円環の理
幻想郷のとある集落
その門にぼさぼさの髪、ズタズタになった着物を着た仮面の男がふらりと現れた。
村人は浮浪者のような彼を追い出すわけではなく盛大な宴を開いた。
出される料理、酒、それらはとてもこの集落では準備できる量ではなかった。
しかし、この豪華な宴でも男はどこか憂い気だった。
男が席を立とうとした時だ。
「あの方が退屈しておる!誰か酌をせぬか!!」
集落の長の怒気に押され、すぐさま若い娘が酒を注ぎに来た。
「あっ!?」
娘は何もないところで転び男に酒器ごと酒をぶちまけた。
「どうかこの集落を出て行かないでください!私の弟が流行り病で・・・」
娘が泣きながら男に懇願する。
「・・・・・・・・」
男は何も言わず、一晩その集落に泊った。
その間、剣舞の剣が男に向かって「偶然」に飛んで行ったり、煙草を勧められたら「何故」だか火の子が飛んで火事になりかかる等あったが・・・・
翌日 妖怪ノ山
ただでさえボロボロな男の着物をさらにボロボロにして男は愛する女性のもとへ帰ってきた。
「帰ったよ雛」
えんがちょマスターこと、厄神鍵山雛は男を抱きしめ、その唇を男に押しつけた。
「御帰り○○・・・今日もこんなに厄を溜め込んで」
仮面の男こと○○は外来人だった。とても厄介な能力持ちの・・・
「厄を引きつける程度の能力」
彼が「厄をため込む程度の能力」の雛と引かれたのは運命であったのだろう。
歩くだけでも周囲の不幸を引きつけてしまう○○にとって彼が人間らしく過ごせるのは雛の前だけだった。
彼が厄神代行として周囲の村々を回るのも厄を必要とする雛のためだった。
「接吻だけでは足りないわ!もっともっと身体の奥深くで貴方と貴方の厄を感じさせて!」
厄神としての威厳や気高さを捨て、雛は○○のボロボロになった着物を破り○○自身を愛撫する。
自らの尾を喰らう大蛇のように○○と雛は絡み合った。
鍵山○○
種族 厄神代行
能力 厄を引きつける程度の能力
友好度 普通
危険度 そこそこ
鍵山○○はその能力のためか鍵山雛と同居している。彼は時折里をおり、厄神代行としてふるまっている。
もし、見つけたら出来る限り里に居てもらうようにしたほうがいい。彼は無意識に不幸を引きつけているため、きっと彼はあなたの不幸も引きつけてくれるだろう。
・里人の気持ちもわかるが意識を失うまで酒を飲ますのはいかがなものか(寺子屋経営)
彼はあまり厄神代行としての仕事はやりたくないようだ。ありとあらゆる不幸を引きつけてしまうのだから。
・防弾チョッキだのプレートアーマーだのを注文されたんだが(道具屋経営)
代行といってもその能力は人間と変わらない。きっと流れ弾に当たることがあったのだろう。
最終更新:2011年11月06日 13:47