霊夢/11スレ/344





外来人○○の知る博麗霊夢は、万事そつなくこなす天才だった。

妖怪に追われて神社に逃げ込んだ時、彼女はそつなく妖怪を撃ち倒した。

里の事情により○○を春先まで預かる事になった時、彼女はそつなく○○を受け入れる準備をした。

厳しい幻想郷の冬の間、文明生活とは程遠い生活に途惑う○○を彼女はそつなく指導していった。

春に幾分近付いた頃、彼女は○○の生活を万事怠る事無く世話し続けた。

春が到来し隙間妖怪が冬眠から目覚めた後、人里に留められていた外来人達を彼女はそつなく外界へ戻していった。

梅雨が過ぎた頃、霊夢は○○が住むようになった蔵をそつなく大改修した。

大改修の間、○○からの疑問や懇願を霊夢はそつなく聞き流した。

暑い夏の夜、○○は忍んで来た霊夢に覆い被さられ、互いに相手の性を知った。

霊夢はそちらでも天才だった。男を腑抜けにする技を九尾の狐から教授され、やがて○○は快楽に対し従順となった。

○○の蔵は秘匿され、八雲紫と主従を除き知る者は居なかった。霊夢はそつなく隠蔽を続け誰にも悟らされなかった。

そして数年後、霊夢は女の子を産んだ。父親は紫が呼んだ行きずりの男という設定にされた。本当の父親は○○だった。

娘は1年を神社で過ごした後、後任候補として八雲家に引き取られ教育される事となった。

それで良いのかと問う○○に対し、霊夢は答えた。

私はあの子を愛してるわ、貴方の次ぎにね。

○○は気付いた。
万事に公平な彼女は全てを如才なくこなしてしまう。

そしてその中には、偏愛や狂愛も含まれているのだと。

牢の前で○○の頬を撫でる博麗霊夢は、普段と変わらない。
普段と変わらないまま、○○への愛に狂っていた。


○○は知らない。その愛はまだ加減している状態である事を。

○○は知らない。彼女が内包する、無重力に抑圧されている○○への愛がどれ程のものかを。

○○は12年後、自分の娘が博麗の巫女を継いだ後、博麗霊夢と二人きりの新婚生活でそれを知る事になる。







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最終更新:2019年02月09日 18:43