それから何度も聖は○○の記憶を書き換えることとなった。
聖が○○に植えようとする楔は中々食い込まなかったからだ。
そして、浅く刺さった楔は○○をいたずらに傷つけ、暴れる原因ともなった。楔が外れようとする際の○○の奇行は常軌を逸していた。
ある時は、笑顔を張り付かせたまま殴りかかったり。ある時は、命蓮寺に火をつけようとしたり。
またある時は、敷地内に響き渡る悲鳴を上げたかと思えば、泡を吹いて卒倒したり。
発作的に○○が起こす凶行、奇行。その度に誰かが○○を羽交い絞めにして取り押さえていた。
失敗続きだった。早い時は数時間、持っても数日と言う有様だった。
そして今日も、もう何度目かの失敗を示す○○の発作と凶行が合った。
星と一輪が暴れる○○を取り押さえているのを。鵺に両脇を抱えられる形で、村紗は能面の表情で見つめていた。最早涙も枯れ果てた。
星も、一輪も、そして
ナズーリンも。○○の発作から来る凶行に対して明確な反撃を見せていた。
もちろん、手加減はしている。それ所か○○の凶行は彼女達人外の者にとっては取るに足らない足掻きでしかなかった。
殴りかかってくれば腕を後ろにひねり上げれるし。蹴りかかってきた足を掴んで転ばせる事も造作なかった。
聖も、○○の拳や足を紙一重で避けて。癇癪持ちの子供を落ち着かせるように抱きしめる事ができた。
ただ、村紗だけは。村紗だけは○○の凶行に対して反撃を躊躇していた。
避けるか、防御するか。他の三人のように“また失敗か”と言う表情や呟きとともに一閃を見舞う事は絶対にしなかった。
最近では避けることすらせずに防御一辺倒だった。
涙は枯れているが、情は枯れていなかった。
星や、一輪が、ナズーリンが。何の躊躇も無く○○に反撃するのは。一番最初に自分が殴り飛ばしてしまったから。
そういう自責の念があるから、どうしても反撃できなかった。しようとも思えなかった。
その殴り飛ばしてしまった事への後悔は、○○の攻撃を避けると言う選択肢も村紗から奪った。
暴れる○○の動きは。その動きこそ単調で粗雑でまるでなった物ではなかった。
武道の経験が無い村紗ですら、目で追えるし、二人のように赤子の手をひねるが如くあしらえる自信があった。
しかし、単純な力の方は少し話が違った。
○○は取り押さえられる前から聖より法力の指南を受けており、その下地が出来上がっていた。
そして度重なる記憶の改ざん。それも、もちろん聖の法力で行っている。
その副作用なのか、もう○○の腕力や脚力は人間のそれをはるかに超えていた。
平時には隠れているが、発作から来る恐慌状態のときに○○の力は全開放されていた。
防御をしている村紗の腕にもビリビリと振動が伝わる。長袖で隠してはいるが、服の下には青あざが常に出来上がっていた。
だが、その痛みをそして傷を村紗は甘んじて受け入れていた。これから何度○○が暴れようが反撃をしないと村紗だけは心に誓っていた。
「見てられない」
絶え間なく続く攻撃を防御し続け。腕のしびれすら感じなくなった頃、村紗の頭上から鵺の声が聞こえてきた。
そして、村紗の体はグイっと空へと引っ張り上げられた。
勿論、村紗を引っ張り上げたのは声の主である鵺本人であった。
「見てられないよ、村紗」
「反撃しない気持ちは分かるよ。でも食らい続ける事も無いんじゃないの」
疑問を呈する形ではなく、かなり強い口調で言外に逃げる事を勧められた。
実際、鵺は○○が引き起こす発作と凶行に出くわした際。一目散に空へと逃げていた。
幸いにも、○○はまだ飛ぶ事を覚えていない。だから確かに、そちらの方が理に叶った動きだ。
村紗はその逃げの一手を、勿論とうの昔に思いついていた。しかしそれを村紗の中にある罪悪感が許さなかった。
だから、村紗は○○からの攻撃を、防御しているとは言え受け続けていた。
「何で村紗がそんなに罪悪感を感じなきゃいけないのさ。何で村紗だけがそんな痛い思いをする必要があるのさ」
「でも・・・○○は里の人間から、そして今度は私たちからも痛めつけられてるんだよ」
「それとこれとは話が別!大体元凶は里の方にあるんだから。村紗は何も悪くない!」
口論を続ける村紗と鵺。その下では降りて来いとでも言っているのか。○○が言葉にもならない奇声で、こちらに向ってわめき続けていた。
そして駆けつけた星が、一輪が。また○○を地に叩き伏せ、羽交い絞めにした。
もう何度目なのだろう、この光景も。
今回は上空からと言う新しい条件が付いたが、それ以外は今までとなんら変わりが無い。
そして今回は遅れてやってきた聖の手により。また○○の意識は混濁する。
○○が動かなくなった事をしっかりと確認してから、鵺は村紗を地上に降ろした。
「次見かけたら問答無用で引っ張り上げるから」
降ろしてくれる際、鵺からはこう付け加えられた。先ほどと同じく、かなり強い口調で。
村紗の心のうちは見透かされていたようだ。相変わらず○○からの攻撃を受け続けようと考えている事を。
「すまない、遅れてしまった」
「いえ、二人いれば十分でした。ナズーリン、○○をいつもの部屋へ。私は道具を用意してきます」
遅れた事をわびるナズーリンに星は○○を預け、いつもの部屋に運ぶように指示する。
そして星は、いつも使う道具を慣れた手つきで運び出している。
一輪もそれに何の疑問も抱かず手伝う。村紗はこの用意が手馴れたものになっていく自分に強い嫌悪感を覚えていた。
「○○・・・ごめんね。失敗ばっかりで」
聖の顔だけは悲しそうだったが。どうにも論点がずれている。
謝罪の意を示しているのは、○○の記憶の改ざんに失敗した事に対してであって。
○○の記憶を改ざんする事には微塵の迷いも無い。
「絶対・・・絶対成功させるから・・・・・・!」
そうして何度目かの。○○の記憶を改ざんする術式が開始された。
聖が○○の手をかざす際、大粒の涙を見せていた。村紗以外の三人も沈痛な面持ちであった。
「千年分の記憶ですからね・・・どうしても矛盾が生じてしまう」
ガリガリと頭をかきながら、ぶつぶつと呟きながら。星はまた自室へと篭った。
最近の星は○○の記憶の改ざん中は。聖の妄想の産物である思い出帳を元に矛盾無く○○の記憶の原案を作る事に執心していた。
時折ナズーリンや一輪、勿論村紗にも。この内容で大丈夫なのだろうかと意見を聞いてくる。
それに対して村紗は「大丈夫だと思うよ」と言った場当たり的な意見しか言う事しかできなかった。
村紗以外の全員が、○○の記憶の改ざんを上手く行かせる事に必死であった。
村紗の心の内を把握しているのは、もう鵺だけであった。
「頭がボーっとするんだ・・・一個の事を考えにくい」
「体調を崩してるんじゃないの○○。しばらくゆっくりしたら?」
「頭が痛いとか体がだるいってのは無いんだけどね・・・・・・何だろう変な気分が収まらない」
改ざん、発作、意識の混濁、また改ざん。これの繰り返しで○○の気分は優れない日々が続いた。
今では違和感と心のモヤモヤを抱えたまま。妙な表情を浮かべるのが基本となっている。
それに対して聖は横に付き添い、それとなく○○の答えを、そして行動を誘導していた。
それでも、四六時中○○の横に聖が横に付き添う事は不自然だった。
○○に植え付けた記憶に準ずる行動をしなければ。○○に打ち込んだ楔は簡単に外れてしまった。
だから仕方なく。日々のお勤めなどの際、聖は○○から離れざるを得なかった。それは他の物も同様だった。
無理に○○と聖を一緒にし続ければ、それ自体を○○が怪しみ。またいつも通りの展開となった。
○○の心の安定と、記憶の矛盾の解消。これを両立しなければならなかった。
発作は、大体その時に起きる。しかしもとの平穏さを取り戻すには、例え○○が一人きりでも発作を起こさないと言う条件が必要だった。
○○は相変わらず気分が優れなかった。
頭が痛いわけではない、体がだるいと言うわけでもない。
考えがまとまらない。一つの事を考えていても、前から後ろから横から。いろんな物がぶつかってくる。
そんな表現をするしかなかった。一番近い適切な表現は考えがまとまらない、ではあるが。とにかくそれ以上の何かとしか言いようが無かった。
「掃き掃除でもして体を動かそうか・・・」
じっとしていると、却って○○の気分は悪くなるばかりだった。
何故だか分からないが。この部屋に余り長くいたくなかった。
この時の○○は覚えていないが、聖が○○とすごす為に選んでいるこの部屋は。
まだ平穏な日々をすごしていたあの時。○○が聖からの法力を教授するのに使っていた部屋だった。
○○の心の底にある不快感の原因はそれだった。
聖にとっては、この部屋に一番思い出が詰まっている。しかし、○○は違う感じ方をしていた、無意識のうちに。
気分転換の為に外に出た○○は、境内の一角にあった小屋からほうきを見つけ、掃き掃除を始めた。
ちり取りも持たずに。ただただ、そこらに散らばっている落ち葉を何となく一箇所に集めるだけであった。
体を動かしていても気分は一向に晴れようとはしなかった。
ぐるぐると。頭の中身が回転しているのが分かる。時折めまいにも似た感覚で、○○は目頭を押さえ棒立ちとなっていた。
「少し顔を洗いに行こう」
○○は頭をふって、気分を変える為に掃除の方を早々に仕舞いとした。
「・・・・・・あれ?」
頭を振った際。○○の視界に蔵が目に入った。
カツンと音を立てて、ほうきが石畳の上に落ちる。
その音に気を取られる事も無く。ほうきを片付けずに置いていってしてしまう事も気にせず。
○○は目に入った蔵の方へ足を向けてしまった。
折角一箇所に固めた落ち葉を踏み荒らす事にも○○は気づかず。蔵への最短距離を歩いていく。
ふらふらと、何かに取り付かれたように。そして○○は蔵の中へ入っていった。
気を紛らわす為外の空気を吸おうと、村紗は境内に出た。
そして目にした、石畳の上に置きっぱなしのほうき、不自然な散らばり方をする落ち葉。そして開け放たれたままの蔵の扉。
その境内の姿。○○がまた発作を起こしたことは明らかだった。
村紗の表情が一気に強張り、ほうきなどには目もくれずに例の蔵へと走り出した。
○○が息を潜めていた。そして○○の運命が決したあの蔵へと。
蔵の中、明り取りの窓の近くで○○は、頭を抱えながらうずくまっていた。
呻き声の一つももらさずに、ただただじっとうずくまっていた。
「○○・・・?ねぇ○○聞こえてる?気分が悪いならこんなとこじゃなくて部屋で寝た方が・・・・・・」
村紗は声をかけながら○○へと近づく。近くによると、○○の体がぶるぶると震えているのが確認できた。
「○○、寒いの?だったらなおさら部屋に戻った方が・・・・・・」
出来るだけ刺激しないように、優しい口調と言葉を持って。村紗は○○の肩に手をかけようとした。
「ヒッ!?」
―触るな。
恐らく○○は口を動かすだけで、声帯は声を発していなかった。それなのに村紗は確かに、その声をはっきりと聞いた。
その声なき声を発した○○の形相は。あらん限りの敵意に満ちた鬼の形相であった。
その鬼の形相に、村紗の口からは短い悲鳴が漏れた。
○○はその鬼の形相を維持したまま、恐怖で硬直した村紗の手を掴んだ。
「うぐ!!!」
掴まれた手に激痛が走った。ミシミシと骨がきしんでいる様な感覚だった。
○○に植え付けたはずの楔は、またどこかに飛んでいってしまった。
そしていつもと同じように○○は暴れだした。
「―!!~~!!!!」
本当に人間の声なのか。それほどまでに大きな声を轟かせながら○○は暴れた。村紗の腕を握り締めながら。
○○は、村紗が腕を握りつぶされるのではないかと。そう思うほどの怪力で握り締めていた。
「痛い!痛い!!○○離して!!大人しくしてぇ!!」
蔵に備え付けられた棚に体をぶつけられ。その衝撃で上から物が落ちてきたり。そして怪力を持ってして締め上げられる腕。
村紗は○○からの攻撃に全く防御が出来ずにいた。
相変わらず、○○は化物じみた声を轟かせながら暴れ狂っている。この声は間違いなく皆にも届いているであろう。
皆すぐに駆けつけてくれる。だがその“すぐ”が、村紗にとっては長く感じられた。
「―!?」
村紗は自分の顔面を狙っているであろう、○○の握り締められた拳を視界の正面に捉えた。
今の○○は今までとは比べ物にならない強さで暴れている。
○○は恐慌状態でありながら。自分に対する明確な殺意を発している。
この拳が自分に叩き込まれれば。ただではすまないことを村紗は直感した。
同時に。村紗の目に映った、鬼の形相を浮かべる○○の顔が。ほんの少しだけ笑っているように見えた。
きっと自分を殴り飛ばすことを考えて笑っているのだ。今度は自分が殴り飛ばす番だと思って笑っているのだ。
そして。○○の拳は加速を得た。
そのあらん限りの力で握り締められ、可能な限りの加速を得た○○の拳は。
空を切った。村紗の顔面ギリギリの所をかすめる様に。
かまいたちと言う奴なのか。村紗の頬をかすめる○○の拳は、その皮膚を裂いた。
しかし、それだけだった。とても致命傷にはなり得ない傷だった。
変わりに、村紗の拳が。また○○の顔面にめり込んだ。
今度の村紗が放った一撃は。あの時とは違った。
あの時は手加減を出来るだけの余裕があった。とにかく○○を大人しくさせる為の必要最低限の一撃だった。
しかし、今回の一撃は。本気だった。手加減をする余裕など、あるはずも無い。
人外としての。本気の一発だった。
その拳を食らった○○は。握り締めていたはずの村紗の腕も放してしまい。開け放たれた蔵の扉からすっ飛んでしまった。
そしてまたゴロゴロと。今度は固い石畳の上を転がり。木の根元にぶつかるまで、転がり続けた。
その一発は反射的な動きだった。命の危険を感じた村紗が、条件反射で動いて、出してしまった物だった。
彼方で木の根元にぶつかり、ぐったりとして動かない○○を見ても。村紗の涙腺は緩まなかった。
出るのは乾いた笑いだけだった。
そして憎悪。里に対する憎悪の炎が燃え上がった。
何故自分がこんな思いを。命の危険を感じなくてはいけないのか。
○○が見せた鬼の形相は、敵意は、殺意は。里の者に向けられるべきではないのか。
何故あいつ等は、○○をこんなにも痛めつけながら。○○を命蓮寺に担ぎ込むだけで、何もしないのか。
何故、最後の。一番しんどい部分を命蓮寺だけでやっているのか。
優しくて、朗らかで。聖とはお似合いの夫婦となれるであろう。なるはずだった○○を変えてしまったのは。
里の方じゃないか。
次に出てきたのは、○○に対する同情心と。○○の境遇を悲しむ感情だった。
握りつぶされるかと思った腕の痛みも。頬から流れ出る血も。しこたま打ち付けられた体の傷も。
全て瑣末だった。○○の置かれた今の境遇と。心の傷を考えれば。
それを考えても、村紗の涙腺は乾いたままだった。
変わりに出てきたのが決心だった。せめて、マシな方向に○○を導こうと。
そうする為に村紗の考えた、始めの第一歩は。片付けるべき物は、今目の前にあった。
境内に飛び出した聖が最初に目にしたのは。彼女のトレードマークであり、弾幕の際にも使用される錨をもってして、例の蔵を打ち壊す村紗の姿であった。
傍らでは鵺が頭を抱えて座り込んでいた。近づいた際「一緒にいくべきだった」と蚊の鳴くような声と共に泣いていた。
村紗と鵺が作り出していた光景は異様だった。
聖はまず落ち葉を枕代わりにして寝かされている○○を抱きかかえた。それから、恐る恐る村紗に声をかけた。
近くにいた鵺には何を問いかけても「村紗に聞いて」としか答えなかった。
「む・・・村紗?一体何をしているんですか・・・・・・?」
聖の声を聞いた村紗は、蔵を壊す手をピタリと止め。クルリと聖の方を向いた。
その顔はある種の興奮状態にあった。息も荒く、目は大きく見開かれていた。そして。
「無かった!こんな蔵、最初から無かった!!」
とても大きな声で、何となくずれた答えを聖に返した。
「全部壊そう!!○○が不安になる物は全部壊してしまえばいいんだよ!!」
「こわ・・・す?」
村紗は聖の答えも聞かずにとにかく自分の考えを喚き散らしていた。
「そう!!そして今○○が一番怖がる物がこの蔵だよ!!だから壊す!!」
「聖!命蓮寺の間取りも全部変えよう!!○○の為に全部変えてしまおう!!」
「良いかも知れませんね」
聖の後ろから、星が近づいてきた。その星は、村紗の考えに全面的に賛同していた。
「○○の心には・・・想像を絶する大きな傷が付きました。そしてこの蔵はその傷の象徴です。壊してしまいましょう」
「そして・・・この蔵ほどではないとは言え、何処に傷を呼び起こすものが転がっているか分かりません」
星は一呼吸置き。境内、命蓮寺の本殿、そして半壊状態の蔵を見渡した。
「いっそ命蓮寺の景観も全部変えてしまいましょう。何か建物を新しく作るのも良いかも知れませんね」
「それから聖!聖は○○の事大好きだよね!?」
「当たり前です!」
○○に対する好意に関して。聖は即答で村紗に答えた。
「○○も聖の事が大好きなんだから・・・・・・じゃあもう夫婦でいいじゃない!!」
「夫婦なら一緒の布団で寝ても良いんだから!!聖も一杯○○と接吻すればいいんんだよ、これから!!」
○○との接吻、そして寝床を共にする。
それは詰まるところ、○○と聖が恋仲からもう一歩進む事である。
それを想像した聖は、急にもじもじと気恥ずかしそうにしていた。
「姐さん、何も恥ずかしい事なんてないわ」
「間取りを変えるんなら・・・夫婦の部屋も必要だな」
後からやってきた一輪も、そしてナズーリンも。村紗の思い付きを妙案として受け取っていた。
「一杯仲良くすればいいんだよ!!お互い大好きで相思相愛なんだから!!何にもおかしくないよ!!」
「ナズーリン、ついでにここの景観も変えてしまおうと思うのですが」
「ああ、妙案だと思うよ。資材はどうする?」
「明日にでも里の方に行くわ。何とかなるでしょう」
「と言うより、何とかさせましょう。ナズーリン、景観の方はお願いします。私は命蓮寺の間取りを」
とんとん拍子で話が進んでいった。
聖は○○との甘い生活を夢想しているのか、相変わらずもじもじしていた。その顔を赤らめながら。
その様子と。遂に情が枯れて、壊れてしまった村紗。その二つを見ながら、鵺は頭を抱えるしかなかった。
最終更新:2011年11月26日 10:54