「くそ、雑魚とはいえこの数は…」
「畜生、旦那!ルールー!どこだぁぁ!!」
その日管理局の待ち伏せを受けたゼスト、ルーテシア、アギトの三人は戦闘の混乱の中でバラバラになってしまった

「あうっ!」
全身にバインドを掛けられ倒れ込む紫の髪の幼女
「よっしゃ、幼女ゲットだぜ!」
着剣したライフルと杖を掛け合わせたような戦闘用デバイスを構えて近づいてくる管理局員
「……………」
目に涙を浮かべながらも気丈に睨み返す清楚な美幼女
ノースリーブのワンピースに包まれた青い果実のような肉体に魔力で編まれた拘束具が極彩色の蛇のように絡みつく様はそっちの趣味の人間でなくともグラッとくるような背徳的な魅力を放っている
そして幼女を捕えた管理局員はそっちの趣味の人間でそのうえモラルはランクE-だった
「じ、じゃあ身体検査しとこうかな…」
片手で掴めるほど細い
それでいて瑞々しい張りのある幼女の白い腿を撫で回す局員の指がゆっくりとスカートの奥を目指す
(助けて!たすけて!!タスケテ!!!)
幼女の武器である召喚魔法はバインドに付与された妨害機能によって術式を解体されながらも本能的な恐怖から絞り出された火事場のクソ力にブーストされ本来なら決して呼ばれる筈の無い存在を呼び出す
地面に浮かび上がる魔法陣
禍々しく光り輝くその色は鮮血の紅
渦巻く魔力が収まり目を開いた幼女が見たものは石と化した局員と顔の上半分を奇怪な眼帯で覆った絶世の美女だった
「お怪我はありませんかマスター?」
「…貴女は?」
「私のことは-そう、ライダーとお呼びください」
柔らかく微笑む美女
どこか姉か母親を思わせる慈愛に満ちた笑顔を見て幼女は力を抜く
「私は-」
「おまち――――― ツ!」
唐突に割り込んでくる陽気な声
「あなたの守護神、美少女レスキューダイバーセインちゃん只今到ちゃ――」

ぱぐしゃあ

「アビィツ!!」
どこぞの学園ギャンブル漫画のナメック星人モドキのような叫び声をあげキュリキュリとタテ回転しながら吹っ飛ぶ戦闘機人六番
「あれ、味方…」
呟く幼女
いきなり地面から飛び出してきた全身タイツ少女の顔面に脊椎反射で手加減無しの右ストレートをブチ込んだライダーは内心しまったと思いながらもそんな態度は微塵も見せずに言い切った
「敵を倒すにはまず味方から、です」


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最終更新:2008年05月10日 12:41