28 :リリころ・士郎編ダイジェスト:2008/06/23(月) 23:20:02 ID:B28U+lIb
酔いどれ虎の一言でヒロインが入れ替わった冬木市。
みなが騒ぎを起こす中、衛宮士郎は事態の収拾を図るために立ち上がる。
「よし、この馬鹿騒ぎを止めるぞ。行こう、セイ…じゃなかった」
「フェイト・T・ハラオウンだよ。よろしく、士郎」
一時の間仮初の主従となる二人、だがその前に、かつての仲間が立ちふさがる。
「アーチャー、お前…」
「……主人の意向、という奴だ。悪く思うな小僧」
「そんなに急がんでもええやん。もう少し楽しもう。私としてはこっちの人ともっとお知り合いになりたいんよ
ライダーさんとか、氷室さんとか、リズさんとか…」
「フェイトちゃん。フェイトちゃんはいいよね。主人公の相棒役で。私みたいになんちゃって高校生
でもなければ、年齢詐称する必要もないし。この年で高校一年生をする気持ちわかる?
ねえ、何で私だけこんな役回りなのかな? フェイトちゃん。私の言うこと、そんなに間違ってる?」
いきなり立ちふさがるラスボス級の強敵。
タイガーボールがなければ必殺技が使えないという設定のおかげで、二人は何とか窮地を脱する。
だが、そこに現れたのは憤怒の英雄王。
「雑種貴様ーーーーッ!!! 我の、我のセイバーを大きくするなどその暴挙、刎頚にも値するぞ!!」
「えと、士郎この人は?」
「ほっといても問題のない危険物だ」
英雄王ですら逃れ得ないネタキャラ化の危機。
慄然とする面々を尻目に混乱は拡大し、ついには冬木市上空に聖王のゆりかごまでが出現する。
29 :リリころ・士郎編ダイジェスト:2008/06/23(月) 23:20:43 ID:B28U+lIb
「シャラップ! 私語は慎め雑兵共! 一山いくらの主人公とヒロインが粋がってるんじゃないわよ。そんなんじゃ、
聖王イリヤ城は攻略できないんだから!」
「もうやめろ藤ねえ! 冬木のSAN値はとっくにゼロだ」
ゆりかごの玉座に虎聖杯があると知った士郎とフェイトは、やむなくゆりかご攻略を決意する。
だが、内部は既に虎聖杯によってかつてのゆりかごなど比較にならないトンデモ空間と化していた。
「な、なんで包丁とお玉なんか投影しちまうんだ!」
「ま、魔力を回復させるのにアイテムが必要だなんて、こんな設定理不尽だよ」
虎縞ガジェットとポンチ絵キャラが跋扈する魔窟でシリアスなど維持できるはずがない。
ついには力尽き、ギャグキャラへの仲間入りを果たそうとする二人。
だが突如、彼らを包囲していた敵が次々と爆破される。
「駄目じゃないか士郎。自分のサーヴァントは大切にしなきゃ」
「そうだぞ。それに、姉に声をかけずに行くとは水臭い」
「…じ、爺さん? と、どなたですか」
援軍を得てついには玉座の前と到達する一同。
そして最強の敵が立ち塞がる。
「この泥棒猫が…シロウは私のメシ使いだ」
「お義母さま! じゃない、セイバーオルタ。どいてくれ、虎聖杯は破壊しなきゃいけないんだ」
30 :リリころ・士郎編ダイジェスト:2008/06/23(月) 23:21:20 ID:B28U+lIb
混乱は終わる。虎聖杯は消滅し、ヒロイン入れ替えの縛りも消えた。
朝日が昇り、夜明けが訪れる。
「これで終わりだね」
「……ああ、終わりだ。もう、ネタキャラは一人も残ってない」
「…最後に一つだけ伝えなきゃ」
「ああ、どんな?」
「そこをどきなさい切嗣! あれだけは、あれだけは見過ごすことはできないのです!」
「聞けないな。人の恋路を邪魔するとは、アーサー王は人の気持ちがわからないようだな。
やはり、騎士に世界は救えない」
「告白かどうかはわからないが、ここは抑えてくれ」
「士郎、君の事を……」
Fate/リリカルころしあむ 衛宮士郎編 正義の味方と執務官 ~終~
31 :リリころ・士郎編ダイジェスト:2008/06/23(月) 23:22:53 ID:B28U+lIb
以上です。
最終更新:2008年06月25日 03:22