「フラッシュ…ムーブ」
『来い!』の一声に弾かれたように動くアインス、初動からの高速移動にて、接近戦に持ち込むつもりか。

──だが!

ゴッ!

「ぬ、そうきたか……」
「…………」
魔力を籠めた顔面狙いの拳は、ナノハの右拳にて相殺されていた。
「どうやら戦い方が違うようだな……ブリッツ‥アクション」
「盾……」
『ラウンドシールド』
呟きつつ今度は蹴りを放つも、これはラウンドシールドで──

ズガガガガガガガガ………!

「んッ……バースト、ダッシュ」
『バリアバースト&フラッシュムーブ』
防ぎきれないと判断。カートリッジロードではなく回避を選択し、一気に離脱した。

「──刃以て、闇に染めよ。穿て、ブラッティダガー」
離れていくナノハを逃がさんと、血濡れの刃にて追撃をかける。
計21本の刃は過たず足を止めたナノハに直撃するが──。

『パンツァーガイスト』
「アクセル‥アクセル‥アクセル‥アクセル……」
デバイスにてパンツァーガイストを発動、さらに自前で呪文詠唱し──
「アクセルシューター四倍速…シュート」
お返しとばかりに八発の魔弾がアインスに牙を剥く!

「ふぅぅぅぅ~……破ッ!」
それに対しアインスは……その拳にて全弾叩きおとすという荒技を披露、そして緊急離脱。
ほんの数瞬までアインスがいた空間を、凶桜の閃光が過ぎ去っていった……。

『……!!』
はやてとツヴァイは息を呑むが、しかし戦闘は止まらない!

バチィ、バチュン、バチュン、ドドドドド、バチィ、ガンガン──。

組み合っては離れ、組み合っては離れを繰り返す。それは正に妙技を越えた空戦の絶技
そして遂に──。
「ぐ…………!」
ナノハの蹴りがアインの腹スにクリーンヒット。そのまま地表まで吹き飛ばした。

「──当たった?……クロスファイヤーGシフト」
『CFSガトリングシフト&カートリッジロード』

ガシャン!ガシャン!

釈然としない顔でしかし追撃はきっちり入れる。
連射重視の先程の回転式と違い、こちらは威力重視の、魔力スフィアから単発を連射するタイプ。

───手応えはあったけど……脆すぎる。……わたしの技量程度じゃ一発KOはあり得ないし、
本当ならアルクェイドさんでも連れてこなきゃ、どうしようもないはずなんだけど……

分析しつつも、アインスが居るであろう瓦礫の山への爆撃は止めない。が──


(なのはちゃん、もうやめて!リインフォースが死んでしまう!)
(……了解、マスター)
はやてからの念話での懇願で攻撃を止める。

───でもね、はやてちゃん

果たして、粉塵の向こうには──

───これぐらいで墜ちてくれるなら

傷一つないアインスの姿があった。

───わたしはあのとき苦労しなかったよ

(な………)
(これが……初代リインフォース……)
絶句しているはやてとツヴァイをよそに、ピンシャンしているアインスに、『当然』という顔で応じるナノハ。

彼女はゆったりと宙に上がり、ナノハと視線を合わせる。
「律儀だな、本当に。しかし、あれだけ撃ち込んでそのような余裕面を見せられると、些か不愉快だ」
「……無表情が余裕面というなら、お前も人のことは言えないだろう」

まったく持って正論である。

「……その手足の魔方陣。拘束具かと思ったが…成る程、魔力に指向性を持たせるものだったか」
「拘束具というのも間違ってはいないが……まぁそういう事だ。
格闘術は形だけ取り繕うのがやっとでな、打撃力の無さは魔力放出でカバー。…というわけだ」
などと、自嘲気味に解説する。

「いや、一つ覚えの砲撃だった子共が、よくぞここまで練り上げた。……何年たった?」
「お前と戦ってからか?……そうだな、約三十年。だな…」
「そうか……その間にいろいろとあったようだな」
そう言うアインスの目線は、ナノハの持っているデバイスに注がれていた。
「ああ、戦友と別れたのは二十年ほど経ったころだな」
「うん、あのモノには聞きたいことがあったのだが……まぁいい。では、少々本気をだすぞ?」

「………いや、本気など出さなくてよい。今のままなら私でも時間稼ぎが出来るからな」
(表面上はそうは見えないが)慌てて止めるナノハだが、アインスの方は取り合わず――
「だからだ。ミッドやベルカ式の捌き方は心得ているようだからな。
蒐集ではなく私が直接師事した各世界の魔導技術……いくぞ?」
『夜天の魔導書』のページが踊り、返事も待たずに手をかざし──。
「我は放つ、光の……■■」
呟くや否や、いきなり熱衝撃波が発生した。

「?!………くッ!」
『フラッシュムーヴ』
回避はできたものの、大きく体勢を崩してしまう。
「……我が手に集いて力となれ、火炎■」
その隙をアインスが見逃す筈もなく、今度は火球が放たれる。
「くッ……ビット、パンツァーシルト」
『オプションビット&パンツァーシルト』
躱せないと判断し、防御魔法を展開。三角形の頂点にそれぞれビットを配置し、防御力を底上げする。
だが──

(──足を止めた防御は止めたほうがいい……)

着弾と同時に火球は炸裂し、視界を覆う。そして念話と同時に──
「……ェルス──<■■ッグ>…イグジスト」
目の前にアインスが現れ、拳をシルトに叩きつける!
と同時に、ソーサリー発動。

「ぐぅッ………!?」
拳に被せる形で発生した円柱状の打撃用力場は、通常の数倍の強度になっていると推測される防御魔法を叩き割り、
そのままナノハを吹き飛ばした。まともに墜落するナノハ。
だが、アインスは確かに小さな金色の物体──カートリッジが、墜ち行くナノハから弾け飛ぶのを見た。

───墜ちることすら、あの者にとってはマニューバの一つなのか……!

「雷帝の、咆哮……■ケル■……!」
その技量に感嘆しつつ、雷の砲撃を撃ち放つ!

────────────

真っ逆さまに落ちながら、これ幸いとばかりに考え込むナノハ。
飛ばしておいた魔力スフィアでエリアサーチ。それぞれの状況を確認しマルチタスクをフル活用。

───あー、痛い。みんな攻撃力が多過すぎるよ。──しかし…まいったなぁ。
発動後じゃないと魔力反応が出ないなんて。……タイミングが全然読めない。

───セイバーはサーヴァントを墓地に誘い込んだ。か……流石だね。
あれならおそらく負けはしない。……『手数』っていうのが気になるけど。

───はやてちゃんは……少し刺激が強すぎたかな?ごめんね。未来に備えて…せめてこれ位はしてあげたいから我慢して。
そして──わたしなんか越えていって。未来の主役は貴方達なんだから……。

───さて、どうしたものかな。……って、追撃するよね、そりゃあ!

アインスがまた手をかざしたのを、エリアサーチで確認。身体を反転させ腰だめにデバイスを構える。

「エクセリオォォォン……」
『エクセリオン……』
詠唱と同時に『砲槍』だったデバイスもまるっきり『砲』へとカタチを変える。
「バスタァァァァァァ!!」
『バスター』
桜の閃光は雷の砲撃を飲み込み、ナノハ本人は砲撃の反動で更に加速。
地上スレスレでリカバーをかける。と同時に『砲』も『砲槍』へと戻っていた。

───今のは……サンダースマッシャー……じゃいよね?砲撃で競えば有利かと思ったけど、
さすがにそこまで甘くはないか。…魔力残量も五割切ってるし……仕方ない──

────────────

「む……」
砲撃のぶつかり合いによって発生した閃光によりナノハを見失い、空中にて出方を伺っていたアインスだが──

───魔力反応が消えた……逃げたか?

「……いや」
それはあり得ない。おそらく遠距離からの砲撃を仕掛けるつもりだろう。ならば……
「お前の技でいぶりだすとするか」
そう呟くと、アインスは術の調整と魔力蒐集を開始する。なにしろ──今から使う魔法は、無駄に範囲が広いのだ。
下手をすればイリヤスフィールまで巻き込んでしまう。

「咎人達に‥滅びの光を。星よ集え‥全てを撃ち抜く光となれ……」
イリヤスフィールの位置を特定し、そこまで届かないギリギリの魔力を蒐集。
加えて、狙い撃ちされた場合に備え、いつでも蒐集した魔力を廃棄出来るようにしておく。
「貫け、閃k‥‥来たか」
魔力を廃棄、緊急回避。

案の定、砲撃が飛んできた。直ぐ様方角と位置を特定し、反撃を放つ。
どうせ回避か防御かされるだろうが構わない。場所さえ分かれば、近づいて沈める。
そう読んでいたのだが──

───避け…ない?……!

しかしナノハは回避も防御もせず、もろに魔法を食らい……そのまま素通りした。

「──幻術か!」
その理由を看破したその瞬間。魔力反応を感知。その位置は──
「真下!?」

「やぁぁぁぁぁぁぁ!!」
槍と鉄甲をも右腕に戻し、猛スピードで、こちらへ飛んでくるナノハ。
「──ジャッチメント!」
それを撃ち落とすべく、天から裁きの光が降り注ぐ!

だが──!
「ショートフラッシュ……!!」
『フラッシュムーブ・ショート』

──それをナノハは──短距離高速移動の連発というマニューバで回避しつつ接近し、拳を握り──。
「──鉄拳、粉砕!」
馬鹿のような掛け声ではあるが、彼女の右腕は文字通りの鉄拳。そこら辺の壁くらいなら、苦もなくぶち抜く程度の威力はある。
加えて、魔力付加攻撃であるため、その威力は折り紙付きである。──当たれば。の話ではあるが。

──猛スピードで迫る鉄拳を、上体を反らすことで回避する。その時目に焼き付いたのは……
「……!?」
桜色と、そして金色だった……。

────────────

普通に戦っていては埒が開かないと考えたナノハは、戦闘の流れをこちらに引き寄せるため、策を弄することにした。

まず適当な場所にオプションビットを配置し、自分は『全て』の魔力反応を消し、アインスの真下まで移動する。
当然ユニゾンは解除。デバイスもスタンバイモードにする。ただし体内魔力圧だけは、
外に漏らさない限りは、魔力反応も検知されないのでそのままキープしておく。
そして、ビット内の残留魔力を使ってフェイクシルエットを発動。影をビットにかぶせて、あたかも自分がそこに居るように偽装する。

後は、アインスがなんらかの隙を見せたなら、ビットを囮にし、自分が下から奇襲する。

スピードが命なので、当然『偽・ソニック』を発動。、再度ユニゾンをし、融合率も50%まで引き上げる。
(無論、今度は口調のレジストも忘れない。)

そして突貫。

これは避けられたが、元々躱されることは計算に入れていたので、そのまま上へと飛び去り、慣性を殺すために横一回転。
同時に右腕に固着させていたデバイスを再起動、鉄甲を巻き込んでカタチを構築。更にダメ元でバインドをかける。
一回転が終わる頃には、デバイスの構築も終わる。そしてチャージ。バインドはあっさり外された。

チャージ中に反撃されかけたが、飛び立つときに発射したディバインシューターが
遅れてアインスに命中。やはりさして効いてないようだが──時間は稼げた。

そして──
「エクセリオォォォォン、バスタァァァァァァ!!」
『エクセリオンバスター』

────────────

「エクセリオォォォォン、バスタァァァァァァ!!」
その言葉と同時に、桜の本流がナノハのデバイスから解き放たれる!
その名前には聞き覚えがある。数年前、『この時代』の高町なのはから直撃をもらった術だ。
あのときはユニゾンしていたこともあり、大したダメージはなかったが、今回はユニゾンしていないうえ、
相手は未熟者から古強者へと成長している。まともにくらえば、ただでは済まないだろう。

なんとか回避したいところだが、このタイミングでは躱しきれなし、あの威力では防御も難しい。
ならば──

───あの容姿……いや、今はいい。それより…いけるか?

「──■■■■■■■」

刹那、桜の本流がアインスを飲み込んだ──。

──タイミング的に、回避も防御も間に合わず、桜色の本流は、確かにアインスを直撃したはず。

──では、何故ナノハは仏頂面であらぬ方向を睨んでいるのだろうか?

「──分かんないな。……なんで今のを躱せたの?」
もはや誰もいないはずの空で──
「──少しばかり……ズルをさせて頂きました。なのは様」

返事は、その『あらぬ方向』から返ってきた。

「──ズル?」
そう返すナノハの髪は──金色へと染まっている。
「『絶対回避魔法』……あらゆるものを回避する、とある世界での偶然の産物で産まれた魔法です。
とても高度な魔法なので、今の私に発動できるかどうか賭けだったのですが……どうやら上手くいったようで」
馬鹿丁寧なその口調にナノハは額の皺を深くして。

「その口調はやめてくれない?出来れば呼び方も。──畏まれるのは好きじゃない」
「申し訳ありませんが、聖王家縁の方に失礼な口調はできません。
――しかし、お嫌だと言うなら呼び方は改めます。なんとお呼びすれば?」
口調は直さないアインスに、仕方ないとは思いつつ、嫌そうに『その異名』を言う。


「……『魔王』。それが嫌なら名前でいいよ」
翡翠の右目と紅玉の左目、新たに染まった金の髪。
聖王家縁の者だろうとは思っていたが、これにはアインスも驚いた。
「──なんと、……歴代最強を謳われる聖王陛下ではありませんか」

「買い被りすぎだよ。私はお飾りだったし、近接主体の古代ベルカなら、砲撃主体で戦う私が有利だろう。
って言われてただけ。……そりゃあ、近づかれる前に沈める自信はないわけじゃないけど……ね」

「ご冗談を、ただのお飾りの聖王が、あのような格闘術など修めるものですか。
……破られること前提の極薄の結界を常に展開し、
相手の攻撃の方向をいち早く察知することで、格闘適正の低さをカバー。
打撃力は、即射型の砲撃を インパクトの瞬間に合わせることで、
あたかも凄まじい威力があるように偽装する。
──結果としてお飾りだったとしても、貴方様は聖王たる努力はしたことは分かります。
そのようなご自身を卑下するような物言いはお控えください」
「……初見で見破られたのは初めてだよ。ランサーですら誤魔化せたのになぁ。流石は『夜天の魔導書』といったところだね」


──と、ここで配置していたオプションビットが戻ってきた。話題を変えるためにも、ナノハに話を振る
「──遠隔操作型の小型魔導端末……それが先程の幻術の正体ですか」
「うん。教え子に幻術使いがいてね、教導の参考に教えてもらったんだ。
……もっとも、私はビットを使わないと発動出来ないんだけどね」
「教え子?教導?……やはり時間を越えたのですね。となると、レイジングハートが原因ですか?」

普通なら考えも付かないだろうが、そこは流石『夜天の魔導書』髪と瞳の色は、聖王家に嫁いだものの証。
だが、この時代には聖王家は疎か、古代ベルカすら存在していない。
ならば──可能性の一つとして時間を越えたのだろうと推測できる。人間ならば『そんなバカな』で終わるだろうが
アインスは夜天の魔導書の『管制人格』話に筋が通っているならば、否定する理由はない。
ましてや自分も時間跳躍魔法の一つや二つは持っているとなれば……尚更だ。

「……理解が早いね。でもレイジングハートってどういう……」

──ドーン!

詳しい話を聞こうとしたその時、セイバー達の居る方角から轟音が響いた。エリアサーチで確認すると、どうやら全員無事らしい。
「──どうやら終わりみたいだね」
「そのようですね」
アインスは魔力を落とし、ナノハは偽・ソニックを解除。ユニゾンを5%程まで落としビットも格納する。

「──ところで、これからのなのは様個人のご予定は?」
ナノハは『んー』と、考え。
「はやてちゃんを安全なところまで送り届けた後、みんなの顔を見て、それから消えようかな」

「──では、はやて様を送り届けた後、今一度この街へ戻っては頂けないでしょうか?」
「──理由によってはいいけど、……なんで?」

「──私は怖いのです」
どう言ったものかと思案しているようだったが、やがておもむろに切り出した。
「今でこそ防衛プログラムを押さえ込んでいられますが──やがて限界は来ます。
そのときにはまた、世界を滅ぼすためだけに、悠久の刻を過ごすことになるでしょう。
その様に成ってしまうのが怖いのです。──もう二度と、私は誰かの幸福を奪いたくはありません。
今一度『闇の書』に戻るくらいならば、私は今度こそ自身の完全消滅を望みます」
アインスの言葉を、ナノハは黙って聞いている。

「ですが──ですが、レイジングハートに貰ったこの好機、逃したくもありません。
……聖杯戦争に勝ち抜けば、『なんでも願いが叶う』といわれるほどの莫大な魔力を手に入れるそうです。
私はその魔力を使い、古代ベルカへ時間跳躍を試みます。しかし、今の私は防衛プログラムを押さえ込むだけで手一杯。
そこで、なのは様には時間跳躍魔法の制御と──万が一のときは、今度こそ私を完全消滅して頂きたいのです。
はやて様や主イリヤの世界を守るために」

「………………」
「お願いします。聖王陛下」
しばらく黙っていたナノハだが、やがて溜め息と共に──うなずいた。
「一つ、──出来ることなら生きたいんだよね?」
「──はい」

「──分かった、はやてちゃんを安全なところまで送り届けたら戻ってくるよ」
「ありがとうございます。では、今日のところはこれで」
離れようとするアインスに慌ててナノハは聞く。
「あ、はやてちゃんと話さなくて良いの!?」
「確かに積もる話しはありますが──今の私はイリヤの魔導書ですから」
『では』と、アインスは夜の闇へと消えていった……。

アインスが完全にいなくなったのを確認すると

──はぁー。ぷしゅー

大きく息を吐き、右腕を冷却する。額にはよく見ると脂汗が滲み、顔色もどことなく悪そうに見える。

(ムーヴ系をあれだけ連発して、吐き気だけか、若い体っていいねー。もっとも魔力行使はいちいち面倒なんだけど、それはともかく
リインフォースさんが生きていたとはね。嬉しいんだけど、防衛プログラムか、厄介だな。暴走したときに備えて戦力が欲しいけど…
…となると、背景とかを考えると言いづらいけど、やっぱりリンディさんが適任だよね。でも『死者を戦力として使う』なんて人手不
足の管理局には喉から手が出るくらい欲しい技術だろうから上手くぼかさないといけないな。……はぁ、リンディさんと『交渉』やら
なきゃいけないのか気が重いよ。それに、はやてちゃんとリインもおとなしく『安全なところ』にいてくれるかどうか……というか暴
走したら『安全なところ』なんてこの世界にはなくなるし……アースラに乗せてもらえばいいかな?もう、リインフォースさんに、は
やてちゃんとリインの説得してもらうんだったなぁ。あ、それにエミヤくんやセイバーにも事情を話して、力を貸してくれないかな。
セイバーの対魔力は、凄く有利だし、エミヤくんの無限の剣製の手数と弓の射程は頼りになる。──ただ、エミヤくんはいきなりリイ
ンフォースさんを狙いそうなんだよねぇ……やっぱりまずはセイバーに誤魔化し誤魔化し話すしかないか)

超高速の思考の後、取り敢えずの方針を決めたナノハも、はやて達を回収し、夜の闇へと消えていった──。

「──あ、レイジングハートのことを聞くの忘れた」
「なのはちゃん?」
「どうかしたんですか?」
「あー、いやこっちの話」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年04月22日 16:34