ドジとヤンデレ
「○○さん!今日もお勤めご苦労様です!」
「いえいえ、星さんも暑い中檀家回り大変ですね。」
虎柄の毘沙門天こと、寅丸星はいつものように檀家回りを終えると命蓮寺の門を掃いている青年に声をかけた。
寺男○○は半月前に幻想入りした外来人で、たまたま滝修行をしていた白蓮に助けられ、ここ命蓮寺に保護された。
寺男の仕事は強制されたわけではなく○○が自発的に行っている。
野心もなく、素朴なところが星の関心を引いた。
「○○さんはお昼はまだですか?」
「ナズーリンさんの提案で流しそうめんですよ。」
食事はみんな一緒で
それが命蓮寺のルール
位の低い寺男の○○が一緒に食卓を囲んでいるのはそういう理由だ
「○○さん、そうめんが無くなりました。申し訳ないですか準備してくださいませんか」
「はい!わかりました。薬味とつゆの補充ももってきますね」
○○が星の近くにお椀を置いた。
(あぁ○○さんの使ったお椀だ~)
何事も目ざとく、口うるさいナズーリンが近くにいないことを確認すると星は自分のお椀と○○のお椀を入れ替えた。
そして中身を咥内に流し込んだ。
(あぁ○○さんの味がする・・・仏に使える身でありながらなんて卑しいんだ)
背筋を走る背徳感に震えながら星は自らの花弁から濃厚な蜜を溢れさせた。
その痴態を一匹の鼠が見ていることを知らずに・・・
皆が寝静まったのを確認し一人の人影が納屋に入っていく。
納屋には既に先客がいた。
「今日もお手柄だったね○○。キミを寺男に推薦した私も鼻が高いよ。こんな戦利品が手に入ったし」
小さな軍師こと、ナズーリン。
その手には純白の褌が握られていた。
熱に浮かされたような表情でそれに舌を這わす。
「ご主人はなんてイヤラシイんだ・・・こんなに溢れさせるなんて」
「ナズーリン様!」
○○がナズーリンを抱きしめた。
ビシィィィィィ!
「あうっ!」
「その顔は尻尾ムチだけでは物足りないようだね。なら・・・」
ナズーリンの顔が○○の肩に近づく。
そしてそのまま齧りつく。
「うぐぅ!」
「うるさい猿だな!これでも噛んでな!お前のようなクズを愛しているカス虎の味をあじわうがいいさ!」
○○の口に星の褌を押し込み、そのまま嬲りつづける。
「この傷は納屋を掃除して怪我したと、明日星に言うんだ。いいね?」
「ハイナズーリン様」
「うまくいったらまたご褒美をあげるからね」
青き月に照らされた○○の顔からは快活さはなく、沼のように淀んだ瞳がナズーリンを見つめていた。
最終更新:2011年11月23日 13:51