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(6).可算集合の話

前回までの話をまとめよう。

【定義】
  • 濃度・・・無限集合の要素の数に相当する概念。
  • 無限集合の相等は、「1対1の対応」が存在する場合とする。


  • 整数Zの濃度=自然数Nの濃度
   0\leftrightarrow1,\ 1\leftrightarrow2,\ -1\leftrightarrow3,\ 2\leftrightarrow4,-2\leftrightarrow5,\dots、と対応付けることで、「1対1の対応」付けができる。
  • 平面上の格子点(m,n)の集合Mの濃度=自然数Nの濃度
   前回までの議論のように、(0,0)\leftrightarrow1,\ (1,0)\leftrightarrow2,\ (1,1)\leftrightarrow3,\dots と渦巻き状に対応付けることで、
  座標から順番が求まり、順番から座標が求めることができる。これは、「1対1の対応」付けができることを示している。

  • 有理数の集合
  Q=\{\frac{m}{n}|m,nは整数、n>0\} とする。
  分母が1の有理数は整数であるので、ZQに含まれることが分かる。(これを、Z\subset Q と書く。)

  また、分数\frac{m}{n}を格子点(m,n)に対応づけることで、Q\subset Mがわかる。

 以上により、N\subset Z\subset Q\subset Mがわかる。
 ゆえに、有理数の濃度=整数の濃度=自然数の濃度、が結論付けられる。
 有理数は、整数や自然数よりも多く感じるけど、実は「同じ」個数であることが分かったのである。

(7).カントールの対角線論法

有理数の数号は可算であることが分かったが、実数は可算ではない。
これを証明するのが、「カントール(Cantor)の対角線論法」である。
少し難しいが、証明の素晴らしさを味わってほしい。

「実数の集合は可算ではない」ことを証明する。
まず、結論を否定して矛盾を見出す「背理法」で証明する。

実数の集合が可算である、と仮定する。特に、0より大きく1より小さい実数の集合Iで考える。
   I=\{\ x\ |\ 0<x<1,xは実数\}
仮定より、すべての実数に番号を付けて、下記のように、一列に並べることができる。
  1番目 ・・・ 0.a_{11}a_{12}a_{13}\dots
  2番目 ・・・ 0.a_{21}a_{22}a_{23}\dots
  3番目 ・・・ 0.a_{31}a_{32}a_{33}\dots
    \vdots
  n番目 ・・・ 0.a_{n1}a_{n2}a_{n3}\dots
    \vdots
       (a_{ij}は、i番目の数のj桁目、である)
このとき、
  a_{ii}=1のとき x_{i}=0、 a_{ii}\ne 1のとき x_{i}=1
として、数0.x_{1}x_{2}x_{3}\dotsを定める。
 すると、この数0.x_{1}x_{2}x_{3}\dotsは、上で並べたどの数とも一致しない。
これは、すべての実数に番号を付けて並べたことに矛盾する。
ゆえに、すべての実数に番号を付けることは出来ない    (証明終わり)

上の議論で、有理数と実数は濃度が異なることが分かった。
無限集合に、濃度の違う集合がある。「濃い無限」と「薄い無限」がある。
この他にも濃さの違う無限があるのか、これは20世紀の数学者が追及している問題であり、今後も追及され続ける問題なのである。

第2章.ユークリッドの互除法

(1).整除について

【定義】 整数a,bに対して、
    a\div b=q\dots r
となるとき、abで割った結果qを「商」といい、余りrを「剰余」という。このとき、
    a=bq+r
の関係が成り立つ。

【定理】剰余rについては、0\le r<q を満たすように取ることができる。

(問題)次のそれぞれの場合に定理の式を成り立たせるq,rを求めよ。
  (1).\ a=720,\ b=39    (2).\ a=-50,\ b=12
  (3).\ a=5,\ b=13     (4).\ a=-5,\ b=13

(解答)
(1).\ 720\div 39=18\dots 18より、q=18,r=18
(2).\ (-50)\div 12=(-4)\dots (-2)
        =(-5)\dots 10より、q=-5,r=10
(3).\ 5\div 13=0\dots 5より、q=0,r=5
(4).\ (-5)\div 13=0\dots (-5)
        =(-1)\dots 8より、q=-1,r=8

最終更新:2011年11月16日 13:39