紅魔館当主 レミリア・スカーレットの居室

時は既に深夜となっているが、吸血鬼であるレミリアにとっては昼も同然だった。

「お嬢様失礼いたします」

「入りなさい○○」

「はい」

音もなくドアが開き、○○と呼ばれた青年が入ってくる。

青年の瞳は紅く、首筋にはレミリアの眷属であることを示す牙のあとがくっきりと残っていた。

「○○伽を命ずる」

「はいお嬢様」

○○は逡巡することなく服を脱ぎ、手なれた仕草で主人の服を脱がし皺にならないよう畳む。

「さあ・・・満足させなさい○○」


月明かりの中、少女と青年は絡みつく。

レミリアの細い腕が○○を抱きしめる。

男性らしい逞しい腕がレミリアを捕え、より深く○○自身を沈めた。

天使の囀りとも獣の咆哮ともとれる嬌声が木霊する。


まぐわいを終え、レミリアは○○の腕の中で昂った身体を冷ましていた。

ねぇ○○幸せ?

きっと私が尋ねたら○○は悩むことなく、幸せと答えるだろう。

外来人である○○を失うのが怖くて眷属にした。

そのおかげで私は○○を独占できた。

○○は私の望んだことを全てしてくれる。

でも、○○の本心は?

私の脳裏に地下室で残酷な人形遊びに興じる妹の姿が過る。

自分が泣いていることに気づいた

「お嬢様?どうかされました?」

「なんでもないの○○・・・・抱いて○○・・・・あなたのぬくもりで私を満たしてちょうだい・・」

「はいお嬢様」


レミリアは幸福に包まれていた。

この行為がただの「人形遊び」だとしてもこのぬくもりは真実だった。

道に終わりがなければ絶望しない。

「愛しているわ○○・・・あなたが人形になっても・・・・」

○○は笑顔を浮かべ、レミリアを見つめていた。

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最終更新:2011年11月14日 09:45