架空の日本(かくうのにほん、かくうのにっぽん)では、架空の国土の状態・政治体制・社会体制・その他の国情になっている日本について述べる。
これらはフィクションの小説、特に第二次世界大戦後の冷戦初期を題材とした作品に多く登場し、日本列島・樺太・千島列島等、戦前の大日本帝国の領土を実効支配し、日本全体を領有主張する分断国家が多い。史実の朝鮮半島における米ソの対立による分断国家(朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と大韓民国(韓国))の成立と、代理戦争としての朝鮮戦争のイメージが念頭に作られるため、北(東)日本が共産主義、南(西)日本が資本主義を標榜するのが特徴で、朝鮮戦争と同時期に日本においても戦争が行われたとすることが多い。また同様に、ドイツのベルリンを念頭に置いた都市(東京や札幌が多い)の分割統治もしばしば描かれる。
しかしながら、最近ではこうした型にはまらない架空の日本が描かれる作品も多く、政治に主眼を当てた作品では『太陽の黙示録』はその典型。
日本民主主義人民共和国
日本民主主義人民共和国(にほんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)は、主に架空戦記諸作品に登場する架空の国家或いは政権。
『征途』等、日本が朝鮮半島や東西ドイツ、南北ベトナム等の様な分断国家となった状態を描く作品に於いて、その一方がソビエト連邦等社会主義国家に占領或いは統治される等して成立した、ソビエト連邦傘下の共産主義(社会主義)国家或いは傀儡政権として登場する事が多い。また、朝鮮民主主義人民共和国に似た国家として描かれる事も多く、それに倣い北日本やDPRJ (Democratic People's Republic of Japan) が通称とされる事が多い。転じて、日本社会における社会主義・共産主義的な側面を揶揄的に表現する時に、この言葉を使う者もいるこうした設定は全く荒唐無稽と言う訳でもなく第二次世界大戦末期に日本に影響力を残しておきたいソビエト連邦が、日本の北部地域(北海道あるいは東北地方)への自軍の駐留を要求して、同じく日本における覇権を握りたいアメリカ合衆国によって拒絶されたと言われている。もしアメリカ側がこの要求を受け入れていれば、日本が南北に分割されていた可能性も否定は出来ない(詳細は日本の分割統治計画を参照)。。
「日本民主主義人民共和国」が登場する作品
- 『征途』(佐藤大輔)
- 北海道の 留萌市 - 旭川市 - 釧路市 を結ぶ線より北側と南樺太。 首都は豊原市(ユジノサハリンスク)。
- なお本作は佐藤大輔の初期作品「目標、砲戦距離四万」のエピソードの一つが原典になっている。
- 『沈黙の橋』(東直己)
- 北海道全土。ただし日本共和国札幌特別市、通称「西札幌」(札幌市の内、豊平川より西、かつ藻岩山より北の地域)を除く。
- 首都は札幌市、通称「東札幌」(札幌市の内、豊平川より東または藻岩山より南の地域)。
- 『日本分断』(豊田有恒)
- 首都は仙台。領土は利根川と信濃川を結んだ線以北の本州と北海道全域。南側の国名は大和民国(だいわみんこく)。
日本人民民主共和国
中国共産党による対日工作活動が記されているとして流布されている文書である日本解放第二期工作要綱において、中華人民共和国による日本解放の一環として樹立することが計画されていたとされる国家「日本保有の国力すべてを支配下に置くこれが中国共産党の対日基本戦略」櫻井よしこWEBサイト2006/10/14。
別名の分断国家日本が登場する作品
- 『レヴァイアサン戦記』(夏見正隆)
- 日本は対米戦争に勝利(有利な条件で講和)したが、戦後の大不況で内戦となり、その結果東日本共和国(内戦を引き起こした「平等党」独裁による社会主義国)と西日本帝国(大日本帝国の流れを汲む立憲君主国)に分裂。東京23区の真ん中を壁(国境)が走っている。東の臨時首都は新潟市、西の首都は東京(西東京)。なお、皇居は京都市。両国の位置づけには朝鮮半島のパロディに近い要素が含まれている。
- 『咎狗の血』(Nitro+chiral)
- 第三次世界大戦後、ニホンは東のCFCと西の日興連に分断される。
- 『あ・じゃ・ぱん』(矢作俊彦)
- 日本人民民主主義共和国が東経139度線以東に建国される。1980年代末の書記長は中曽根康弘。東の首都は東京、西の首都は大阪市。
- 『RING of RED』(コナミ)
- ポツダム宣言を拒否した日本が南北に分断され、東北地方を始めとする北日本は日本共和国として独立。南日本は日本国として独立し、日本戦争が起こる。北海道はソ連の領土となる。
- 『凱歌の号砲-エアランドフォース-』(コーエーPCゲーム)
- 第二次大戦終結後、米ソ両国に分断される。
- 『Qコちゃん THE地球侵略少女』(ウエダハジメ)
- 東日本帝国と西日本人民共和国で戦争が起こった後の東京が舞台。
- 『ひきさかれた街』(藤本泉)
- 米ソにより日本が分割占領。東京が南北に分断。日本全土の状況や国名は不詳。飯田橋駅付近(と推測される)から東は神田川が境界、そこから西は不詳だが、境界線は新宿駅を通っていて新宿駅は米ソ共同管理、新宿デパート街は米、東口広場はソ、となっている。
- 『五分後の世界』
- 第二次世界大戦終結後、連合国の日本の分割統治計画によって分断され、日本人が26万人まで減少した日本。
- 『本邦東西朝縁起覚書』(小松左京)
- 「大杉酔狂」「月野健一」「平田恒正」(それぞれ「小松左京」「星新一+山野浩一」「平井和正+豊田有恒」)の3人が後南朝の遺跡を探索していたところ、役行者の秘法により壺の中の世界に隠遁していた尊秀王(作中表記では尊秀帝)を復活させてしまう。天狗を配下に使い神通力を有する南朝勢は、上洛し新朝・西朝成立とあいなった。中央側とで古戦場関ヶ原にて合戦となるも、西朝は揺るがず、日本は木曽 - 九頭竜川を境とした「東西朝時代」を迎えることとなる。
- 『Hello,good-bye』(Lump of Sugar)
- 幕末の内戦が激化の一途を辿り、最終的に討幕派と佐幕派の休戦協定を経て日本の政治体制は幕府の流れを汲む日本連邦(立憲君主制)と、討幕派が元になった日本合州国(作中の時代では共和制)に二分されている(ともに連邦制とされる)。また、神奈川県周辺に相互不干渉の中立地帯守乃特別区が存在。
- 『ヤタタウォーズ』(企画・御厨さと美&MIC MACプロダクション)
- 日本ソフトバンクが発行していたゲーム雑誌『Beep』の初期に連載されていた、現在で言う読者参加型ゲームのルーツの1つとでも言うべき企画。SF調の世界観をモチーフとしているが、静岡県・岐阜県・石川県以東をエンタープライズ、三重県・滋賀県・福井県以西をソラリスの二大勢力に分割し、その間に位置する愛知県は孤立する謎の第三勢力アイチ圏として、読者をそれぞれの住む地域に分け、その葉書投稿を元に本作が連載されていた1985年当時は、インターネットはもとよりパソコン通信すら日本国内にはまだ大して普及していない時代である。、プレイ・バイ・メール的な艦隊戦による勢力争いと投稿小ネタ合戦で各勢力が覇権を目指し争うという内容であった。連載は1年にわたり続いたが、連載終了に伴いエンタープライズの勝利という形で終了。
北海道が首都になる作品
- 『鸚鵡の罠』(笠井潔)
- 正式国名不詳。日本は東(首都は札幌市)・西(首都は京都市)・中立の都市国家東京に三分割されている。
- 『太陽の黙示録』(かわぐちかいじ)
- 近未来、巨大地震と富士山噴火などにより、大阪湾から琵琶湖を経て富山湾に至る海峡が生まれ、さらに大国が災害救援という名目で進駐し、日本が地理的かつ政治的に分断される。南北はそれぞれイデオロギーが色濃く残る形で再建され、ノースエリアは共産主義に似た統制国家、サウスエリアはアメリカ型資本主義国家に変貌する。ノースエリアの首都は札幌市、サウスエリアの首都は福岡市。ちなみにこの作品においてノースエリアを衛星国に置いているのはソ連ではなく、中国である。
- 『日本国家分断』(土門周平)
- 巨大地震と火山噴火により日本は中部地方、東京は壊滅状態となり、糸魚川静岡構造線で寸断され、社会主義者達により、これより東は日本人民共和国となってしまう。東の首都は札幌市、西の首都は大阪市。
- 『レーベンスラウム 新世界大戦1985』(ホビーデータPBM)
- 第二次世界大戦終結間際にソ連軍が北海道・東北へ侵攻、日本民主共和国(北日本)と大日本国(南日本)に分断される。当初は北緯40度に軍事境界線が設定されたが、1950年に勃発した「第1次日本戦争」により、最終的には北日本は北関東地方にまで領土を拡大、南日本は首都を京都市へ移転。北日本の首都は札幌市。ちなみに北日本軍の参謀総長は福田定一陸軍大将。
- 『スカルマン』
- 敗戦後津軽海峡を挟んで南北に日本人民共和国と大日本共和国に分断され、現在も進駐軍に占領されている。
- 『雲のむこう、約束の場所』(新海誠)
- 1945年の敗戦後、北海道がソ連の制圧下に置かれ、日本の主権回復後もソ連、及びその後継として1956年にフルシチョフが樹立した共産国家群「ユニオン」の占領下に留まり、エゾと名称を変える。その後エゾでのナショナリズムの高揚を受けて1975年に国交断絶、完全に分断される。
- 『大逆転!2003年戦艦「武蔵」』(檜山良昭)
- 日本の降伏が遅れ、日本人民民主主義共和国が東北地方、北海道以北を領土に独立。1951年から内戦が始まり、1954年に休戦するが緊張状態が続き、2003年に東側の人民軍が西側に侵攻するが、札幌でほぼ同時にクーデターが起きる。
- 『影の艦隊』(山田正紀)
- 日本群島人民共和国が南千島に建国される。
- 『日本南北戦争』シリーズ(井上淳)
- 北日本民主主義人民共和国が北海道・南千島を領土として建国される。首都は札幌市。
- 『赤い旅券』(井上淳)
- 正式国名不詳。北は北海道・東北地方を領土とし、首都は仙台市。
日本の一部が独立する作品
- 『2025年日本の死』(水木楊)
- 2023年に沖縄が那覇に首都を置く琉球共和国として独立、続いて以下の地域も独立して、日本は分裂。
- 南海共和国(九州):首都・熊本:細川護煕が独立を先導。
- 北海道共和国(北海道):首都・札幌
- 四国連邦(四国):首都・高知
- 奥羽連邦共和国(東北・新潟県):首都・会津若松
- 大和国(近畿・中国):首都・京都
- 中部共和国(中部):首都・名古屋
- 東日本国(関東・山梨県):首都・東京
- 千代田城国(皇居)
- 後に日本は212ヶ国もの共和国に分裂。
- 『V8キッド』
- 地震によって本州から分断された千葉県と茨城県が「チバラギ共和国」として独立宣言する。
- 『沖縄独立す―北東アジアに軍事危機が迫る』(柘植久慶)
- 保守系、革新系がそれぞれ政権を握った場合の2本立てシミュレーション。
- 『吉里吉里人』(井上ひさし)
- 東北地方の一寒村が日本政府に愛想を尽かし、日本からの独立を企てて「吉里吉里国」を名乗る。
- 地域おこしの「ミニ独立国」のルーツとなった作品だが、対外的に承認された独立国家を目指している点でそれらとは大きく異なる。
- 『群青の空を越えて』(light)
- 円経済圏理論で、利権の分散(それで利権を失うこと)を危惧した関東の一部政財界は、その理論を歪曲し、「関東自治共和政府」として独立を宣言する。
- 『ゴルゴ13』第384話 沖縄シンドローム(さいとう・たかを)
- 琉球王朝を補佐する家系の子孫が沖縄の独立を図る。
- 『さよならニッポン!』(堤幸彦)
- 沖縄県民が沖縄のある島の独立を図る。
- 『西武新宿戦線異状なし DRAGON RETRIEVER』
- 自衛隊の一部が蜂起し、東京を中心とした関東(国道16号が軍事境界線)に臨時政府を樹立。元の日本政府は大阪に移転。
- 『蒼茫の大地、滅ぶ』(西村寿行)
- 大量発生した飛蝗の襲来をきっかけに、東北6県が「奥州国」として独立。しかし日本国が自衛隊を差し向けて鎮圧し、首相となった青森県知事も倒れる。
- 『超光戦士シャンゼリオン』(井上敏樹)
- 異世界からの侵略者の一人が「人間のルールでの征服」を目指し、東京都知事となって都民の支持を集めた後「東京国」として独立させるエピソードがある。
- 『東京独立共和国』(水木楊)
- 道州制が施行され、首都が中部地方の土岐・瑞浪地域に移転し、東京都が独立。
- 『どろぼうの名人』シリーズ(中里十)
- 千葉県がソ連およびロシアの衛星国「千葉国」として独立している。共産国ではなく、国家元首に準ずる存在として、市民から抽選で選ばれる「千葉国王」が存在している。劇中で日本に併合される。
- 『日本国大統領 桜坂満太郎』(日高義樹、吉田健二)
- 物語序盤、統一朝鮮軍による大規模軍事侵攻を受けた九州が、統一朝鮮とその背後にいる中国の傀儡国家「九州国」として独立(分断)させられる。九州国大統領は九州選出の元首相。ただし国家としての体裁が出来上がる前に消滅。
- 『人間狩り』(『二〇三〇年東北自治区』改題)(半村良)
- 白河以北、北海道を除く東北地方が独立国家となり、一見清潔な理想郷を築き上げるが、それには裏があった。
- 『ハルノクニ』(浜中明、中道裕大)
- 友人の死が国家の謀略によるものと知った高校生が、学校(人工島)に立てこもって独立を宣言し、日本政府と渡り合おうとする。「ハル」とはその友人の名。
- 『半島を出よ』(村上龍)
- 北朝鮮から侵入してきた「高麗遠征軍」を名乗る武装コマンド部隊が福岡市一帯を占領。福岡県知事や福岡市長を恫喝して日本からの独立を目指すと宣言させる。日本政府も有効な対策を打てず、遠征軍の工作員の本土侵入を恐れて福岡を封鎖してしまう。しかし事態は意外な結末を迎えることになる。
- 『マイ国家』(星新一)
- とある住宅地の民家が、「マイ国」として独立。たまたま民家に立ち入ったセールスマンは、家主から不法入国を宣告されて翻弄される。
共和制の日本が登場する作品
- 『小説「日本」人民共和国』(井沢元彦)
- 扶桑人民共和国。
- 『バトル・ロワイアル』(高見広春)
- 大東亜共和国。全体主義国家。準鎖国体制を採っている反米国家。最高権力者は「総統」。南樺太に強制収容所があり、朝鮮半島と中国の併合を主張している。
- 『艦隊シリーズ』(『新・紺碧の艦隊』、『新・旭日の艦隊』)(荒巻義雄)
- 大日本合衆国。第三次世界大戦勃発前に日本国が名称を変更したもの。道州制。南樺太には東方エルサレム共和国というユダヤ人国家がある。
- 『サモワール・メモワール』(小林信彦)
- 明確な国名は書かれていないが、「第二次世界大戦でソ連に占領された後、独立した日本(の東京)」が舞台の作品。他の作品とは異なり、パロディ色の強い内容である。
- 『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』(きむらひでふみ)
- 日本共和国。作品の舞台は世界規模のカタストロフを経た近未来という設定だが、日本に共和制が敷かれた歴史は不明(それ以前の歴史が全く違うパラレルワールドという可能性も否定できない)。
その他
『その他の架空の日本』も参照
- 『赤い星』(高野史緒)
- 幕藩体制のまま近代に移行したが、第二次世界大戦に敗れてロシア帝国の属領となった日本の21世紀が舞台。
- 『越境』(世にも奇妙な物語 2005年秋の特別編)
- 国名は登場しないが、別次元にある「もう一つの日本」と述べられている。第二次世界大戦後に軍事国家として独立した。独裁制で、国会議事堂に指導者の写真が掲げられており、いたる所にプロパガンダが掲示され、指導者の演説を放送するモニターがある。通貨は「人民円」で、紙幣には指導者の肖像が表裏に描かれているが、計画経済の失敗で食糧危機に陥っている。一方で、軍事演習は頻繁に行なわれ、秘密警察による「反社会分子」取り締まりが行われている。
- 『MM9』
- 日本国。ただし、台風や地震と同様に怪獣が自然災害として恒常的に出現する世界を舞台としている。日本は怪獣が頻繁に現れる「怪獣大国」となっており、気象庁内に怪獣対策を目的とした「特異生物対策部」が設置されている他、自衛隊の怪獣との交戦規定などを示した「怪獣対策基本法」も施行されている。
- また、作中世界では関東大震災や阪神淡路大震災などの震災が、怪獣による物に代わっている(東日本大震災は史実と同様に地震によるもの)。
- 『大奥』
- 江戸時代、伝染病により、男性の人口が4分の1に激減し、徳川家の将軍職が女性に引き継がれた日本。
- 『革命機ヴァルヴレイヴ』
- ジオール。人工により開発された宇宙都市「ダイソンスフィア」のうちの小国家の一つ。史実上の日本列島は同国の領土に含まれている。同作の主舞台であり主人公・時縞ハルトの通学する男女共学の私学・咲森学園の置く「ダイソンスフィア」の一区画「モジュール77」は同じくジオールの領土にあったが学園側の画策により独立宣言。
- 『刀語』
- 「尾張時代」(史実における江戸時代に近い独自の時代)の日本。
- 『家畜人ヤプー』
- 土着畜人飼育地域「邪蛮(ジヤパン)」。
- 恒星間国家未来帝国EHS(イース = 百太陽帝国、またの名を大英宇宙帝国)畜人省土着畜人局畜政課管理下、極めて限定的な原ヤプー(奴隷生物に貶められた日本人)自治国家。
- 『からくり剣豪伝ムサシロード』
- ジパング国。
- 『機動戦士ガンダム00』
- ユニオン内経済特区・日本。
- 『機動戦士ガンダムSEED』
- 東アジア共和国。
- 『機動武闘伝Gガンダム』
- ネオジャパン。元日本人が住むコロニー国家。
- 『CASSHERN』(実写映画版『キャシャーン』)
- 大亜細亜連邦共和国。
- 『ギルティクラウン』シリーズ(ノイタミナシリーズ、新枠3作目)
- 2039年のGHQ支配下による無政府国家・日本国。10年前(2029年)に突如発生したアポカリプスウイルス蔓延によって大事件「ロスト・クリスマス」が発生。これにより政府としての機能が完全停止、GHQの介入を余儀なくされた。ちなみに現時点で首都は東京地方のままである。
- 『ケルベロス・サーガ』(押井守)
- 日英同盟の名の下に第二次世界大戦を戦い、敗戦した日本国。ヒトラーがクーデターによって排除されたドイツに敗北した日本は、占領軍司令部であるOKJによる強引な民主化によって経済的に荒廃し、東京ではセクトと呼ばれるテロ組織と強力な権限を持つ首都圏治安警察機構が衝突を繰り返している。最終的に経済問題が解決し、セクトと首都警は同時期に消滅。史実の日本に近い現代を迎える事となる。
- 『攻殻機動隊』(『S.A.C.』シリーズ) / 『アップルシード』
- 厳密に言えば日本という国を指していないが、「日本の奇跡」と呼ばれる、架空の日本における重要な事象が登場する。また、自衛隊ではなく「自衛軍」が国防を担っている。
- 『高機動幻想ガンパレード・マーチ』
- 日本国、ただし、公武合体が成功し、徳川幕府が1945年まで続いた。今でも陸軍は会津閥が主導している。ちなみに話の舞台は本作が熊本、二作目は青森と東京の島嶼部が主要な舞台となった。
- 『コードギアス 反逆のルルーシュ』
- エリア11。神聖ブリタニア帝国によって11番目の属領とされた日本。日本列島の他に千島列島も領土とされている。占領以前には「日本軍」が防衛を担っていた。占領後は一部の残党が日本解放戦線などのゲリラ組織となってレジスタンス活動を続けている。
- 合衆国日本。ゼロによって、ユーフェミアの行政特区日本の式典会場や、エリア11内の中華連邦総領理事館で建国宣言された国。
- 『国民クイズ』(杉元伶一、加藤伸吉)
- 「国民クイズ体制」下の日本。議会制民主主義体制・資本主義の後に移行した政治体制で、国権の最高機関は「国民クイズ」という番組であり、出演しクイズに勝ち残った国民は、殺人でもエッフェル塔の私物化でもいかなる願いも合法化されるという、「あなたのための全体主義」がまかり通っている。また、佐渡ヶ島が「国民クイズ体制」に反発し、独立している。
- 『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』
- 1954年のゴジラ初襲来によって東京が壊滅的打撃を負い、大阪に遷都が行われている。また、1966年に茨城県東海村の原子力発電所もゴジラに襲撃されたため、原子力の利用を断念しており、1996年にはリニアモーターカーが開通している。
- 『コマンド&コンカー レッドアラート3』
- 旭日帝国。第2次世界大戦におけるアメリカの独り勝ちを快く思わなかったソ連が、タイムマシーンを用いてアメリカの原爆開発を無かった事にしてしまった結果誕生した。いわゆる「欧米人が見た間違った日本観」を更にパワーアップさせたような国家である。天皇が政治の実権を握っているが、そのいでたちはどう見ても武士であり、幕府の長であるなど将軍との混同が見られる。また巨大ロボットや可変戦闘機、巨大海上要塞や波動砲、超能力女子高生などを開発、運用できる高度な科学力を持つ。
- 『新世紀エヴァンゲリオン』
- 日本国。N²爆弾によるテロで東京が壊滅し、松本の第2新東京市に首都が遷都された。更に、第二次遷都計画に基づく将来の首都と偽装された対使徒迎撃要塞都市である第3新東京市が、芦ノ湖北部に建造されている。
- また、防衛庁とは別に国防省が設置されており、国連軍に吸収される形で消滅した陸海空の3自衛隊に代わる独自の防衛戦力として戦略自衛隊を傘下に置いている。
- 『スカイガールズ』
- 日本国。但し2000年代後半の時点から約80年後の近未来の地球という設定。“ワーム”と呼ばれる生体に似た機械兵器群に対抗すべく、国家間の結束により、統合人類軍が結成される。なお、このとき既に、日本の自衛隊は日本軍に改称・再編されており、陸軍と空軍が統合される(日本陸空軍)が対ワーム戦により壊滅、のちに残党メンバーが海軍に編入されている。
- 『ストライクウィッチーズ』
- 扶桑皇国。織田信長が本能寺の変で死なずに天下統一を果たした結果、鎖国することなく海外進出を積極的に行い、早期に海洋貿易国家に成長したとなっている。領土は日本列島のほか、ミクロネシア周辺に存在する架空の島パシフィス島(日本語名:南洋島)や台湾、樺太・千島列島を領有するなど、現在の日本や大日本帝国に近い領域を領有している。
- 『セイバーマリオネット』
- ジャポネス。テラツーという地球ではない惑星に在る日本風の国家。
- 『戦闘妖精・雪風』
- 日本国。コンピューター関連の法令が変更されているようであり、複数の端末内部にある中枢処理装置がネットワークで連結され、一つの巨大コンピューターを形成している。しかしその反面、これらの端末はネットワークに接続しないと稼働せず、真の意味での「パーソナル・コンピューター」は所有を禁止されており、それを個人が製作すると公共福祉法やシステム破壊防止法などに接触し、罪に問われる事になる。
- また、フェアリィ戦争勃発に伴い、自衛隊は日本軍に改名している。劇中には日本空軍と日本海軍の他、海軍の上部組織として海軍省が登場する。
- なお、神林長平の他作品でも日本が保有しているのは自衛隊ではなく軍になっている物が多く、『あなたの魂に安らぎあれ』には日本空軍、『完璧な涙』には日本陸軍、『親切がいっぱい』には日本空軍、『言壺』には情報軍と空軍、『死して咲く花、実のある夢』には情報軍が登場している。
- 『装甲悪鬼村正』
- 大和王国。“六波羅幕府”という独自の政権によって統治され、終戦後も変わらず圧政を敷いていた。ちなみに本作では“国連”も正式名称は国際連合ではなく前身の国際連盟のままである。
- 『高い城の男』
- 枢軸国が第二次世界大戦に勝利し、世界が日独伊の三国で分割統治されている世界が舞台。大日本帝国は朝鮮半島全域と中国・ソ連の太平洋沿岸、インドシナ半島を領土に、アジアの大半とオーストラリア、アメリカの西半分と南アメリカの南部を勢力圏としている。
- 『デート・ア・ライブ』
- 現代日本。但し、地球上に人体(女体)を模した「精霊」が出現し、空間震と呼ばれる大災害を起こして約30年後の世界。
- 『デビルサバイバー』シリーズ
- 「封鎖空間」の日本。何らかの理由で国内各地で天変地異が起こり人々は混乱に陥る。これは「魔物」による仕業であると断定できる表現が作中で散見される。また、東京「東京タワー」名古屋「テレビ塔」大阪「通天閣」という様に、各地の電波塔等を用いた一種のバリアを張っているかのような表現もみられる。
- 『天外魔境』シリーズ
- ジパング。
- 『とある魔術の禁書目録』シリーズ
- 「科学」側と「魔術」側の共存世界における現代日本作中では「超能力が科学によって解明された世界」と前置きで説明している。。同シリーズの舞台となる「学園都市」のモチーフは設定上立川市としている。
- 『東海道戦争』(筒井康隆)
- 何がどうしてどうなったためかはわからないが、東京は大阪が攻めてくるというので、大阪は東京が攻めてくるというので、東海道を東西から進軍する戦争が起きる。主人公の視点のみからしか語られないので戦況は不明だが、東軍の地上部隊は草津まで来ている。
- 『東京マグニチュード8.0』(ノイタミナシリーズ)
- 2012年7月21日(夏休み初日)に東京湾北部を震源とした海溝型の巨大地震が発生という設定。死亡者数は18万人で、行方不明者は15万人。重軽傷者はこれらを上回る20万人(いずれも推定)。
- なお、被害経過の詳細はこちらを参照。
- 『東方見聞録』
- 黄金の国ジパング。
- 『図書館戦争』シリーズ
- 日本国。本などの著作物に対する検閲を合法化する「メディア良化法」と、図書館の資料収集・提供の権限を保障する「図書館法第4章」が施行されている。これによって、メディア良化法に基づいて超法規的な検閲を行う「メディア良化委員会」と、図書館法第4章に基づき「図書隊」という防衛組織を編成した図書館による武力衝突が頻発するようになっている。
- また、元号は平成ではなく「正化」という物になっている。作品の舞台となるのは正化31年(2019年)。
- 『トップをねらえ!』
- 第二次日米戦争の勝利を発端として、地球すべてを領土とする地球帝国の盟主となるまでに急成長する。
- 『ドラゴンクエストIII』
- ジパング。勇者たちが立ち寄る町の一つとして登場。ヒミコの統治下にあるがやまたのおろちの脅威にさらされている。
- 『日本以外全部沈没』(筒井康隆)
- 地球規模の地殻変動により、日本列島以外の地表がほぼ消滅。外国人が大挙押し寄せた日本。各国の要人が一堂に会して言い争いをしており、外国人女優がコールガールをして食いつないでいる。また、バチカンが同じ面積の上野公園の譲渡を要求している。
- 『日本沈没』『日本沈没・第二部』(小松左京、小松左京・谷甲州)
- 急速な地殻変動により、日本列島の大部分が水没。皇室はスイスへ、政府機能はポリネシアやオーストラリア北部に移転し、日本国民のうち、災害で死亡した者を除く約4,000万人が日本国外へ脱出した。その後約25年を経て、日本人はイスラエルやニューギニア、カザフスタンなどに居住地を築いたが、政府機能は存続しており、内閣総理大臣や自衛隊も存在する。さらに、北陸地方の白山系の一部が海面に顔を出しており、これを元にメガフロートを用いた国土復活計画がある。
- なお、同じ小松の作品である『果しなき流れの果に』や『お祭り』にも、国土を失った日本が登場する。
- 『Hearts of Iron II: Doomsday - "Armageddon"』
- PRRS(People's Republic of the Rising Sun)。軍事クーデターにより樹立された共産主義国家。フィリピンや朝鮮半島を領土としており、東アジア各地の社会主義者によって政府が作られている。なお、この世界ではロシア内戦で他国の干渉によってロシア革命は抑えられたことになっている。ちなみに日本の他にイギリスが社会主義国家である。
- 『火の鳥 未来編』
- メガロポリス「ヤマト」。
- 『百花繚乱 SAMURAI GIRLS』
- 大日本国。元号が平成ではなく「平誠」に改まってから20年余を過ぎた21世紀初頭の日本。史実と違い徳川幕府の指導下で明治の大改革を行われている。鎖国は解かれ、封建制度が廃止され、中央集権国家と変革し、その後大正デモクラシーを経て民主主義が普及し大日本帝国憲法を定めている。慶康が第25代将軍の座に就き今でも幕府が治世を続けている。ちなみに昭和の時の元号は将和になっている。
- 『ファイナル・ジャッジメント』
- オウラン人民共和国・極東省。アジアの軍事大国「オウラン人民共和国」の侵攻を受け、占領・植民地化されてしまった201X年の日本。
- 『武装神姫』(コナミのアクションフィギュアをもとにした)
- 近未来の日本。但し、「神姫」たちとの共存・鉄道交通網がモノレール主体・「神姫」向けのネットワークや「職業神姫」の存在など、現代日本での状況とは相当異なる。詳細は同項を参照。
- 『ヘヴィーオブジェクト』
- 既存の兵器では歯が立たない超大型兵器・オブジェクトが戦争の主役となった近未来の地球において、初めてオブジェクトを開発した国家。現在でもオブジェクト開発の最先端に立つが、少子高齢化で移民を大量に受け入れたため、オブジェクトの技術情報は世界に広まることとなった。 世界を分割する四大陣営の一つ『資本企業』に所属するが、列島西部を掌握した朝廷制度復活を掲げる勢力が四大陣営の『正統王国』と『信心組織』のどちらに属するかで内部対立したり、東部も徐々に四大陣営の『情報同盟』に似た体制に移行しつつあるなど、曖昧な政治情勢となっている模様。
- 『北斗の拳』『DD北斗の拳』
- 地球が「核の炎」(太陽核)に包まれた後の世界(世紀末)。このため、現在のような国家や自治体と呼べるものが事実上壊滅された状況にある。後者の『DD』はもしその現象が起こらなかったら、ということで作られた作品。
- 『ぼくらは都市を愛していた』
- 「情報震」と呼ばれる現象によって情報化社会が崩壊した2020年代の日本。行政機関などの詳細は不明だが、情報震から情報を守る為に東京が「トウキョウシェルター」として無人化されている。
- また、他の神林作品と同様に自衛隊ではなく「日本軍」が存在しており、陸海空の三軍に加えて日本情報軍が設置されている。
- 『マブラヴ オルタネイティヴ』
- 日本帝国。第2次世界大戦が1944年に終戦し、無条件降伏を回避した日本。原爆も投下されず、ソ連による侵攻もなかったため、南樺太や千島列島、南洋群島も日本の領土として残っている。首都は大政奉還後も京都に置かれ、東京は経済中心地として発展している。政治体制は「皇帝」を日本帝国の元首とし、皇帝より任命された「政威大将軍」(将軍)が政務と軍の指揮権を委譲されるという形で統治しており、その下に内閣と帝国総理大臣が位置している。内閣は将軍の政務を補佐する役割にある。その他に、日本を盟主とした東アジア諸国の国家共同体、大東亜連合などが存在する。
- 『魔乳秘剣帖』(エンターブレイン刊のアダルトゲーム関連誌『TECH GIAN』連載)
- 近世日本(江戸時代)。但し設定が「大奥」や女性の乳房(=おっぱい)によって支配されている時代。このため、同作品に登場する成人女性の大半が巨乳(魔乳)である。また、乳房に関する秘伝奥技を習得している主人公も巨乳であり、主人公の他に秘伝奥技を習得している。なお、その秘伝奥技には“表”と“裏”と2つ存在する。
- 『メガゾーン23』
- 巨大都市型宇宙船メガゾーン23に住む人々は、ここを1980年代の日本だと思い込まされている。
- 『夜明け前より瑠璃色な』
- 地球連邦(政府)。既に月への人類移住に成功しており、月面に王制国家・スフィア王国が建国されている。その後、地球の日本列島(の本州)に地球連邦政府の首都として満弦ヶ崎中央連絡港市が作られ、月と地球との交流を図っていた。
- 『雷轟 rolling thunder PAX JAPONICA』(押井守)
- 南北戦争でアメリカが分裂国家となり、その結果太平洋の覇権国家となった日本が舞台。1966年、日本は西側諸国の一員としてベトナム戦争に空母を派遣している設定。
- 『陸上戦艦大和』(青山智樹)
- 日本合藩連合王国。徳川幕府主導で明治維新が成功した日本。
- 『ロスト・メモリーズ』
- 日本による朝鮮統治が継続している。
日本の省庁・軍事組織などが変化している作品
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上記の他にも、日本国その物は大きく変わっていないが、国内の省庁や、自衛隊に相当する軍事組織が変化している作品も多い。これらの物は名称が変わっているだけの物から、規模、役割などが大きく様変わりし、物語上のキーパーソンとなっている物まで、様々なケースが存在する。
特に軍事組織の名称が変更されている作品の数は多く、下記の作品以外でも、「防衛軍」(『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』、『惑星大怪獣ネガドン』、『ウルトラゾーン』『岸和田博士の科学的愛情』)、「国防軍」(『超星神シリーズ』、『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』、『ジパング』『ぼくらの』、『イノセント・ヴィーナス』、『絶園のテンペスト』、『ビビッドレッド・オペレーション』)、「自衛軍」(『イリヤの空、UFOの夏』、『エウレカセブンAO』、『高機動幻想ガンパレード・マーチ』、『スマガ』)、「防衛隊」(『ゴジラ』、『ウルトラシリーズ』、『ミラーマン』、『ファイヤーマン』、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』、『生物彗星WoO』、『八岐之大蛇の逆襲』、『長髪大怪獣ゲハラ』、『聖戦士ダンバイン』、『エルドランシリーズ』、『陸上防衛隊まおちゃん』、『Z/X IGNITION』)、「日防軍」(『フロントミッションシリーズ』)「国防隊」(『SUBMARINE SUPER 99』)、「自警隊」(『REIDEEN』)、「統制軍」(『蒼き鋼のアルペジオ』)などの名称で日本の軍事組織が登場している。また、『怪獣王子』や『超星神シリーズ』では防衛庁・防衛省の名称が「国防省」に変更されている。
- 『鉄腕アトム』
- 科学技術の開発を担う省庁として、文部科学省ではなく「科学省」が設置されている。なお、科学省の長は省であるにも関わらず、「長官」になっている。また、ロボットの行動を制限する「ロボット法」が施行されている他、自衛隊内部にロボットで構成される「ロボット自衛隊」が存在している。
- 『妖星ゴラス』
- 宇宙開発を担当する省庁として「宇宙省」が存在。すでに有人ロケットを保有しており、劇中では有人土星探査計画が行われていた。
- 『帰ってきたウルトラマン』
- MATの指揮権を有する省庁である「地球防衛庁」が登場する。
- 『ゴジラ×メカゴジラ』、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』
- 対怪獣戦闘を目的とする第4の自衛隊、特生自衛隊が登場する。
- 『ウルトラマンコスモス』
- 日本国独自の防衛組織として統合防衛軍が登場。
- 『勇者王ガオガイガー』
- JAXAに相当する宇宙機関として「宇宙開発公団」が登場。下部組織にGGG(地球防衛勇者隊)がある。
- 『ふたつのスピカ』
- JAXAに相当する宇宙機関として「JAMSF(有人宇宙飛行局)」が登場する。
- 『絶対可憐チルドレン』
- B.A.B.E.L.の上部組織として内務省が廃止されずに存続している。
脚注
関連項目
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最終更新:2014年07月15日 00:07