43 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:14:22 ID:nVrH4LJ6
久々ですが、投下させていただきます。
とある一幕
盟友だからこそ
「では秋葉さん彼女達を宜しくお願い致します」
「分かりました忍さん」
「すいません、大変ご迷惑をかけて」
「あの程度なら迷惑もありませんよ…ええ…あのアーパーや、カレーや・・・」
「(苦労しているのね)」
更生名目におけるバイト中の3馬鹿トリオ
「キィィィィ、チンク姉ぜってぇ遊んでいるっス!」
「可愛い妹が汗水流して働いているのに…帰って来たらおしおきだよ!」
「そうだそうだ…」
「ふ~ん、それが言えた立場かしら?ウェンディ、セイン、ノーヴェ」
「ええと、桃子さん一体何の用っスか?」
「…ケーキつまみ食いした事、まさか私が知らないとでも」
「つい美味しそうなのでちょっとだけ…じゃなくて」
「ふぅ~ん、チーズケーキ丸々一つをつまみ食いとはね…久遠、やっておしまいなさい!」
「グルルルルル」
「「「アッーーーーーー!!!!」
「ティア~もう学校だよ~」
「やば!あ、チンクはどうするの?」
「来たばっかりで疲れているから少し寝かそうよ」
「そうね」
「部隊名は666か…」
まぁ自分たちがしてきた事を考えると妥当な名前だな…皮肉めいた笑みを浮かべる、何せ時空の平
和を守り続けてきた組織に歯向かい史上最大の事件を巻き起こした張本人の尖兵なのだから(その
本人はそう言う言葉を嫌っていたが…)
「なんで666って名前っスか?」
「う~んなんでだろ?」
意味を知らずに首を傾げる妹達、まぁディエチはその意味を知っているが、彼女も自分と似た考え
を持っているだろう。まぁ無理もない…そして自分の監視役とも言える責任者から連絡が入る。
「知っていると思うやけど、今回の任務は廃棄地区のB4ポイントに逃げ込んだテロリストの逮捕
後すまへんけど他部隊からの支援は受けられへん」
責任者からは申し訳なさそうな声が聞こえる。
「何、気にする事はない」
返答する。
44 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:15:59 ID:nVrH4LJ6
「合同訓練も行っていない部隊との共同作戦なんて愚の骨頂だからな」
まぁ、そんな事をしたら確実に後ろ弾を喰らう確立はかなり高いだろう、たしかにその責任者がかつて率いて部隊や
その部隊の自分と同類の半殺しにした姉こそ敵意はないが、未だに自分たちに恨みを持っている相手は多い、
現に周りにいる者達からは敵意に似た視線で見られているのだ。
(人はそう、恨みを忘れないからな…)
地上の秩序を乱し、かつて自分達の拠り所である存在を殺した恨みは凄まじいものだろう…
(だが、これで少し変われればな)
自分たちが局員として地道に、一歩一歩積み重ねていけば、いつか認められるかもしれない、そして今だ独房にいる主や姉達の刑期も短くなり、
また家族と笑って暮らせる事が出来るかもしれない。
「ええと、何度も念を押すけど殺しはあかんよ」
そう考えている中で、責任者からの注意が入る。
「分かっている、こちらの弾頭はすべて非殺傷だ」
そう答えると責任者は若干安堵の表情を浮かべた。
「ほな、頼むで」
通信が切られると、指示をだす。
「皆、配置についたか?」
「こちらウェンディ、いつでもオッケ~っス!」
「こちらノーヴェ、大丈夫だ」
「こちらディエチ、配置につきました」
「こちらセイン、ちゃんと所定の位置についたよ」
「こちらオットー、いつでもいけます」
「こちらディード、大丈夫です」
「よし、いくか、皆無茶はするなよ」
「「「「「「ハイ(っス)!」」」」」」
「では、作戦開始!」
「夢…か」
眼がさめる、昨日代行者との戦闘で怪我をした部位は完全に直っており、疲労感も抜けていた…そして時計を確認すると、もう9時を過ぎていた、彼女達は学校に言っているだろう、起こさなかったのは恐らく彼女達なりの配慮であっただろう。
「やれやれ、支援者失格だな私は…」
そうぼやいてしまう、そして夢を回想する。JS事件終結後ミッドチルダ各地に起きた大規模な反管理局活動…俗に言うテロ行為が頻発し、再建著しい陸上課は苦しいやり取りをしていたのだ。
そう簡易AMF技術の流出、そして何処で手に入れたのかガジェットを使用する例も増えており対応に苦慮していた。そこで更生プログラムを一通り終わっていた自分達を売り込んだのだ…
状況が状況なので臨時部隊として対テロリスト戦に参加した。
『第666特殊部隊』
某プリン好きな混沌吸血鬼(何故知っているとかの突っ込みはなしで)の数字にして囚人番号の名をもつ呪われた番号…自分たちには御似合いの番号かもしてなかった。
そういえば・・・
45 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:17:22 ID:nVrH4LJ6
「ぶぅ~5121部隊という名前でちゃんと旗まで作ったのに~」
と黒猫の描かれた旗を持ってぶうたれていたセインや
「このさい207部隊にでも」
「いや、ここはストームヴァンガードで」
と二人で変なやり取りをしていたオットーとディードとかがいたなぁ。
まぁ色々な問題はあったけど順調にテロリストを鎮圧していった…
まぁとりあえず先にする事はシャワーを浴び、そして朝食を取ってレポート、
そして補給申請だった。そして案の定大量に消費したスティンガーについて八神はやてとの
問答を行ったり色々大変でもあった、だが一つ忘れていた事がある…
「代行者の死体片付けるのを忘れていた!」
顔が真っ青になる。慌ててTVをつけるが、「死体が発見された」と言う情報が流れてこないのだ、
そしてベランダから町の様子を見下ろしたが、町の様子は大して変わっていない。
(馬鹿な!人の死体があるのにここの街は気にしないというのか?)
そう思ってしまう。そんな思いを秘めるがレポート作成が終わって次にやらなければいけない事…それは家事だ。
部屋を片付けて(と言っても真面目なティアナのおかげかちゃんと整理整頓されていたが)
掃除(これも定期的にやっているのかそこまでゴミはなかった)
洗濯…
涙が出てきそうだった、チンクの掴んでいる物、それはティアナとスバルのブラジャーであった、
確かに胸の大きさではトーレ姉様やクアットロ、ディード、セッテの方が上だがそんなもの何の慰めもなりはしない
…自分の大きさでは到底勝ち目はない。
(畜生!羨ましいなぁ~~~)
そう思う、苦労戦闘機人チンクの午前の出来事である。
まぁそれでも午後になると出かける、無論出かける場所は公園だ…だがそこの公園は異質だった、
IS能力で爆砕されたベンチやゴミ箱や自動販売機の残骸も何時の間にか撤去されていた、
そして公園で遊ぶ子供やだべっている主婦の人々は何の気も止めない。
(無関心なのか…ここの人たちは?)
誰でもそう思う、だがここの住人にとって公園の機材が何時の間にか爆砕されたりするのはもう慣れていたりもする…
少し公園を散歩していると視線を感じる、そして視線を送っている主の方を見る。
(猫…?)
46 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:18:48 ID:nVrH4LJ6
黒い子猫だった、毛の色と同じ黒いリボンをしていた、どこかの飼い猫だろう、だがその猫はずっとチンクを見ていた。
そしてチンクにはひとつの感情が湧きあがった。
―――モフモフしたい
元々性格か何かは知らないがチンクは子猫や子犬が好きなタイプであった、更生プログラムの時に
「生命の尊さ」を教えるとか何とかで猫や犬と触れ合った時に触った肉球のプニプニ感はもうたまらない…、
そして猫はずっとこちらを見たままだ。
―――もう我慢デキナーイ(某チョコ〇風)
と思いその猫に向けて歩み寄る、もうすぐ黒くてふわふわした心地よい手触りが、体中に伝わって…とか妄想している時だった。
「へぇ~貴方が昨日シエルを倒した人?」
声がかかる、慌てて振り向くが振り向いた方向には子供しかいない。
「こっちよ、こっち」
そして顔を元の位置に戻すと…
―――女性が黒猫を抱きかかえていた。
金髪のショートでありあのレリックを髣髴される紅き目、そしてセッテやディードとひけをとらないスタイル(う、うらやましい)
そしてシンプルな服装を彼女の美しさを盛り立てる、人から見ればモデルや女優といっても通じるだろう…感嘆するほどの美人、
だがチンクは怖気を抱いた。
―――なんだ、こいつは…私が知覚出来ないスピードで移動したのか…馬鹿な!いやこの女から発せられる魔力…
桁違いにもほどがあるぞ
それを知らぬか知っているのか女の人は続ける。
「管理局の連中は大体機関の人間に殺されているのに、まさか返り討ちにするなんてね」
「お前は誰だ?埋葬機関や魔術協会とやらの人なのか…」
「違うわね」
真面目な表情をする女性だがすぐに笑みに変わる、丸で猫みたいに、少女みたいな、いやその笑顔
にチンクですら一瞬見とれてしまった。
「いや~~~シエルを倒すなんて誇っていいものよ貴女…管理局の連中の中では中々やるじゃない」
「何がいいたい…」
47 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:20:20 ID:nVrH4LJ6
チンクはいつでもスティンガーを放つ準備をしていた。
「いや~別段ここで貴女と戦うわけではないわ…」
真顔に戻った女はチンクに言う。彼女はチンクが戦闘体制に移っている事を見抜いたのだ。
「ただね、これは警告…」
突然チンクの目の前から女は消えた…否、その女はチンクのすぐ隣に知覚されず瞬時に移動し、チンクの耳元に囁いた。
「別に管理局がこの世界で何しようが知ったことじゃないけど…志貴に下手な真似をしたら…
――― ハラワタをぶちまけるだけじゃすまさないから 」
女はそう言うと黒猫を抱きかかえてそのまま立ち去った、しかしチンクは暫く動けなかった、
彼女から発せられる殺気とも思えるプレッシャー、耳元で囁かれた時は氷の手で心臓を鷲?みされた気分であった…
―――もし戦ったのならどうなったのだろう…
そう戦闘機人としての性なのかそう分析するが…彼女の力はよく分からない、だが
昨日戦った代行者と同等、それ以上と推測される…昨日代行者に勝てたのは体の限界まで使用したから
辛うじて勝てたと言うもの、それ以上なら…
―――自分の命はない
チンクは震えた、それは強者と戦える武者震いではない、それは自分より強大な力の者と遭遇した時の
プレッシャーだったからだ…それを打ち消したのはティアナからの念話だった。
月村家ですら不可侵を貫く真祖の姫君にして最凶クラスのヴァンパイア「アルクェイド・ブリュンスタッド」、戦闘機人と吸血鬼の邂逅は短き時であった。
「少し宜しいかしら?」
唐突に声をかけられた、そして放課後誰もいない一室に3人はいる。
一人は私、ティアナ・ランスター
もう一人は私の相方である、スバル・ナカジマ
そしてもう一人は…
この任務における監視対象にして自分のクラスにおける番長ともいえる存在…
「遠野秋葉」
48 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:21:43 ID:nVrH4LJ6
「あの、なんでしょうか?」
私は秋葉に向けて声をかける。
「スバル・ナカジマ…ティアナ・ランスター…この学校に転向してきた学生は仮の姿、本当は時空管理局に所属する局員」
そう言う秋葉に私は思わず驚愕の表情をしてしまう。どこで情報が漏れた、どこでその情報を知った、そして何故私達の存在を知っている。そう思っていたら…
「うん、そうだよ~~~、すご~い、よく分かったね」
状況を全く読めてない御馬鹿な相方がいました、その相方はばれているにも拘らず、寧ろそれを誇っていた…それに対して秋葉は思いっきり面食らっていた。
「ゴホン、貴方たちの任務はこの世界の魔法技術などの調査ならびに監視ですね…」
その問いに私は素直に「はい」としか言えなかった。その場を美味く誤魔化す嘘思いつかなかった。
「難儀していると聞きましたので、こちらから少し力を貸してあげようかと思いまして」
礼儀正しい言葉で秋葉は言う、私はそれを「罠」だと思ってしまう、無理もない、この世界は管理外、
管理局にとって管理するほど文明が低いという外ではない、
管理できないほどの力を持つから外と呼ばれているのだ。そして管理局を嫌う人たちは何処にでもいる、
それはフェイトさんと他世界で任務にあたった時には嫌ほど実感させられたのだそう思っている時だった。
「すごいじゃん、ティア~~折角協力してくれるって言うんだから、素直に応じようよ~」
相方は相変わらず状況を飲めてはいなかった。
「どうしたのティア~人の好意は素直に受け止めようよ~」
頭抱えたかった、あれ?秋葉さんが一瞬同情めいた表情をしたのは気のせい?まぁいつまでも手が打てないのならばあえて危険な船に乗るのも手か…
「ありがとうございます」
素直に礼をする、そして素直な所に感心したのか秋葉にとってどこかシオンと被るティアナの印象は悪くはなかった、
もっと素直なスバルに対しても好評価を与えたがったが、何故かあのアーパー吸血鬼と妙に重なるのでいい評価は下せなかった。
「では私の屋敷まで案内しますので」
と言う秋葉にティアナはもう一人名前を挙げる、自分の支援者であるチンクという人を…
「ではその方にも迎えを寄越します」
そしてティアナとスバルは遠野家の車に乗り屋敷を目指す。
―――そして遠野家の屋敷でおきた出来事は色々な意味で二人に強烈な思い出として焼きつく事になる。
49 :スバティアin三咲町:2008/06/24(火) 02:23:01 ID:nVrH4LJ6
「あなたがチンクさんですか?」
和服に割烹着を着た薄赤髪をした女性はチンクに問う。
「ティアナ・ランスターさんからのご連絡どおり迎えにきました」
「ありがとう」
そして車の助手席に乗ったチンクは自分を迎えに来た女性を見て言う。
「あの~どこかで合いませんでした?」
「気のせいだと思いますよ~~」
その女性は笑顔で言った、かつて研究所にいた時に時々ドクターと何処からかやってきた何やら怪しげな女性と仲良く話している光景を見た事があったから、妙に車を運転している女性と被るのは気のせいだろうか?
レン「…」
久遠「く~ん(レンの膝上でじゃれている)」
以上です、魔の屋敷にようこそティアナとスバル・・・
50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/
最終更新:2008年06月25日 03:24