上に立つ者の条件
「あっちゃ~またやられたか・・・・」
○○は荒された長屋の部屋の前に立ちすくんだ。
荒されたとはいっても金銭を奪われたわけではない。
褌や靴下、食器類といった軽微な被害で済んでいるのは幸いといえた。
「○○さ~ん居ますか~?木の実のおすそ分けに来ました。」
鈴を鳴らすような声と共に緑色の髪をした少女が顔を出した。
「大ちゃんか。また妖精にいたずらされちゃって散らかってるから少し待ってくれるか。片付いたらお茶を出すから」
「じゃあ片付けのお手伝いをしますね。そのほうが、早く片付けられますよ。」
「ありがとう大ちゃん。ホント大ちゃんのような妖精ばかりだったらよかったのに」
森の奥
バシッ
「ごめんなさい!もうぶたないで」
大妖精には○○の部屋で見せたような温和な表情はなく、冷徹な瞳で同じ妖精に罰を与えていた。
「私はクズなあなたにもできる指令を与えたつもりよ?洗濯前の○○の褌を持ってくるなんてわけないでしょ?」
「私が中に入ったらもう洗濯していて・・・・」
「嘘はやめなさい!」
バシィィィィィ
「あうぅ!」
「知っているのよあなたが○○のお菓子にうつつをぬかしている間に洗濯されていたことくらい!」
「メイド妖精51号より伝令!うまく大図書館付きになれたとのことです。」
「ありがとう妖精007号。さておしおきはこれまでにして・・・・」
「大妖精様・・・・」
「なあに?あなたのようなクズはほとほと愛想が尽きたわ。野良妖精にもどりなさい。」
「私を捨てないで!なんでもしますから・・・お願いします・・・・」
「では指令を与えるわ。今度しくじったら・・・・」
「もう失敗しません!」
大妖精は部下の頭を撫でた。
「フフフ、あとはうまく○○を妖精化する方法が見つかれば・・・」
妖精化した○○を調教する姿を幻視し、大妖精はみずからの花弁を震わせていた。
最終更新:2011年11月11日 09:04