恒例の博麗神社での宴会に今日も誘われた。
初めて参加した時、仕事で知り合ったにしろ人、神、妖怪の実力者や重鎮の女性達に緊張したがみんな気さくに接してくれたのは幸いだ。
「それにしても、今日はコロッケ率が高いなぁ…。」
目の前にあるいくつかの皿にそれなりの量が盛られたコロッケを見て自分はそう呟いた。
酒があんまり飲めないから毎回、料理を食べていたが前の宴会で出されていたコロッケを食べたら、凄く美味くて「美味いなぁこのコロッケ。」って、呟きを作った誰かが今回も作って来てくれたのだろうか?
「さてと、どれから食べようかな?」
行儀が悪いが迷い箸をしていると「何を迷っているんだ〇〇?」と声をかけられ、振り返ると慧音さんが居た。
「あぁ慧音さん、何か今日はコロッケが多いからもしかしたら違う種類だとしたら行儀が悪いのですが、どれにしようか迷ってまして。」
「そうか…なら手前味噌だが、これを食べてみてくれ。自作の牛肉コロッケなんだ。」
そう言う慧音さんが差し出した皿を見る。
差し出されたからには、食べてみなければ失礼だよな?
「いただ「「「「ちょっと待った。」」」」きま…す?」
箸をつけようとしたら、異口同音に遮られた。
「美味い茸があったから混ぜて作ってみたんだ。絶対美味いから食べてくれ〇〇!!」
そう言って一番始めに皿を差し出して来た
魔理沙。
「〇〇、私のから食べてみてくれ。慧音の作り方を見て真似て作ってみたんだ。ちょっとクセがあるけど病み付きなると思うから。」
そう言って妹紅も皿を差し出して来た。
「あんな粗暴女が作ったのより、私が作ったのを食べてみて〇〇?私のはクセも無いし永琳と一緒に作ったから味は保証するわ。」
輝夜もまた皿を差し出して来た。
「〇〇、私は鳥肉を入れてみたんだ。クセも何も無いし、さっぱりしていて美味しいよ?」
ミスティアもまた皿を出して来た。
あれあれ?……みんな、何だか鬼気迫る勢いで勧めてきた…。
しかも何か互いを牽制するかのように睨みあっているし…
いや、何よりも今日は食べてはいけない気が…するけど、どうやら食べないといけないみたいだ…。
全員が…全員が…「食べてくれるよね?」と言わんばかりの笑顔で自分を凝視しているのだから。
最終更新:2011年09月16日 01:14