Lightning&Rider3 ―――
「――少し遊びが過ぎたようですね」
深い森の中、失踪する二対の流星
ふと誰にかけるでもない言葉を、その場にて呟く騎兵
それに対し、キッと睨むフェイト
同じ速度、同じ景色を共有するからこそ
聞こえたその言葉に対し、慄然と言い返す
「相変わらず自信満々だ……
でも、あまり相手を甘く見ない方がいい」
「いえ、甘く見ているというわけではなく――」
そう、断じてライダーはこの目の前の魔術師を甘く見ているわけではない
そもそも狩りにおいて獲物を仕留める際、対象を甘く見るといった感情はハンターにはなく
相手を侮るという概念自体が彼らには欠落しているが故に、、
だが、そんなライダーをして 「これはなかなかに面白い狩りだ」 と思わせるほどに――
自分の動きに淀み無く付いて来る魔道士の技量は見事なものだった
それはライダーから彼女に送られた密かなる賛辞
張り詰めた殺気も緊張も
一秒後には遥か後方へ置き去りにされる高速の戦場においてかわされる会話
同じ速度で歩む者同士のみが、、その視線を交し合う事を許されるのだ
――――――
空戦の妙、多くの飛び道具を持ち
あくまで空の戦いを主戦にするフェイト
初めは有利に戦いを進めていたのだ、、圧倒的に
だが今現在、自身の速度すらが己に牙を剥き
障害物を回避しながらの飛行を余儀なくされるフェイトに対し
多くの足場を得たライダーの変則的な動きが生きるのはこうした戦場、、
場は騎兵のペースにはまりつつあった
それは獲物を自らの神殿に取り込み
弱らせ、朽ちさせて食らう
このサーヴァントのいつものやり方
鎖による翻弄、誘導
したたかで抜け目無い一面を見せる美しき女性
これは決して磨き抜かれた技術や訓練されたそれから派生する物ではない
この騎兵に所謂、「戦技」という概念は存在しない
あくまでもそれは持って生まれた性(サガ)
いわば生前の業――天性の……狩りの才能
かつて己が領域に土足で踏み込んできた数多の英雄を追い詰め、操作し、撹乱して、
そして縛鎖に絡めて朽ち果てさせてきた――
そんな女怪の経験をただ垣間見せてきた結果であるというだけのこと、、
(きつい、、……でも、、
このまま行けばあと2分弱で抜け出せる筈、、)
そう、フェイトにとってまず初めの急務は兎にも角にもこの森を抜ける事
何でも出来るが故に、ごく稀に相手の土俵で勝負してしまう彼女
それでも簡単には打ち負けないという有り得ない汎用性を秘めた魔道士であれど
それでもいつまでも分の悪い戦場にいるほどバカではない
もはや周知の事実――敵は飛行能力を持っていない
多彩な攻撃方法を持つフェイト
当然、射撃、砲撃の類をも数多く持つ彼女は先ほどのように上空にいれば
ほとんど一方的に戦いを進める事が可能である
つまり、森を無事に抜ければフェイトの勝ちは確定するのだ
二人を繋ぐチェーンが編み出す軌道乱舞によって多少の方向性は狂ったが
それでも確実に出口に近づいているのを感じる
「ハァ………ハァ、、、ハァ、、……」
そしてフェイトの限界もまた、、、間近に迫っている
魔法とは無限に使い続けられるものではない
飛行、防衛、制御、そして攻撃
その全てに魔力を使う事は言うまでもなく
その運用の全てには、だからこそ極力の無駄を省いていかねばならない
魔法使いとしての常識である
更に先ほども記したが、フェイトやクロノといった汎用型は思考速度が速い
だがその分、フルに回転させている頭と、それに追随する形で付いてきている体…
心身への疲労もまた常人の数倍以上なのだ
脳が焼き切れるほどの回転を以ってサーヴァントという埒外のバケモノと相対しているフェイト
まるで大空舞う獲物を毒牙の罠にかけた蜘蛛と
その巣から必死に抜け出そうとする蝶の戦い
本来ならば勝負になる筈のない図式であるそれは
蜘蛛と凌ぎを削れるほどの蝶の存在によって、辛うじて成り立っている
故に蜘蛛の心中は穏やかではないだろう――
獲物を相手に健闘を称え合う捕食動物はいない
身の程知らずの抵抗にただ怒りを露にするのみ
獲物から――再び、その抵抗が来た
高速飛行しながら、並走する騎兵に対し
己が得意の雷光の槍を次々と投擲する執務官
魔力を節約せねばならないといっても使うべきところで出し惜しみをしては意味がない
紫の影に容赦なく雷の弾丸、そして志向性のある槍を打ち放つフェイト
「セット―――ファイアッッ!」
繰り返される掛け声がまた一閃
木々の合い間を飛翔する長髪に狙いをつけて投擲された金色の矢が
立ち並ぶ樹木を抜け、そこに身を躍らせる女怪へと迫る
この戦場では何時来るか分からない鎖による方向転換から
従来の安定した軌道はもはや期待出来ない
だがそれでも執務官はどこまでも基本に忠実だった
障害物と、恐るべき敵を同時に相手にしてなお、空戦における有利なポジション――
相手のやや上方を取りつつ、眼下の女性に猛り狂う黄金の矢を打ち続ける
直撃とはいかないまでも相手の行動の抑止と牽制にはなる、、
とにかくこの森を抜けるまで、攻め込ませない事が重要だ
その巧みな技巧はもはや老練の域
攻防共に高い次元での技を使いこなすフェイトが今、ライダーを押さえ込もうとしている
逆に、とにかくライダーにとっては相手の飛び道具が厄介だった
ことに一度避けても追尾してくる中型の槍
死に弾の無い射撃ほど厄介なものはない事をここに実感させられた事だろう
フェイトが自身の持つ最大の誘導弾にて相手をコントロールしようと画策する
それをまるでヒョウのような俊敏な動きで全てかわす紫の女性
そんな光景が果てしなく続く
まるでケモノのような相手だと錯覚しつつも
回避された雷槍を再び転換させ、飛び退るライダーの後方を突くフェイト
凄まじい集中力、胆力――
一寸も切らさぬその緊張
並の人間ならば、ものの2~3分で精神が磨り減って
へたり込んでしまう域での闘いだった
「―――いい加減に、」
その度重なる飛び道具の強襲に対し、何と槍の腹に裏拳をぶち当てて軌道を逸らしたライダー
バチィ、!という感電音が木霊し、金色の魔力がライダーの腕に当たって弾ける
「、、―――」
こんなものをいちいち避けていたら、魔道士との並走に一歩遅れを取ってしまう
そんな感情から取った騎兵の行動はしかし、感電のダメージでやはりコンマ数秒
体が揺らぎ、追走するフェイトに追いすがられてしまう
初めはその強引な行動に目を見張ったフェイトだったが、、
(いや、これでいい……相手は焦ってる)
無茶な行動――それは対象が苛ついているという証拠だ
自分の攻撃は間違いなく相手を心身ともに揺るがしている、、
先ほどは不意をつかれて突進され、密着されてしまったが
もはや断じてそれも許さない
相手の土俵においてすら、その戦場を支配し始める天才魔道士が
絶えずデバイスに策敵、誘導を示唆しながらに高速飛行を続ける
その、、、、、視界が―――
「!!!?」
―――――霞んだ、、、
(あ、、、、!??)
ぐにゃりと歪む景色
一瞬だが彼女の体がブレ
飛行姿勢が横に傾いてしまう
その極限の疲労から来るものか?
張り詰めた神経、緊張に緊張を重ねた心身は唐突に――
(こんな、、時に…!!)
その限界を……
彼女の体の不調という形で報せる
「―――、」
狩る獲物の状態、、
しぶとく暴れ、こちらを寄せ付けないその相手が崩れ――
ついに見せた一瞬の隙
それを見逃すライダーではない
一息もつかぬうちに枝を蹴り
一足で間合いを詰め
一瞬のうちに、あっという間にフェイトの斜め下方にその身を躍らせる
紫の髪が、ついに獲物に牙を突き立てられるという歓喜に揺れる
「っ! ファイア!!」
歯を食い縛り、頭を振って、意識を強引に揺り戻すフェイト
フォトンランサーのつるべ打ちで
薙ぎ払うように相手を追い払おうとする
だが、この到来した一瞬をものに出来なくて何がサーヴァントか?
マシンガンのような魔弾を更なる跳躍で避け、ライダーが上空へ舞い上がる
自由の効かぬ空で狙い打ちにされるという危惧――そんなものは知らない
被弾を許そうと、ここで一息に決めるという
それは彼女の意思表示の現れだ
奇襲は何と、フェイトよりも更に上空からのものだった
跳躍に跳躍を重ねるライダー
一瞬のうちに高い木々を踏み台にしてフェイトの視界から消えるほどの高さにまで駆け上がる
もはや語るのも馬鹿馬鹿しいほどの身体能力にいちいち驚いている暇など無い
空戦において上を取られる事の危険――それを分からぬフェイトではないからだ
(来る………!)
障害物を避けながらその頭上に
生い茂る枝と葉から時々見せる紫紺の長髪を見据えるフェイト
自分と同じように疾走しているであろう騎兵を迎え撃とうと、見開かれた瞳が頭上をキッと睨み据える
「もう少しなんだ……頑張ろう、バルディッシュ!」
<Yes sir>
そして、、紫の髪を振り乱しながら――
ついに駆け下りてきたのだ!
あの化け物じみた女怪が!
「―――、お覚悟をッ!」
不気味なほどに寡黙だった彼女
戦闘中ですら、ほとんど声を上げなかった紫紺のサーヴァント
ついにその気勢を言葉に変えて口から紡ぐ
圧倒的な脚力が叩き出すスピード
重力の楔から外れているかのような身のこなし
そして人間の間接駆動域をまるで無視した変則的な動きでそれは駆け下りる
フェイトも何とか相手の狙いを外そうと高度を下げたり
右に左に旋回しようとするが――無駄だ
上を取られた以上、どのように振り切ろうとロックオンは外れない
それどころか、ここにきて騎兵こそが規格外
それは一本の木を駆け下りてくるのではなく
複数の木々を踏み台に多角的、、
例えるならば無数の鏡に囲まれた部屋で
一つの鏡に光を当てた時に生ずる光の乱反射のように――
さながら忍者の影分身
残像が見えてしまうほどの壮絶なフットワークにて
フェイトの頭上から飛来してきたのだ
「シュッッッッッ―――!!!!!!」
そして最後の木を蹴り付けたライダーがついにフェイトの頭上に牙を落とす
唇から一息、鋭い息吹を吐くと同時に魔道士の全身に、釘剣を叩き付ける
ズガガガガガガガガガ!!!と、、
まるで削岩機に削られたような音が鳴り響いた
「うううう、、あッッ!!?」
それは空中だというのに重く鋭く
しかも一撃では到底済まない連撃だった
初めて上を取られたフェイトが、その受けた攻撃の凄まじさに驚愕する
防御したサイスを持つ手が、フィールドが
一撃一撃ごとに軋んで砕けそうになる
歯を食い縛って耐え、凌ぎ、受け流して下方に往なすまで――
空中で10発以上の連撃を入れられた
(お、重い……! 足場の無い攻撃の筈なのに、、)
相棒、バルディッシュを持つ手が
今の―――いや、、今までの攻防で痺れ
赤く腫れ上がっている
片腕を封じられた状態ではサイスのような長物を扱う際
技の大半が制限され、満足に振る事が出来ない
ろくに受け流せず、まともに相手の力を受けてしまったが故の衝撃だったが、、
そもそもそれは向こうも同じ事
同じ片手同士のぶつかり合いでこちらが一方的に負けている――
自分の片手が封じられているのとは関係なしに、彼女の一撃は強い
魔道士の全開出力をして、引き合いで優位に立つ騎兵の膂力
その腕力のままに振るわれる攻撃が並大抵のものである筈がない
ミッド式魔法の使い手が白兵戦を行う時、その身体能力は
全て魔力によるブーストによって補われている
謂わば素の腕力と魔力による身体強化との戦い……
どちらがより優れているかを一概に述べる事は出来ない
だが、先ほども言ったように魔力はいずれ尽きる――
それが切れた、もしくは運用が至らず素の状態になった場合――
魔道士の膂力、瞬発力は一般の人間のそれと大差ないものとなってしまう
当然、日々肉体を鍛え上げている局の魔道士である以上
そこらの一般人に劣るというような事はないが、しかし――
英霊や人外の魔物と比べてという話であるのなら、、
それはもう雀の涙程度の違いでしかない
本来の身体能力にこれほどの差があり
その差分を埋めるだけの魔力を毎回注ぎ込み続けている…
だからこそ彼女は、その消耗の度合いから
相手と自分の素の膂力の差を思い知る事が出来た――
その力、、その威力、、その殺傷力、、、
この敵とまともに近接をした時の自分――想像したくも無い、、
何故、あの武装でこれほどの威力を出せるのか?
そもそも 「機動力」 と 「剛力」 は往々にして並び立たないというのがセオリーである
それを両立させる武装、術式が無いわけではないが――やはり従来の型では困難を極める所業に違いはない
だのに、あれ程の軽い身のこなしを見せる
しかもスレンダーな女性の打ち込みが――よもや一流の騎士レベルと遜色の無い威力だなどと、、
もはやフェイトには何かの冗談としか思えなかった
――――――
サーヴァント=ライダー ――
彼女が招聘されたのは
かの冬木の奇跡の具現――その五回目の儀式においての事だった
その戦いにおいて、同サーヴァント内、、
バーサーカーのクラスに「あの」破格の英霊が召還されていなければ…
彼女はあの地に集った英霊の中では随一の膂力、身体能力を誇っていたかも知れない
フェイトに負けず劣らずの細い両手、スラリと伸びたモデルのような両足は
言うまでもなくヒトのそれとは一線を隔し――
その腕はコンクリートを容易く握り潰し、両足は小型の什器くらい軽く蹴り飛ばす
早い話が―――
彼女はホンモノの化け物であったのだ
――――――
地を駆け、数多ある木々のどれかを駆け上るはその化け物――サーヴァン=トライダー
強襲の体勢に入る彼女を、しかし今度は待ってやる義理など微塵も無い
敵が速射砲のような勢いでこちらへ飛んでくるタイミングを
今度は完璧に合わせ、フィールドとシールドの二枚重ねの護りにて完全に受け止める
「シールドッ!!」
交錯する二対
上空からのスズメバチの如き一刺しを
渾身の盾で受け止めるフェイト
「――、む……!」
分厚い壁を突いたかのような手応えに些か顔色を変えるライダー
攻撃が抜けたり抜けなかったりと
彼女をして本当に、この相手はやりにくいと感じさせた
やはりというか、どれほどに障害があろうと――ここは空だ
緻密な空戦での挙動
姿勢制御を絡めた戦闘ならば
空戦魔道士が陸戦の戦士に遅れを取る事は有り得ない
勢いを完全に殺されたライダーの身が力なく宙を彷徨い、
「はああぁぁああっ!」
その場にて金の閃光を放つ肢体が捻りを加えて回転
体ごと巻き込むように振り下ろされたサイスの柄
その一撃が、、砕けよとばかりに
ライダーのこめかみを強打していたのだ
「――、!!」
ゴッッッ、という鈍い音
弾けるライダーの上半身
上空でのけぞり、不自然に曲がった彼女の肢体
魔道士の手に凄まじい感触を残し――
その快心の一打がここに決まっていた
空の人間の意地を見せるはフェイト
いかに相手が怪物とはいえ、彼女はミッドの空を守る最強の存在
Sランクの空戦魔道士が、おいそれと地上を駆けるケモノに叩き落されるわけにはいかない
今の一打――頭部の急所を正確に打ち抜いた…
人間ならば或いは死に至る一撃、、
一瞬、フェイトの顔が揺らぐ
(いや………今は、、躊躇うなっ!)
しかし、すぐに張り付いた不安を振り払うフェイト
確かに彼女は心優しい性格の持ち主だが同時に優れた武装局員だ
今まで何度と無く見せられた相手の人外の力
手加減や手心など到底、出来る相手ではない
ここで確実にトドメをさそうという断固たる意志を持って
下方に堕ちていく紫の影を追撃する
森を抜けてから勝負をかけるつもりだったが
この敵を早く制圧出来ればそれに越した事は無い
それだけ早くシグナムを助けにいける、故に――
「ここでっっっ!」
この戦い初めての近接によるクリーンヒット、、
手応えはあった
ここで一気に決めてしまおうと、あえて鬼となり
トドメの鎌を振り下ろそうと迫る執務官
ライダーの上空から飛来する黒衣の魔道士
唸りを上げる金色の死神の鎌が
既に死に体となった紫の刺客に今――
叩き込まれる、、
その寸前――
フェイトの横方向から――杭のような短剣が投擲されていた
「なっ!?」
まただ、、!
またも 「コレ」 に完全に不意を突かれたフェイト
反撃は視野に入れていた、、
だがその切っ先が、まるで意図せぬ方向から飛んできた事に彼女は驚愕する
何と敵はこの土壇場で、鎖によって木々を回りこむようにして短剣を投擲
振り子の原理で切っ先を調整し
あさっての方向から魔道士に対して襲い来るように
その武器を投げ打ったのだ
まるでそれ自体が命を持っているかのような鎖の挙動
一体どうすれば、、こんな事が出来るのか?
視認が遅れ、その刃に晒される魔道士
がそれでも顔面直撃を避け得たのは
彼女の特筆すべき、高速戦闘に慣れた動体視力の賜物だろう
横に大きく倒れこむ形で投擲された短剣を後ろへ逃がす
一瞬でも反応が遅れていれば、こめかみから串刺し
絶命は免れなかった筈だ……
総身に冷たい汗をかかずにはいられないフェイトであった
(………!)
だが、、、
その汗はまだまだ止まらない
短剣を投げた張本人――
言うまでもない、眼前の女性
頭部を強打され、力なく地に落ちる筈の影が、、
フェイトをあざ笑うかのように空中で華麗に回転して姿勢を制御し――
何事も無く地面に降り立っていたのだ
(ノーダメージ………!? 何て耐久力だ、、)
信じられないといった表情の魔道士
フォトンランサーを耐え切った相手の打たれ強さは覚えていたが
それでも自身の右手に未だ残る手応え、、
あれほどのハードヒットを頭部に受けたというのに…
常人ならば意識は昏倒し、立っていられない筈だ
膂力、速力は言うに及ばず、耐久力――
その何もかもが人間離れしているというのか?
そして、、
「残念でしたね――」
一言、今の攻撃で仕留められなかった事にする――
いや、それ以上の意味を込めて、、
相手の悲運を偲ぶライダー
魔道士の右手に絡みついた鎖が
まるでヘビのような動きでスルスルと解かれていく
もはやそんなモノは――必要ないと言わんばかりに、、
「森を抜けたかったのでしょう?」
「く………」
二人は――出口間近だと思われたその地点で、、、
――― 止まっていた ―――
それは戦闘の流れの中で起こった仕方のない事、、
疾走に疾走を重ねた両者が、その地点にて互いを仕留めようと交錯し、、
並走をやめた事による、、
―――仕方の無い「流れ」であった
「私を引き摺ってでも外へ向かうべきでした……貴方は
致命的なミスです、、やはり貴方はここから―――生きては出られない」
歯を食い縛る魔道士を前に――
ゾッとするほどに優しい声色で
ゾッとするような響きを持たせて
ソレは魔道士に―――――死刑宣告をした、、
――――――
最終更新:2009年01月16日 07:23