何時も通り、外来人ぐらいしか顧客になってくれない店の営業を続けてたら。
「…………うぇ、人間だったら死んでたな。チャイナと烏帽子に感謝すべきか恨むべきか」
ドアを粉砕して○○君が店内に突っ込んできた……修理するの、僕なんだけどね。
取り敢えず、どうしたのかと聞くと、彼が住処にしていた洞窟内部で派手な弾幕決戦があり、巻き込まれた彼はここまで飛ばされて来たようだ。
……普通なら数十回死ねるところを、勝手に身体を仙人に改造されていたおかげで生き延びたらしい。
○○君は「死ねるチャンスだったかもなぁ」等と複雑そうな顔をしてる。この間の物騒な武器もその為に買ったのかな。
まだ若い身空なのに死ぬ死ぬ言うのは不健全だと思うよ。いっそ、開き直って恋の1つや2つ味わってみたらどうだいと言う。
相手はその洞窟で戦っていた女の子達が居るんだろと。
すると、物凄くどんよりとした雰囲気を纏ってしまった。
あれだ、外界の書物にある鬱と言う奴だろうか。
「それでまた女絡みで絶望するのはもうヤなんだけどねぇ。なぁ、店主さん、何で人間は愛故に苦しまなきゃいけないんだろな」
……その台詞はフラグだよ○○君。孤高の帝王になりたくないだろ?
それにそう言うのは妖怪の方が深刻なんだ。精神に依る生き物の上に、人間より生き死にと接するからねぇ。
だからこそ、愛や恋を求めるのかもなぁこの郷の女性達は。
それがとても歪でもね。……人間の筈の霊夢や
魔理沙がああなったのはちと予想外だったけどさ。
まぁ、君が一区切りを付けたいというのであれば、此処に行くと良い……ホラ、地図だ。
この場所には坂が有るという。その坂を昇れば、それが何でアレ『一区切り付いてしまう』らしい。
それが恋であれ、愛であれ、日常であれ、物語であっても……ね?
お、弾幕音が聞こえてきたな。此処に留まっていると危険じゃないかい?
僕も店を壊されたくないから、早く出て『坂』を目指すといい。
……ああ、一区切りついたら、またおいで。君は貴重な顧客だからね。お茶と茶菓子で歓迎するよ。
最終更新:2011年11月13日 09:56