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蒼津 - (2006/02/13 (月) 01:33:13) の編集履歴(バックアップ)


蒼津

【Character data】
蒼髪蒼眼の半人半鬼(ダンピーラ)。〝狂気の拳銃使い(ルナティックガンスリンガー)〟〝混血信号(ブラッドシグナル)〟等の異名を持つ。
大型の二丁拳銃〝魂の収穫(ソウルハーベスト)〟〝月明かりの狂気(ムーンライトマッドネス)〟を扱い、半人半鬼でありながら格闘戦において吸血鬼を超越した身体能力を持つ。
冷たい女性の性格でその異常性を隠しているが、その内心は殺戮という殺戮を求め、鮮血に酔える人外。
痛みという痛みを求める欲求を持っているらしく、究極的にはその対象が自分でも構わない。
過去にミシュアルに半死半生の重体にさせられたことがあり、それ以来ミシュアルに対して歪んだ愛情を持っている。
自らの混血をある程度抑制することが可能で、目の色によってそれを確認することが可能。

【Sample story】
蒼津が左手に突き刺さった白銀の銃剣、〝銀光の刺突(シルバーライトニング)〟を引き抜く。
傷口からは激しく出血する。
月の光を浴びてきらきらと紅に怪しく煌きながら、ぼとぼとと手の甲から地面に流れ落ち、小さな水溜りを形作る。
「ふふ……」
「何が可笑しいんです?」
このくらいの異常は見慣れている、という涼しげな声で問う。

蒼津は朱色に染まった左手を頻(しき)りに強く握りなおしながら、恍惚と悟りを語る狂人のように続ける。
「良い痛みだわ。ずっと殺し続けてきて、忘れかけていた痛み」
「……それで? それがどうかしたのですか?」
僅かな興味と確認を帯びた間を置き、返答する。

ぐぢゅ、ぐじゃ。
粘ついた血の水音が響く。

「嬲り殺すのは好きよ。だけど、究極的には他人の痛みじゃなくても構わないの。
理解できるかしら? 私はただ、何も理解せずに狂って狂って狂ってそこから生まれる快感を貪ることができればそれでいいのよ。生があっても死に落ちても、それに酔っていられればそれでいいの。
だから、あの時のように――私を死の淵へ叩き落して? 私の骨肉を貫いて? 私をズタズタになるまで引き裂いて? 私を二度と立ち上がれないくらい滅茶苦茶にして?」
加速する狂気。眼の色が、蒼から黄へ、黄から真っ赤な真っ赤な紅へとグラデーションを通し変色する。
それに同じく、常に冷静だった、偽装の表情が壊れて歪む。

「壊れたリズムで踊るように美しく私を全力で殺して殺して殺して殺しても殺しても殺したり足りない程に私を殺さんと殺しに来て?
そしたら代わりに……うふ、同じコトを貴方にもシテアゲル」
「――いいでしょう。痛覚神経が脳に痛みを伝えるまでもない刹那の内にこの世界から跡形も無く消滅させて私を敵対させた事を悔いて死になさい」
官能的に笑いながら二丁拳銃を構える蒼津を前に、御託は聞き飽きた、と言わんばかりに次の〝銀光の刺突〟の投擲姿勢に入る。
狂気そのものと対峙してなお平静を保てるミシュアルもまた、何かが欠落している。
何もかもが狂っている。狂人を押さえ込むための崩壊者。解毒の為の毒。
ここはそういうことで成り立つ世界。人ならざるもの達の夜。

「ふふ、そう言ってくれると信じていた。
殺し殺される限り、永遠に」
一息の合間を置いて、

「――愛しているわ、ミシュアル」
歪み螺子くれた告白から、狂乱の宴の幕は上がる。
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