局名告知(きょくめいこくち)とは、放送局が放送を開始・終了する際、または放送時間の途中に自らの局名を視聴者または聴取者に告知する放送のことである。ジャンクションともよばれる。
無線局運用規則では、「放送局は、放送の開始及び終了に際しては、自局の呼出符号又は呼出名称(国際放送を行う放送局にあつては、周波数及び送信方向を、テレビジョン放送を行う放送局にあつては、呼出符号又は呼出名称を表す文字による視覚の手段を併せて)を放送しなければならない。」と規定されている(第138条)。
放送開始の告知を「オープニング(OP)」、終了の告知を「クロージング(CL)」と呼ぶことも多い。「局名告知」という用語を番組表などに用いているのは静岡第一テレビだいいちテレビホームページ D・I Web →番組表 一部の日付のみ程度である。
局名告知は通常の放送と異なり、各放送局がそれぞれ独自に制作したものである。特にテレビ局の局名告知では局の所在する都市の空撮映像や地域の名所の映像(特に地方局)、局のマスコットキャラクターのアニメーション映像などが使われることが多く、地域色の強いものとなっている。
放送開始時は「朝」のイメージの爽やかさを内容とした映像・音声・音楽が多い。日の出や、朝の放送局所在地(民間放送の地方局や独立U局に多い。後述)の風景などである。
放送終了時は、視聴者・聴取者を安眠に促すような「夜」や「就寝」をイメージしたものや、その局を連想させる映像・音声・音楽が多い。そのほか、夜景や夜祭の映像も多用される。音楽も静かなものや荘重なものが中心となっている。
また、近年はアニメーションやCGで就寝を描くものもしばしば見られるようになった。その例としては、フジテレビでかつて流された猫や鳥が眠りにつく映像のほか、中部日本放送のものなどがある。テレビ朝日でもかつてパジャマを着た子供たちの映像が流されたことがある。また、TBSテレビではかつてカラーバーにテロップを表示するのみという映像を流していた。
また、同じ映像や音楽をかなり長期にわたって(場合によっては開局当初から)使用するケースも見られ、その代表例に日本テレビの「鳩の休日」がある。他にも、テレビ埼玉のクロージングでは1979年4月1日の開局当時から2005年11月30日までの26年間にわたり同じ映像(アニメーション)を使い続けていたが、デジタル放送開始に伴い変更した。これらのジャンクションはあまりに長期に亘って使用されてきたために画質・音質の劣化が見られ、新しい局名ロゴが登場しているにもかかわらず放映され続けていたケースも見られた(「鳩の休日」は現在は新たに作り直されたものを使用)。一方で、静岡第一テレビ、テレビ愛知のように長期使用を前提に作られた(ただしテレビ愛知は、デジタル完全移行後に終了)ものもある。これらのジャンクションの長期使用は、放送局免許の取得時および更新時にジャンクションも併せて所管官庁(旧郵政省および現在の総務省)に届け出なければならないことと関係している。
クロージングの深夜の就寝のイメージは、放送終了時刻が1980年代半ばまで午前0時台前後の放送局も多かった(社会が24時間体制になっていなかったほか、1974年 - 1984年頃についてはオイルショックの余波などもある)ので合致していた。1980年代末以降在京キー局は24時間放送に近い例が増え、後にNHKや地方局にも波及したので、こうした雰囲気が場違いに思えるケースもある。
なお、放送開始時の「朝」の映像や放送終了時の「夜」の映像は、実写の場合を含め、必ずしもその時点(もしくは過去)の実際の放送開始・終了時刻のものではない。
放送開始時の場合、実際には日の出前で外の暗い時間に局名告知では日の出や朝の風景が放送されたり、逆に実際には太陽の高度が高いのに局名告知では日の出や朝焼けが放送される場合もある。前者は、放送開始時刻の早い場合や、実際の日の出時刻の遅い晩秋から冬などであり、後者は放送開始時刻の遅い場合や、実際の日の出時刻の早い晩春から夏などである。なお後者の場合、放送開始前のフィラーのお天気カメラの映像ではすでに屋外の明るい映像が流れることがある。
同様に、放送終了時の夜の映像も、実際には深夜から未明ではなく宵のものも珍しくない。ネオンサインの点灯・建物のライトアップ等が見られ、街には人通りが多く電車も運行中(最終列車前あるいは同発車時)の映像もある。また、放送終了時刻が午前4時前後以降の場合、季節によっては実際には日の出前で外が明るい場合もある。
また、局名告知の映像は、通常1年を通じて使用される。よって、四季の映像を扱った映像でない場合は、映像自体は季節を問わず使えるもののことが多く、積雪・桜の花などの特定の季節を強くイメージさせる映像は少ない。草木に葉のある状態の映像が使用されることが多い。
日本放送協会(NHK)の場合、24時間放送が行われるようになる前は放送終了時に君が代の演奏が行われていたが、テレビチャンネルでは24時間化以降は、環境映像(総合テレビは1分程度、教育テレビは10秒程度)→国旗(日章旗)の映像を10秒程度流すだけの簡易なものとなった。ただし、放送休止、ないしは減力放送の場合は君が代の演奏が行われるが、地域限定で休止する場合はそれが省略されることもある。また災害・重大事件などで特別放送体制となる場合も省略されることがある(また、かつてテレビ大分・テレビ熊本でもEDで君が代が使われていた)。
民間放送テレビの場合は、放送局所在都道府県の名所や放送局舎、また放送局のマスコットキャラクターを起用したものなどを取り入れた映像が放送される(内容は各局異なるのでそれぞれの項目を参照)。
Template:JIS2004 また2008年から地上アナログ放送終了までの間、局名告知の前後に草彅剛出演の地上デジタルテレビジョン放送完全移行のキャンペーンCMや、各局制作ブルーバックの「地上アナログ放送終了告知画面」を放送していた。
ラジオでも基本的に基点となる早朝5時(局によって異なる。24時間放送を行っていない一部局では放送終了時にも)にジャンクション音源を流している。また、ラジオ放送では放送の途中に定期的に挿入される「お聞きの放送は○○ラジオです」のようなアナウンスのほか、「ジングル」と呼ばれるものも局名告知の役割を果たしている。一部の局では、局のイメージソングがそれをかねることもある(東京のTBSや文化放送、大阪のラジオ大阪、兵庫のラジオ関西)。
局によって細部は異なるが、概ね以下のようなパターンのアナウンスを行って局名を告知している。
放送局によっては、送信周波数・出力や中継局を放送したりすることもある。
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