名前:ハインリヒ・フルネスト・ザルツブルグ
称号:『ザルツブルグ伯爵』
種族:ヴァルター
アルカナ:Efectos or Fantasma=Corona=Martel
生没年:1048~
性別:男
聖痕:舌、額、鏡の中
容姿:茶髪緑眼。一見爽やかな好青年。聖印と家紋が刺繍された礼服を着て、2mはあろう装飾された金色の十字架を背負っている。糸目。
ウニオン領内、『塩の町』ザルツブルグの領主。通称は『スパイダー』
貴族階級によくある選民思想と生来の強欲さから領民に重税を課す極悪領主だが、
外面が良く、強力な私兵団を持つ為、対外評価は高い。
自己中心的且つ独善的な彼が未だ殺戮者に堕ちていないのは、偏にヒルデガルドへの強く一途でヘタレた愛ゆえである。
本当に好きな人間の前では嘘がつけないという呪いの為に、ヒルデガルドには信頼されている。
金で買った司祭位を持っていて、ウニオン北部旧派真教のまとめ役を仰せ付かった。
ウニオン内部では派閥に属さず、利益調整を行うことが多い。
実質、領地の意向を全く反映しない領主である為、完全なヒルデガルド派である。
遍歴
ザルツブルグ領主の次男として生まれるが、幼い頃にエフェクトスとしての才を見出され魔法使いに引き取られる。
しかし、幼少時から肥大化していた選民思想と権力欲により機を伺って実の兄を毒殺、唯一となった跡継ぎとして10歳の頃に家に戻される。
その後も貪欲に知識を集めつつ人脈を広げ、当時未だ温厚であったアンセル王子と親交を結び無二の親友となる。
15の誕生日に父を暗殺し地位を継ぐが、死に際の父の呪いにより『真に好意を持った者の前で虚偽が吐けず、其れが故に死ぬ』という制約を受けた。
そして、1063年・・・彼は運命の人と出会う。
包囲下のフェルゲンへの潜入。第一王子を連れてのそれを二人の仲間と共に行い成功させると、
年の離れた親友アンセル王子と憧れの女性ヒルデガルド王女、二人を裏から支えるべく裏工作と賄賂を持って防衛に当たる。
特に闇から手を伸ばすフォーゲルヴァイデ家との1年に渡る暗闘は彼の理想家としての面を致命的に削り取っていった。
その後の北狄の出現時は休戦交渉にこそ関わらなかった物の、金で動く諸侯の抑えに回り、一定の成果を上げる。
フォーゲルヴァイデ家がアンセルの仮想敵である以上、国外に味方や逃げ場を作らなければ危険だと判断した彼は、
ブレダとの和平を推奨し、アンセルの旗下に加わる。
ザルツブルグ領軍そのものはそう強くはなかったが、フェルゲン包囲下で育て上げた暗闘部隊は工作兵として十二分に優秀だった為、彼は補給路の襲撃や問題を起こす諸侯の暗殺でアンセルの股肱の臣として活躍した。
しかし、1065年10月、北狄大征伐の際、プラウエンワルトにて主と共に消息を絶つ事となる・・・
一説によれば部下にガイリング二世の暗殺を命じ、共倒れになったという。
消えた彼の名が再び歴史の舞台に現れるのはそう遠い日ではなかった。
1067年、アンゼル一世から遅れること一年。
ダーフェルシュタインの宮廷に忍び込み、ヒルデガルド王女に一通の手紙を手渡し、先の神聖騎士団長ノエル・フランシス・エルマーの脱獄と両名のケルバー亡命を支援した男。かつて倒した男の通り名たる『蜘蛛』を名乗り、かつての親友に背き、似合わぬ白馬の騎士を演じたこの男こそ。
沈黙を破り帰ってきたハインリヒ・フルネスト・ザルツブルグに他ならない。
ケルバーまで無事に彼女らを送り届けた彼は、まず継承権争いで荒れるザルツブルグ領を武力で制圧。
蟻のように群がって、どちらにつくか日和見していた親族一同を謀殺すると、すぐさま取って返し、ウニオンの結成に参加。
ケルファーレン代公、竜伯、皇太后など、諸所の勢力の長が集う中、再び暗闘とその防衛に手を染める事となる。
しかし、三王会戦時には目立って動いておらず、その後のエーデルシュタット諸侯会議にも姿は見かけられていない。
徹底してアンゼル王子の矢面に立たないように見える、その姿に一部の諸侯は疑惑の目を向けている。
また、彼は何を言われようがプラウエンワルトであった事を語ろうとはしないという。
最終更新:2013年08月25日 03:22