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2.9 大数の法則

 実験回数を増やして、ある事象の起こる割合を測定すると、回数を増やせば増やすほど「一定値」に近づく。
 (ベルヌーイの大数の法則)
  • この法則により、先験的確率=実験的確率、と考えられる。


2.10 確率変数・期待値・分散の感覚的把握

確率変数=その取りうる値に対して、確率が対応している変数のこと
たとえば、宝くじの例で言えば、賞金金額が確率変数である。
各賞金金額とその確率をかけて合計したものが、「期待金額(期待値)」という。

例.宝くじ

次の表のような当たり本数の宝くじを100本販売する。
等級 当選金額 当選本数
1等 100000円 1本
2等 10000円 3本
3等 1000円 6本
この場合、賞金総額は、100000円×1本+10000円×3本+1000円×6本=136000円 であり、
宝くじ1本あたりの金額は、
  136000円÷100本=1360円
になる。
この宝くじを販売するとき、1360円以上で販売しないと利益は出ない。
この金額が、宝くじの期待金額になる。

上の期待金額は、次のようにも書ける:
(100000円×1本+10000円×3本+1000円×6本)/100本
 =100000円×(1/100)+10000円×(3/100)+1000円×(6/100)=(当選金額)×(当選確率)の総和

すなわち、当選金額と当選確率を掛けて合計したものが期待金額であり、これが期待値(expectation)である。

例1.さいころを1回振るときに期待できる目の数(同じ確率のとき)

目の数 確率
1 \frac{1}{6}
2 \frac{1}{6}
3 \frac{1}{6}
4 \frac{1}{6}
5 \frac{1}{6}
6 \frac{1}{6}
このときの期待値E
  E=1×(\frac{1}{6})+2×(\frac{1}{6})+3×(\frac{1}{6})+4×(\frac{1}{6})+5×(\frac{1}{6})+6×(\frac{1}{6})=\frac{21}{6}=3.5

例2.さいころを1回振るときに期待できる目の数(違う確率のとき)

目の数 確率
1 \frac{1}{24}
2 \frac{1}{24}
3 \frac{1}{24}
4 \frac{1}{24}
5 \frac{1}{3}
6 \frac{1}{2}
このときの期待値E
  E=1×(\frac{1}{24})+2×(\frac{1}{24})+3×(\frac{1}{24})+4×(\frac{1}{24})+5×(\frac{1}{3})+6×(\frac{1}{2})=\frac{10}{24}+\frac{5}{3}+3=5.08
したがって、このサイコロでは5と6の目が出やすいことが分かる。

解説

  • 期待値Eは,平均=全体のバランスをとる位置、を与えている。このため、確率分布の期待値を「確率分布の平均」という。
  • 平均値からのばらつきを表す指標が「分散」である。
 分散V(variance)は、各値から平均を引き、2乗した量に、対応する確率を掛けて加えて求める。
 分散の平方根を取ったものが「標準偏差SD(standard deviation)」である。

例3.さいころを1回振るときに期待できる目の数(同じ確率のとき)

上の例1の場合の確率分布表からE=3.5であるので、下の表ができる。
目の数x 確率P x-E (x-E)^2 (x-E)^2 \times P
1 \frac{1}{6} -2.5 6.25 1.042
2 \frac{1}{6} -1.5 2.25 0.375
3 \frac{1}{6} -0.5 0.25 0.042
4 \frac{1}{6} 0.5 0.25 0.042
5 \frac{1}{6} 1.5 2.25 0.375
6 \frac{1}{6} 2.5 6.25 1.042
合計 1 2.918
このときの分散Vは、V=2.918で、標準偏差sは、Vの平方根を取り、s=1.71となる。

後で述べるが、確率分布が正規分布の場合には、平均-標準偏差~平均+標準偏差、に全体の約3分の2(68%)が含まれる。
今回の例3の場合は、まさしく、1.79~5.21の間に66.7%含まれていることが分かる。
これが、実は、標準偏差の役割である。

最終更新:2011年05月14日 10:06