「宗派」という言葉があるけれど あれは私は少し覚え違いをしていると思うのだ
アーの威光と、恩恵は、聖母の徳を信じる心というものは、あまねく降り注ぐものであるだろう。
つまるところ、信じたい「甘味」を砂糖菓子のように切り分けているのは 我々なのだ。
なんとも嘆かわしいね。

名前:ベアトリーチェ・サングティア
種族:マテラ
アルカナ:Aqua=Erus=Mater
性別:女
生没年:1137~
共振:喀血
聖痕:上腕、脚、声
因果律:"世捨て人"忠誠""合一"
因縁:◎恩人:"処刑者"コンラッド

容姿:栗色の短髪。後ろ髪は癖があり、前髪はきっちり切りそろえている。やや色が濃い黄肌
   服装は動きやすく改造した神官衣。下半身はスカートで、腰のベルトにブックケースを連結させ常に真実の書を持ち歩いている。
   身長はさほどないが、豊満で女性らしい肉体美を持つ。目もとが陰鬱そうな赤褐色だが、表情は明るい。
   結果として常にうすら笑いのような表情になってしまっている。

経歴:

正真教協会よりフライザッハに派遣された、旧派真教の司祭。
旧派らしく戒律や儀礼に詳しく、魔術に対する知識もあり、敬虔な信徒であり伝道者。
だが一方であまり権威や世俗の損益に頓着しないところがあり、時に神殿での説法より、真実の書を読み解き、学ぶ事でアーの行いに近づけると説く事があるなど、ウェルティスタントに近しい考えを持っている様子もうかがえる。新派の司祭ともつながりがある。

新派と旧派 双方の教えを胸に抱く人。

トラシア王国の南西部、司祭の子として生まれ敬虔な旧派真教の信徒として育つが、5歳の折りに西戎の報復によって故郷を追われる。
蛇人達の勢いと追撃は激しく、故郷の街で母を失い、逃げる道すがらにてアーの教えに従い献身的に他者を助けた父を失う。
山脈を越え、からがらエクセター王国の地を踏むも、子供故の足手まといと極限状態にあって人間性を失いかけていた大人たちに見捨てられ、一人となるベアトリーチェ。

そんな彼女を救ったのは、彼女が唯一失わずに持ち続けた真実の書を目に留めた第二の父。
新派真教の祭司として、流浪の旅を続けていた男に拾われ、育てられながら5年の歳月を放浪と、新派の祭司の同道者として過ごす。
旧派の教えと新派の実情を目にしたベアトリーチェは、宗派間の対立という真教の現状に疑念を抱き、その全貌を把握し、打開策を掴むために育ての親の下を離れる事を決意した。齢12の時である。

それからは、更に5年の歳月をエクセター王国の神学院にて、新派の教えと魔術の素養を磨く為に過ごし
卒院後は第二の故郷とも言えるエクセターを後にし、ヴィンスからバルヴィエステを放浪しながら旧派の信徒を名乗り各地の修道院を訪問。敬虔な信徒である事をアピールして名を売り、やがて後援を示してくれた司祭の紹介でバルヴィエステ教国の学芸院に就学。
既に学や魔術の素地があった彼女は優秀な成績で5年の歳月をかけて卒業。特に彼女が興味を示したのは旧派の戒律や道徳、伝統を学ぶ事であった。齢22の時である。

その後天慧院の門を叩くも、まもなく紫藍戦争が勃発。諸侯の紛糾や民衆の困窮を見捨てる事が出来ず、中途で天慧院を出奔し、その癒しの技にて人々を援けながら再び放浪の徒として年月をすごした。
その功績を認められ、略式ではあるが司祭位を拝命するも配属地は決まらず、その上戦争終結後には、余裕があって過去の因縁を思い出したかは定かでないが、第五次竜伐遠征に従軍司祭として同行。
惨憺たる逃亡戦をその奇跡と魔術と信仰にて支え、帰還すると、実に数年の歳月を経て後、ようやく配属地をいただいたのである。
齢29にして、旧派、新派の教えと姿を目にし、ようやく模索の旅は始まる

向かうは一路フライザッハ。 彼女のかかげる目的は「 垣根を越えた信仰の誕生。融和と合一 」である。

性格:

基本落ち付かない人。

頑固で頑迷。信心深く、慈悲深く、そして短気。しぐさは女性的だが語り口は男性的
慈悲と信じる心と友愛を第一の父から。身を護る術(肉体言語)と見識と新たな価値観を第二の父から。
それらを行い深めるための加護を聖痕という形で天から、最後にその為の自負を己からいただいた人

アーの教えとマーテルの慈悲による救済を心から信じており、あらゆる罪は懺悔し、改心し、アーの御心に適う事で赦されるのだと豪語している。
他者に対しては丁寧に礼儀正しく接し、柔和な物腰を崩さないが、それは信仰者としての己故であり、ある種の仮面。
何度も己を救い導いたアーの教えに心酔しているが、一方で現在の己の信仰を不満であり不徳としている。
己の立場や技術を抜け目なく使う一方で、やや慢心ぎみで、物事の詰めが若干甘い。
基本的に他者に対して度量が広く、ポジティブに物事を解釈する。というか、不安とか弱気とかに煽られている人を見ると応援したくなってくるので、事あるごとに説法やアーの御心があれば大丈夫!と駆り立てるちょっと危ない人。
年下には優しい姉や隣人として接し、年上には敬意と親しみを以て接する。いやうんなれなれしい
大抵の者には味方し、殺戮者ですら赦しの範疇にいると思っているが、悔いあらためる気がないもの、悪行に身を浸すことをよしとする信条や姿勢には大変攻撃的であり、割と簡単にブチ切れる。

が、攻撃能力は皆無であるため大抵の場合そのタフさを生かして延々説法という名の肉体言語で語りあい、敵わぬ場合は即座に素早い逃げ足を翻しては時間をあけて辻説法の為に襲いかかる。蛇人から執念深さを学んだんではなかろうか。

信心は好きだが利潤としての宗教が嫌いで、だからこそ旧派は好きではないのだが、その私心に満ちた考えが現在の宗教観の対立を招いている と思っている事から、あまり私情では行動しない。
信心が私情と言われたら 割とそれまでである。

聖痕者として目覚めたのは、19の時であり、その際に闇の卷族が殺戮者と共に引き起こした事件を解決した際に、愛馬ローランアイトと、放浪の最中であったコンラッドに出会い聖痕者としての宿命を教えられた。
そこから22歳までの間に、学徒として積極的に学びながら新派の信徒としてエクセター各地の修道院も訪問し、その献身的な学びの姿勢を評価され、かつての聖人が身に着けていたと言われる聖衣のごく一部であるというものを贈り物として賜った。聖痕者の宿命故か、うっかり本物だったわけだが。


一人称は私 二人称は貴女/貴方 アーとマーテルの事は敬愛を込めて呼ぶが、たまに口が滑ってうっかり悪口になる。
最終更新:2015年09月27日 07:57