絶望の悪魔
- 来歴
- 悪魔の異常な愛情/または彼女は如何にして捕食するのを止めて彼を愛するようになったか
人の負の感情を好む西洋系悪魔の一柱。
魔法陣によって召喚され、契約の代償に魂や生贄を要求することから、
キリスト教圏では悪の象徴とされつつも、求める声が絶えなかった。
負の感情を得る為に、人を陥れ、争いを助長し、疫病を振りまくこともあったが、
中世の末期に神官に封印され長きに渡って聖書の中に封印されていた。
時は流れて世紀末。'神'と呼ばれた存在の死と共に封印が緩み、
極東は静岡の小さな古書店にて500年振りの復活を遂げた。
世紀を隔てて蘇った彼にとって、ストレス社会日本は楽園だった。
平成不況、リーマンショックと酒池肉林の如く過ごしてきた彼は、
就職氷河期に運命の出会いを果たす。
悍ましい程の負の情念に捉われた就活生が公園のブランコにいた為、
おやつ感覚でつまみ食いをして、どこかスッキリした表情の学生を横目に帰宅した。
翌日、彼が公園を通りかかるとそこにはさらなる闇に包まれた就活生の姿が!
この無限コンボに味を占めた彼は、
ストレス耐性ゼロの学生に接触を図るべく姿を変え、只管に就活生のストレスを食い続けた。
より接近する為に、男の趣味が写真と聞けば彼女も始め、
男が広告代理店に就職を決めたと聞けば彼女も潜り込み、
好奇心から交際を経て、結婚を決め、婚姻届けを出して結婚生活を始めて、ふと彼女は気付いた。
どうやら夫と悪魔の契約を交わしてしまったようだと…。
爬虫類じみた青白い鱗とヤギの角と眼を持ち、蝙蝠の羽をはやした女悪魔。
悪魔としての基本的能力と魔法陣での召喚、闇の操作以外に、
人の負の感情を操作する能力を持っている。
また、現代の悪魔の能力として絵画や画面から物体を実体化させる能力を獲得している。
反面、悪魔としての基本的特徴として神聖な空間や聖別されたものに弱く、
一度約した契約に縛られる弱点を持つ。
主食が負の感情、特にストレスの為、それらを摂取できないと弱っていく。
黒須・京子(くろす・きょうこ)
性別:女
外見:長髪を首の後ろでくくった適当にくくったややスポーティーな女。
セーターやタートルネックなど露出の少ない服装を好む。
黒髪黒目だがよく見ると瞳孔が縦に割れている。
職業:主婦
特徴+:カリスマ1Lv、意志の強さ1Lv
-:悪魔の名誉重視、足手まとい/夫、トレードマーク(魔法陣)、残忍、好奇心
癖 :夫の前では態度が違う、軽度の露悪趣味、契約は裏をかくためにある
男性口調、「時代は変わったものだね」
「時代は変わったものだね。
かつて人々が純朴で神を信じていた時代、
我々は負の感情を得る為に不和の種を蒔き、
時に人を争わせ、時に人を裏切り、
そして時には人を滅ぼした。
その為に神の尖兵から逃れ、
仲間同士で殺し合ったりもしたものだ。
それに比べて、現代とやらは天国だ。
神は権威を失墜し、人は欺瞞と退廃の中を生きている。
明日が今日より良い日だと思っている人は少なく、
メディアは警鐘とばかりに負の情報を垂れ流す。
ここでは我々は積極的に動く必要すらない。
朝の山手線に乗って一周するだけで
向こう一週間分くらいの負の感情が手に入る。
ブラック企業の中で清掃員でもしていれば
満腹になってなお余りある。
私もまた牙を折られた悪魔だが、
今生で初めて、幸福というものを甘受しているよ」
最終更新:2020年04月05日 00:40