力のある中間報告を作成し、一気に世論を盛り上げる以外ないようだ。

 (佐藤圭)



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 政府は30日の閣議で「道州制特別区域基本方針」を決定した。都道府県を再編する道州制の先行モデルとして、4月から北海道
に国の権限の一部を移譲することなどを盛り込んだ。安倍晋三首相は閣議で「北海道からの提案を踏まえて事務事業の移譲を積
み重ねる。その成果を将来の道州制導入の検討につなげる」と述べ、全閣僚に協力を促した。 (19:01)

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http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070201k0000m010063000c.html
地方分権委:猪瀬氏、増田・岩手県知事ら起用で最終調整

 政府は31日、国から地方への権限や財源移譲を進めるための「地方分権改革推進委員会」の委員7人について丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長や作家の猪瀬直樹氏、増田寛也・岩手県知事らを起用する方向で調整に入った。同委員会は4月に発足予定。委員人事は国会同意が必要で、政府は与党と協議した上でメンバーを最終決定し、2月中に衆参両院の同意を得たい考え。
 同委員会の新設は、昨年12月成立の地方分権改革推進法に基づく。安倍晋三首相は同委員会が今後まとめる指針に沿い、10年をめどに分権推進の関連法律をまとめた新地方分権一括法案を国会に提出する考えを示している。【川上克己】
毎日新聞 2007年1月31日 19時38分

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http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070201AT3S3101831012007.html
自民・道州制調査会、5月に具体案

 自民党の道州制調査会(杉浦正健会長)は31日の総会で、区割りを含む道州制の具体案を5月中にまとめ、7月の参院選の公約に盛り込む方針を決めた。調査会の下の道州制推進小委員会など5つの小委員会が近く議論を始める。総会には渡辺喜美行政改革担当相も出席し、具体案作りに向けて政府・与党が緊密に連携していく方針を確認した。(07:02)


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http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070130k0000m010102000c.html
道州制特区:推進本部の初会合 北海道への権限移譲を了承

 政府は29日、首相官邸で道州制特区推進本部(本部長・安倍晋三首相)の初会合を開き、昨秋成立した道州制特区推進法で
道州制の先駆モデルに指定された北海道への権限移譲を促進する政府の基本方針案を了承。30日の閣議で正式決定する。
 推進本部は同法に基づき設置され、全閣僚で構成。基本方針案は、(1)推進本部は北海道の広域行政推進のための提案を尊
重(2)北海道の取り組みを内閣府が毎年度点検(3)15年度の制度の見直しにあたり国の施策を検証--などを盛り込ん
だ。3都府県以上の合併で指定される「特定広域団体」にも基本方針案は適用される。【小林多美子】
毎日新聞 2007年1月29日 23時28分


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道州制は中央の解体を伴う
2007年01月26日
 全国知事会が先頃、道州制に対して初めて統一見解を示した。導入の是非論は避けながら、議論のための原則を地方の立場で明らかにしたものである。本格議論が始まる前に地方の立場を明らかにする意図であろう。その原則の中に「中央省庁の解体再編」を掲げたのは的を射ている。

 道州制が単なる都府県の合併に終わるなら意味がない。なぜなら中央政府の縮小を前提に、中央と地方の役割を大幅に見直すことをその本質とするからである。中央政府をそのままに大きな道州をつくったところで、大きな政府に屋上屋を重ねるだけのことで、新しい時代の要請に反するものになるだろう。橋本行革時の省庁再編も、中央政府の解体、再編を本来は企図したはずであるが、目標が明確に共有されておらず、議論の過程で混乱し、単なる省庁合併と看板のすげかえに終わった。存在理由が問われるはずの省がなぜか立派な看板になり「焼け太り」したとの声もある。

 現在、この本質を見誤った見解が一部の閣僚や関係者から聞かれることは残念である。その典型的なものは「情報通信省構想」であろう。全くの時代錯誤である。情報通信が重要な成長領域で、戦略領域であるということと、そこに専門省庁が必要であるということは別の話である。その発展が規制緩和を軸に進められようという産業領域であればなおさらである。この分野で20世紀的な産業育成政策に立つ愚と、中央の解体の意義を理解していないことで二重の誤りに陥っている。

 道州制に伴う中央省庁の解体再編には、中央に無駄に固定された労働力を地方や民間に移転することも意味し、そこには摩擦が生じる。数十万人に及ぶ国家公務員、その周りに巣くう利害関係団体が強い抵抗を示すだろう。ここに改めて、政治が指導力を発揮できるか、その見識と信念を示せるか、が問わ
れることになるだろう。(龍)

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http://www.jamp.jiji.com/u05/kiji/view/20070120000172/mail.html
【中央官庁だより】 ◇道州制の「考え方」、中身は変わらず=地方6団体(2)

 全国知事会は先週の総会で、道州制に関する基本的考え方をまとめた。現段階で導入の是非を問うものではなかったが、「あ
るべき姿」としていたタイトルが「導入を前提とした印象を与える」などの意見が相次いだため修正され、文中の表現にも配慮
を加えた。麻生会長は「タイトルを変えることにさほど意味があるとは思えないけど、(ある知事は)これまですごく反対して
きたから」としつつ、「(道州制が)かくあるべしという条件、スキームを提示した中身は変わってない」と、取りまとめの成
果を強調する。再三再四の修正要請に苦労を強いられた石井正弘道州制特別委員会委員長(岡山県知事)は「各知事の意見がた
くさん出たが、議論を集約できて責任を果たせた」とほっとした様子。今後を見据え、「さらに議論を深めて国(の議論)に
しっかりとわれわれの考えを反映させていきたい」と話していた。(了)(2007年1月22日/官庁速報)


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http://www.chibanippo.co.jp/news/seikei/kiji.php?id=seikei07012510415501
2007.01.25 upload
「道州制、一つの県でも」
堂本知事 都の広域論けん制 千葉政経懇例会

 千葉政経懇話会(会長・堂本暁子知事)の総会・一月例会が二十四日、千葉市中央区の三井ガーデンホテル千葉で開かれた。
今年一年のスタートを飾る新春例会で、県内全域から約七十人の会員が出席、堂本知事を囲み和やかに歓談した。  (出席者
名は2面)
 例会に先立って総会を開き、赤田靖英千葉日報社長のあいさつのあと第三十八期決算(二〇〇五年十二月~〇六年十一月)報
告などをいずれも原案通り承認。
 続いて例会に移り、同懇話会会長の堂本知事が年頭のあいさつ。全国知事会での道州制をめぐる論議で、「一つの県や府でも
州となることを認める」との文案をめぐり、石原慎太郎東京都知事らと意見が食い違ったことなどを披露した。
 石原都知事がディーゼルの排ガス規制成功を論拠に「首都圏は一つのくくりとすべき」と発言し、文案から外すことを要望。
これに対し堂本知事は「三都県が一つの単位になったら三千万人の大人口で、一極集中を加速させるだけ」と反論。結局、沖縄
なども「一つでありたい」と主張したため原案通り盛り込まれたという。
 さらに「道州制への移行は急ぐべきではなく、国、都道府県、市町村の役割など国民への周知徹底が必要」と強調。また大詰
めを迎えている新年度予算では「中小企業、福祉など当事者とともに実行できる予算を心掛けたい」と話した。
 このあと深山修身千葉日報社会長の音頭で乾杯。今年一年間の千葉政経懇話会や会員相互の発展を願い歓談、親善を深めた。
【写真】千葉政経懇話会1月例会であいさつする会長の堂本暁子知事


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http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070118i215.htm
道州制導入には中央の見直しを…全国知事会が意見書

 全国知事会(会長=麻生渡・福岡県知事)は18日、東京都内で全国会議を開き、道州制につい
て、「中央省庁の解体再編を含めた中央政府の見直しを伴うべき」などとする意見書をまとめた。

 知事会が道州制への見解を示すのは初めて。

 意見書では、「(道州制は)真の分権型社会を実現するためのもの」と指摘、「国の行財政改革や
財政再建の手段ではない」などと、政府与党の主導で進んでいる道州制移行論をけん制した。そのう
えで、検討にあたっての基本原則として、「自主性・自立性の高い地方税財政制度を構築するべき」
など7項目を掲げ、地方への権限移譲を前提とした考え方をまとめた。

 また、国と地方が共同で検討機関を設けることも提言した。ただ、導入の是非自体については一部
知事の反発が強く、触れなかった。

(2007年1月18日23時29分 読売新聞)

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http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S18014%2018012007&g=E3&d=20070118
道州制、導入なら省庁の解体再編を・知事会が方針

全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)は18日、都内で総会を開き、道州制に対する基本方針をまと
めた。道州制を将来導入する場合には「(外交・防衛などを除く)内政に関する事務は基本的に地方
が担う」と明記。国と地方の役割を見直すため、中央省庁の解体・再編が必要だと指摘した。ただ、
導入に慎重な意見も根強く、知事会として道州制の実現を目指すかどうかの結論は先送りした。

 道州の区割りは地域の歴史・文化的背景や地元の意見を反映させるべきだと強調。地方の自主性を
高める税財政制度の構築も求めた。知事会など地方六団体と関係閣僚でつくる常設の検討機関の必要
性も指摘したうえで、プロジェクトチームを設けて税財政制度や首長・議員の選出方法などを議論す
ることを確認した。麻生会長は記者会見で「知事会の共通見解として今後、必要な提言をしていく」
と述べた。 (22:24)



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http://www.asahi.com/politics/update/0118/008.html
道州制導入の是非、明記せず 知事会、原則7項目示す

2007年01月18日22時16分
 全国知事会(会長=麻生渡・福岡県知事)は18日の総会で、「道州制に関する基本的考え方」を
まとめた。安倍首相が道州制担当相のもとでの3年以内のビジョンづくりを掲げ、自民党の調査会も
今春の報告書作成に乗り出したなか、自治体側から検討の「前提」を示して、議論への参画をめざし
たものだ。ただ、導入に慎重な知事が多いため、導入の是非については明記しなかった。

 「考え方」では基本原則として、(1)道州制は地方分権を推進するためのもの(2)省庁の解体
再編を含めた中央政府の見直しを伴う(3)区域は地理、歴史、文化的条件や地方の意見を勘案――
など7項目を挙げた。

 議論の進め方については、「これまでの分権改革は官僚に曖昧模糊(あいまいもこ)にされてき
た」(寺田典城・秋田県知事)との反省から、「政治主導で行われるべきだ」として、地方代表や関
係閣僚らによる検討機関の設立も求めた。

 道州制を巡っては昨夏の総会で「導入する必要がある」とした報告書を巡って意見が割れ、結論を
持ち越していた。この日も、原案にあった「導入」「推進」といった言葉の削除を求める意見が相次
いだため、中立的な表現に修正してまとめた。麻生会長は終了後の会見で「制度の中身が詰められて
いない段階で『導入は当然』と結論づけるのはやめようとなった」と話した。


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西日本新聞 2006年1月1日記事


御手洗ビジョン 15年度めどに道州制 提言発表 消費税上げ09−11年度
 日本経団連(御手洗冨士夫会長)は1月1日付で、2015年までの日本の将来像を示した「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を正式発表した。財政再建に向けて、09−11年度に消費税率を2%程度引き上げる税制改革を提言。15年度をめどに道州制を導入して47都道府県を10程度の道州に再編、約1800ある市町村数の半減なども必要としている。

 ビジョンは、06年5月に就任した御手洗会長の“施政方針”。「美しい国」を掲げて同年9月に誕生した安倍晋三首相の「上げ潮路線」と整合的な内容を中心に、日本経済の持続的成長を目指している。行財政改革など19の課題を明記し、11年までの5年間で取り組む114の優先課題を盛り込んだ。

 九州7県の一体化が有力視される道州制の実現に向けては、首相の下に有識者をメンバーとする検討組織を設置し、15年度までの導入に向けた工程表を作成するよう提案。広域経済圏としての道州による海外との競争・連携を促している。

 税制改革では11年度までの消費税率上げを第1段階とし、12年度以降さらに消費税率で3%程度の増税か一段の歳出削減を促す2段階案を示した。

=2007/01/01付 西日本新聞朝刊=

2007年01月01日00時05分

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中日新聞 2006年1月1日記事

道州制62%が反対
全国世論調査、平成大合併も低評価
 都道府県を10前後の「道」「州」と呼ぶ広域自治体に再編して国の権限を移す道州制に反対する人は賛成の倍以上の62%に上ることが、昨年12月2、3両日に本社加盟の日本世論調査会が実施した全国面接世論調査で分かった。

 道州制については、安倍晋三首相が「行政の新たなグランドデザインを描く」として、3年以内に具体像を示すビジョンを策定する方針だが、国民の理解が進んでいないことが明らかになった。

 1999年3月末に3232あった市町村が1816(1日現在)に再編された「平成の大合併」を評価する意見も19%に低迷。一方では地方分権に62%が賛成しており、国から移譲される権限の受け皿づくりの手法に疑問が向けられた格好だ。

 道州制に「反対」は26%、「どちらかといえば反対」も36%に上ったのに対し、賛成は「どちらかといえば」を含めても計29%にとどまった。

 1年前の調査では賛成派が47%、反対派は39%だったが逆転した。地域的な傾向としては、賛成は北海道、東北、四国で多く、反対は甲信越、九州で比較的多い。

 反対の理由としては「行政単位として道州は広すぎる」が46%で最も多く、「今の都道府県に愛着がある」も30%を占めた。賛成理由では「議員や職員が減り、経費の節約ができる」が49%でトップ。「広域的な課題に取り組める」(24%)などが続いた。

 住んでいる市町村が合併した人の感想は「合併してよかった」(19%)と「合併しない方がよかった」(17%)がほぼ均衡し、「どちらともいえない」が63%だった。

 【道州制】 都道府県をより広域な「道」「州」に再編し、国から道州へ権限や税財源の移譲を行う制度。各地域の実情に応じた政策が可能になるとされる。地方制度調査会は2006年2月、国と地方の役割を再構築するため「導入が適当」と首相に答申し、全国を9、11、13ブロックに分ける区域割り案を示した。



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最終更新:2007年04月17日 11:13