61 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:25:43 ID:geJwoM7x
久しぶりです、中々暇が取れなくて・・・投下させていただきます。

更生名目のバイト組 3馬鹿トリオその2
「こんな夜中の厨房で何しているの、ウェンディちゃん、ノーヴェちゃん、セインちゃん?まさか摘み食いとかじゃなよね?」
「ち、違うっス!」
「そうそう、それは濡れ衣です桃子さん」
「そーだそーだ、私達は何も悪い事はしてねぇぞ」
「…ふぅ~ん、ディープダイバー使ってケーキ持って逃走したのは誰?」
「ギク!」
「何時の間にか持ち出したエリアルボートでケーキ持って逃走図った挙句、ノエルさんとイエインさんに叩き落とされたのは誰?」
「ギク!」
「ケーキ持ちだしたけど、取り囲まれて暴れ出して久遠に完膚なまでのされたのは誰?」
「ギク!」
「ある事全部、報告書に纏めてなのはに…管理局に渡してもいいのよ」
「「「ヒィィィィィ、そ、それだけは勘弁して下さい(っス)」」」
「では、厨房に居る理由は?」
「ええとそれは・・・あ、出来た」
「3人で金出し合って材料買ってケーキ作っていたっス!」
「桃子さんの作るケーキが美味しくて、摘み食いばかりしていたからせめてお詫びをかねて」
「そうそう、見よう見まねでレシピ見ながら作って…」
「折角出来たから食べてください」
「どれどれ…(パク)…へぇ中々美味しいじゃない」
「「「あ、ありがとうございます(っス)!」」」
「それじゃ、明日からは接客だけじゃなくてケーキの調理を教えるからもう寝なさい、後片付けは私がやっておくから」
「「「おやすみ(っス)」」」
「…ふふふ、何だかんだ言ってやっぱり女の子達ね」


62 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:26:29 ID:geJwoM7x
遠野邸宅、三咲で一番大きい屋敷であり、そこに遠野家の当主がいる。ティアナ・ランスターは緊
張していた、無理もない、いきなり招かれると言う事はひょっとして「罠」かもしれないと考えて
しまうし、自分の隣にいる遠野秋葉から発せられる魔力もかなりのプレッシャーを与えるからだ。
その不安の傍らも相方は御屋敷に招かれるとあってわくわくしていた。ティアナは小さく溜息をつ
いた。
不安を抱えながらも遠野の屋敷についた、ミッドチルダ近郊にあるセレブ達の屋敷よりは小さか
ったが、どこか気品ある風格を醸し出していた。

「ねぇ、ティア、やっぱり豪邸だから沢山のメイドさんがずらりと並んで「おかえりなさいませ、お嬢様」って言うのかな?」
「スバル…あんたアニメの見すぎよ」

そんなやり取りをしながらも遠野邸に入る、だけどスバルが期待していたように沢山のメイドはおらず、
ただ秋葉に誘われるまま玄関に入った。

「人がいないんですか?」

私は秋葉に問うた。

「ええ、以前は親族やらその付き人やらいましたが、今は私と兄さんとメイド二人とあと客人が一人で」
「あんな大きな御屋敷にたったそれだけ?」

寂しくはないのですか…ティアナと思わず言いかけてしまう、だけどそういったのも何かしらの事
情があるのだろう、迂闊に相手のに不快感を与えないのも執務官候補としての役割だ。たしかに最
初は出向かいこそなかったが、内部はやはり豪邸と言うイメージがぴったりと当てはまった。通路
には値段は分からないが高価な像や皿や絵などがこれみよがしに展示されていた。

「ティア~やっぱり御金持ちは違うね~」
「ええ、そうね」

つい辺りを見回してしまう。そして広間に出ると二人の女性が現れる、一人は着物に割烹着という
出で立ちの明るそうな表情をする女性、そしてもう一人は軍服みたいな服装で紫を主軸とした色の
服装の綺麗などこか学者気質を感じる女性。

「琥珀です、よろしくお願いしますね~」
明るい声と
「シオンです」
冷静な口調の声で私たちに挨拶をする二人。

「ティアナ・ランスターです」
「スバル・ナカジマです」

そして私たちも挨拶する。そして私達は琥珀と言う人の案内で書斎まで案内される。そこの部屋の
本の数には驚いた、小規模クラスの図書館と言えよう。そして本棚には重厚なそして貴重そうな本
がずらりと並べられていた。



63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:26:47 ID:Ri9/2dcJ
しえん


64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:27:57 ID:N58a6gmV
支援


65 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:28:16 ID:geJwoM7x
「ではこの書斎の本をご自由に使ってください」

琥珀はそう言うと書斎から立ち去った。

「さぁて、スバル頑張るわよ」
「うん頑張ろうティア」

私の任務、第97管理外世界における魔法文明などについてレポートを書く為私は本を取り、机の
上に並べていく。


「しかし、秋葉は何ゆえあの二人を?」

シオンの疑問は的を得ていた、元々魔を操る物は他者を拒み、まして他世界の人間となると忌避す
るのは当然だ、それに対し秋葉は言う。

「あの御二人方には失礼ですが…出来ればさっさとこの三咲から去って欲しい、理由は分かりますよねシオン」
「ええ、秋葉の考えは分かります」

三咲町、元々多くの魔を保有する海鳴とは違い、本来なら遠野家やその分家である有馬家などが存
在するだけであり一定の調和が取られていたが…秋葉の義兄である『遠野志貴』が着てからある程
度保たれていた秩序は狙ったように突然乱れた。

―――真祖の姫君にして最強クラスのヴァンパイア「アルクェイド・ブリュンスタッド」
―――巨大な勢力を誇るバチカンの実行部隊埋葬機関に所属する第7位「シエル」

それだけではない異国から多くの魔がこの地に訪れたのだ。
―――二七祖「ネロ・カオス」、「ワラキアの夜」「ロア」
―――「白いレン」「蒼崎青子」

…魔と言う蜜に誘われる蜂のように、三咲を守る使命を持つ秋葉はその対応に苦慮しているが近年
さらに厄介な存在が現れた、それらはその世界にいる異形や魔ではない。

―――別世界からやってくる魔
管理局からの圧力を跳ね付け、返り討ちにした地球に対して管理局のみならず多数の次元世界つま
りは反管理局組織や犯罪組織がこの世界に目をつけ始めたのだ。無論、他者の介入を嫌う地球の魔
達は(戦争後ある程度繋がりを持つようになった管理局をのぞいて)排除に乗り出す。ロストロギ
アを多数保持しているがそれを守護すべき戦力が豊富であるバチカン、そして万が一には周辺の郡
組織などを動かせるロンドンなどはそれらの排除は簡単であった。

…ちなみにクレムリンに潜入したとある管理局に指名手配されているSランク魔導師にして凶悪犯罪者は
 そこのかつてその国に存在した悪名高い組織に所属していた首相に素手で完膚なまでにのされた…
(管理局に保管されている写真にはその血塗れ犯罪者を片手で持ち上げている、その犯罪者の返り血を浴びても平然としている首相の姿があるそうな)

だが、三咲は違う、頼るべき戦力も少ないし大規模な武力を持ってやってきたら果たして守りきれ
るのか?秋葉の心配はそれであった、この町に魔がやってくると必ずと言っていいほど害為す魔が
やってくるのだ。

秋葉の本音としては穏便にこの町に出て行って欲しかったが、親友にして盟友にして恩人である忍さんからの懇願とあっては彼女達を素直に受けいれざるを得ない。
だが秋葉はあの二人、ティアナ・ランスターとスバル・ナカジマを嫌っていなかった、真面目でシオンに似た感じを持つティアナは個人的に好みの性格であったし、
どこまでも馬鹿正直で頭が花畑で活発なスバルは羽居と蒼香を合わせた感じであり嫌いでもなかった。まぁ気に入らない点がある事にはあった

…胸とか胸とか胸とか…所詮はナイチチの僻・・・くぁwせdrftgyふじこlp


66 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:29:20 ID:geJwoM7x
「必要な書籍も見つけたし、それじゃまずは資料を纏めるわよスバル」
「うん」

そして作業にとりかかってある程度の時間が経った時ドアをノックする音がした。

「ティアナ様、スバル様、お茶がとお菓子のご用意をしました」

ああ、そういえばそろそろ体が糖分を欲する時だったな。

「やった~~~ティア~~~お菓子だよお菓子~~~」

子供のようにはしゃぐ相方がいた。嗚呼だからまだ子供と言われるのよ、そう思いながら返事をす
る。そして部屋に入ってきたのはメイド服が本当に似合うまさにメイドにしてメイドと思う人であったが、
その顔を見た瞬間、二人揃って凍りついた。

「あの、どうかなさいました?」
「「で、で、で、で、で…でたぁぁぁぁぁぁ!!!」」

二人揃って叫ぶ、脳裏に蘇る鮮烈な記憶…戦闘機人に匹敵しミッドチルダ式魔法を使用する上に質
量兵器を乱射する可変型メイドロボ…戸惑っているうちに追い込まれあわや命を失う寸前までいっ
たトラウマ…それと目の前に存在していたのだ。流石に目の前のメイドは困惑する、慌てて非礼を
詫びる、そしてメイドは丁寧にお辞儀をして挨拶をする。

「翡翠と申します」
「え、え、はい、よろしくお願いします」

まだ混乱から立ち直っていないものの挨拶する、そしてそのメイドは丁寧にお辞儀をすると書斎か
ら立ち去る。

「それにしても、あの人…あの時戦った変なロボットに似ているわねスバ…」

そう相方に語りかけた時である。

「ティア~、この紅茶凄く美味しい…このケーキも美味しい!食べないの?」

そんな事を気にしないが如く、ケーキに美味しそうに食べてはしゃいでいる相方がいた。

「…」
「あれ?どうしたのティア?あ、ケーキいらないなら私が貰うね」

某金ぴかの如く何処ぞから取り出したハリセンで相方をぶっ叩いた。

「うわ~~~ん、何で叩くのティア~~~」
「うっさい、あんた少しは緊張感を持ちなさい!」


67 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:31:26 ID:geJwoM7x
そんな相方に辟易(まぁ仕方ないと割り切っているが)しているが、同時にあの時私達を助けてく
れた男を思い出す。

(また会えるかな?その時はちゃんとお礼を言いたいな)


そしてディナーの時間が来る、そして広間にやってきた私達の目の前に並べられる料理

「久々のお客様なので腕をふるっちゃいましたよ~~」
「わ~、ありがとう琥珀さん」

相方と琥珀さんのやりとり、スバルの食を見て並べられたスバル専用の席、10人前と思える山盛り
の御飯と4~5人用の4つの皿に盛られたおかず…だがそれは乱雑ではない、しっかりと色分けをして尚且つ形も整えられている、
スバルにとっては理想の食事だろう…そして自分の席を見る、それは秋葉さんの対するような場所においてあり当然の如く
食事はフルコースであった。それが何を意図するか分かる。

(私がどんな人か見極めるんだな)

執務官を目指す者は力だけではない、それ相応のマナー、品格も必要とされる、時には政府首班や
政府高官と接触する機会も当然ある。そうなると相手に好感を与える事は重要だ、つまり執務官は
管理局の品格を守る立場でもある、それを見極めるのはどうすればいいのか?それは簡単だ食事の
マナーだそれで相手の品格をしいては本性を見抜く。

(私を試すか…そうだね、ここで秋葉さんの印象をよりよくすべきね)

そして秋葉さん前の席に座る。

「本来なら食前酒としてワインを振舞いたいのですが御二人には大事な仕事がある為、ティアナさん、
 スバルさんには葡萄ジュースで我慢していただきますが?」
「ええ、構いません」

そしてグラスに葡萄ジュースが注がれる。

「では、客人達を祝い乾杯といきましょう」

秋葉が乾杯の音頭を取り食事が始まる、それはティアナにとっての戦いの始まりだった。静かに食
事をとる、相方はそんな事を気にせずに「美味しい!美味しい!」と言いながら無我夢中で御飯を
食べる、其の点は秋葉さんも仕方ないと認識しているが、時々私に向けられる視線からはこう読み
取れる。

(貴方の相方は仕方ないですが、貴方は如何ですか?貴方の本性は?)

その語りかける視線で心臓が手で掴まれたような感じがする、息が苦しい、だけどそれを表に出さ
ず丁寧にテーブルマナーを守りだされた料理を口の中に運ぶ、無論テーブルマナーや食事マナーは
フェイトさんだけではなくその義兄のクロノさんからも口すっぱく言われ、何度も学ばされた。料
理の素材は最高級であり、また料理の味もミッドチルダでも一流としてやっていけるだろう。だが
味なんてわからない、私はプレッシャーに耐えるだけで精一杯だった、無論それを表には出さない。


68 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:32:16 ID:geJwoM7x
(フェイトさんはクロノさんもいつもこんな風に食事を…)

「ただ、頭がよく魔力が強いだけでは執務官は勤まらない」とよく言われた理由がよく分かる、確
かにそれを痛いほど実感する。そんな一分が丸で一時間に感じられるような戦争は終わりを告げた。
幸いポーカーフェイスを貫く事が出来て、気取られた気配はなかった。そして秋葉さんからの表情
は読めた、ただ短い言葉だった。

(合格です)

「ティア~~~、おっきな御風呂だね~~~」
「ええ、6課のより大きいね」

食事を終えた私と相方は遠野家の御風呂に入る事になった。

「それにしてもさっきの食事は美味しかったね~ティアはどうだった?」
「え?ええ、とても美味しかったわ」

実際は秋葉さんからのプレッシャーで味なんて分からなかった、人の苦労を知らないでと思うが不
思議と相方の顔を見るとそんな気概も失せてきた。

「ねぇ、ティア~」
「ん?どうしたのスバル」
「シオンって言う人どこかティアに似ているね」

シオン、秋葉とはどこか似たようで違うような魔力を保持していたが…でもほんの少しであったが
あの彼女なりの気品も私が求めていた何かに似たような気がした。

「う~ん、そうだ、真面目なティアって感じ」
「オイマテコラ…私が真面目じゃないのか?ゴルァ!」

私は怒った顔で相方を睨みつける、たまらずおたおたする相方であった。

「ち、違うよ!ほらなんて言うか…う~ん、なんて言うかよくわからないけど、ティアが偉くなったそんな感じがする」
「はいはい、分かったから、風呂入ったら資料の続きやるわよ」
「うん!」


そして作業に入って何時間経ったのだろうか?いやそんな事すら気にならない、私は本を読むのに
夢中だ…そうこの世界の魔法文明や異形に対する文献、そう今まで持っていた第97管理外世界に
対する認識が如何にとんでもないものであった…夢中になって読み漁る、その本を資料を…さっき
から妙な耳障りがする…うざい、だけど気にしない、読み解析した資料と本の内容を持ち込んだPC
型デバイスに高速で纏めていく…耳障り…嗚呼五月蝿い!五月蝿い!相方の方からだ。

「スバル、何やって…」

今までの昂揚感はまとめて吹き飛んだ、相方は机に突っ伏し、涎をたらし巨大な鼻提灯を膨らませ
鼾をかいているのだ。



69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:32:20 ID:Ri9/2dcJ
しぇん


70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:33:38 ID:N58a6gmV
支援


71 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:34:35 ID:geJwoM7x
「…」

ハリセンを取り出す。

「この…」

目標、相方の後頭部…角度よし

「馬鹿!」

ファイエル・・・振り下ろすスピードから計算される威力によって相方は睡眠状態から解放される。

「スバル!」

ヒット、ハリセンは目標を見事捕らえ、相方の後頭部がハリセンに叩かれる音が書斎に響く。

「うぇ~~~~ティア何するの~~~~!!!」
「この馬鹿!何寝ているの!」
「う~~だって、この本難しいんだもん…読んでて眠くなって…」
「ねぇスバル、一言聞いていい?」
「ん?何?」
「よく特救いけたわね…それで」
「酷い!」

そんな漫才をしている時一人の男の人が入ってきた…

「取り込み中だったかな?」

困惑した男の人…「遠野志貴」

「え、いや、その違うんです!」

慌てて私は取り直す、それに一安心したのか志貴さんはおにぎりとおかずを乗せた盆を私の近くに置く。

「夜食だよ、秋葉に睨まれたままじゃ録に喉通らないと思いますよ…って琥珀さんが」

言われたとおりだった、没頭した後なのか急におなかが減ってきた。

「ありがとうございます」
「あ、お礼なら琥珀さんにでも」

そして私は志貴さんを見る…それは不思議な魔力を蓄えた眼鏡…そしてその目…

「あの、俺に何か?」
「え、ええ、その眼鏡少し見せてくれませんか?」

少し困惑した表情を見せた志貴さんだったが、「少しだけなら」と眼鏡を外して私に渡してくれた、
その眼鏡をじっくりと見る…何かを封じるように独特の魔力を感じる…詳しく調べるには本局に直接もっていくべきだろう。


72 :スバティアin三咲町:2008/09/04(木) 02:36:07 ID:geJwoM7x
「御免、眼鏡返してくれないかな?」

ちょっと辛そうな顔をして志貴さんは言う、慌てて眼鏡を返す、そして眼鏡をかける志貴さん。

「あの、その眼鏡はどこから貰ったのですか?」
「先生だよ、俺の恩人…」

そう言うと志貴さんは部屋から去っていった。

其の頃―――
「女は胸だけがすべてじゃねー!」
「そうだそうだ!女は中身だ!」
「意見が合いますわね!」
「うむ、そうだな!」

自棄酒を煽りながら密かにソウルフレンズの契りを交わす秋葉とチンク(ようやく遠野家にやって来た)がいた。

以上です。支援ありがとうございます。



73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/04(木) 02:40:48 ID:Ri9/2dcJ

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最終更新:2008年09月04日 19:11