名前:バルトロメウス・エグナー 真名:アーヴェント
称号:『晩の獣』
種族:不明
アルカナ:Erus-Phantasma-mater
性別:男性体
属性:秩序・善
生没年:不明
聖痕;首筋・舌・掌
容姿:三つの容姿を持つ
1:灰色公の影武者としての姿。フェリックス・クリューガーと瓜二つ
2:平時の姿。夜色の髪と瞳を持つ、20代後半から30代前半ほどの長身痩躯の僧侶。落ち着いた風貌をしていて
常に穏やかだが巌のような声と雰囲気を持つ。身長は180cmほど
3:本来の姿。ヴィンスと闇の指輪の為に存在する魔導人形
夜色の鋼の体を持つ人型。人間時よりも身長は増しており、2mほどとなっている
設定
ヴィンス公国における旧派真教の教会を護る司教にして、家人衆筆頭カール・ブリッツへの助言役や、フェリックスの息女リエッタ・クリューガーの教育役などをこなす静かな男
国内における各方面への影響はあるが、本人が表だって主導的に動くことは無く、また表だった立ち位置として普段は教会の維持と旧派の教布を一義としているため、周辺諸国や他国からの彼に対する関心は薄い
その正体はヴィンスに古くから仕える魔導人形であり、第一回選帝侯会議の折、理想金属イオシスを用いて指輪を鍛え上げたドワーフとの盟約により、ヴィンスの闇の指輪と、そして指輪を戴くヴィンス公国を守護するために作成された存在だという。魔導人形の記憶野に多くの欠損があること、また各国にも同様の存在がいるかどうかに関して、情報の秘匿と現存する他の存在が確認されていないことによる各国情勢の不透明性故、事実かどうかには疑念の余地が大きい
そうした魔導人形であり、また灰色公に仕えた一人の男でもある。
事の始まりは一人の男の誕生から始まる
男は代々ヴィンスにおける旧派真教の担い手として司祭を務める家柄に生まれた。
それだけであれば彼の人生は劇的な変化を迎えることもなかった。
沁み入るように広がる旧派の腐敗に憂いを抱きながらも、その信仰の道を問うただの男として生きたはずだったが、数奇なるか
彼は聖痕を宿し、いつの頃からか眠りについてた魔導人形の主としての力に目覚め、それを契機として灰色公との出会いを果たす。
男はそれより闇の指輪を持つ灰色公の側近となり、闇の指輪と、その所持者である灰色公、ひいてはヴィンスという国の為に、旧派の司祭として、あるいは灰色公の影として、またあるいは、闇の指輪を護る守護者としての日々を送る。
時に灰色公の傍に現れる夜色の鋼の人形の存在は、主である男が己の身の秘匿に努めたこともあり、半ば都市伝説めいた扱いとして、灰色公の威風のひとつとして示されていた。
それは男にとっては見出した路であった
日々を過ごすうちに彼の胸にはその胸に才覚と強い意志を秘める灰色の男への忠義と、国を護ることに対する己の選択が芽生えていた。この若き日々の頃を彼は決して多くは語らないが、この時が彼にとっての黄金期であり、青春の時代であったことは間違いが無いと、自らの口で語る。
そんな日々にも終幕は訪れてしまうのだが。
ある時を境に灰色公は戦場に出ることをやめ、ヴィンスの城に籠り、深慮遠謀の輩として孤立を深めていく。
それと時を同じくして、灰色公の傍に控える守護者もまた歴史の霧の影からすら、姿を消した。
何があったかを男は黙して語らないが、以降男は男自身が魔導人形と一体化し、表舞台からは降りることとなる。
それから数十年の月日を表向きは正真教の司祭として、裏では時に灰色公の影武者としてその”顔”を偽り、国土と忠義の為に闇に伏す日々を送る
数十年の月日の間も老いは遅く壮健な彼をいぶかしむ声もあったが、それもすら密やかに流布する自身の神秘性として利用して、男は生きていくことになる
そうして 1066年。カール一世の即位に対して反旗を翻したヴィンスの国に訪れた戦火を前に、男は再びの転換期が来たことを感じ取り、行動を開始する。
性格は
巌のように静かで穏やか。己の為すべきことの為に断固とした姿勢を取る鉄の意志の人だが、それを務めて隠す静けさに満ちている。目的の為ならば犠牲をいとわず、物事に優先順位をつけて情ではなく論理で動く
彼にとっての唯一の情が、「自らが護るべきの為に情を捨てる」ことなのである。
表向きの顔はまさしく聖職者然とした丁寧で神秘的な装いであり、静かで受動的だがその物腰と派手ではないがそつの無い手腕から、彼自身は決して目立つ行動はしないものの一定の支持を得ている。
忠義の徒であり、それを第一義として動く人物だが、信仰心も強く、現状の旧派・新派の争いに関しては胸を痛めるところもないではないものの、それは私情と断じ、忠義の、使命の、そして「己の属する」信仰の為に剣を取ることを是としている。
国内の立場においては表向き高くないが、家人衆筆頭のカール・ブリッツや灰色公息女であるリエッタなどは彼の正体を知っており、国の奥深くで未来を見据えるものとして一定の地位は獲得している。
元よりストイックかつ自罰的な彼は己の為すべきことを見据えて地位を獲得しているだけであり、現世における権勢などには興味は薄い。それが必要なことであれば躊躇はしないのだが。
このあたりは、魔導人形と一体化している故の機械的な思考回路故かもしれない。
最終更新:2013年08月24日 09:04