人里の離れに札が大量に貼られている一軒家があった。
村人は気味悪がって誰一人行かないが一人だけ・・・いや半人半獣はその現在の家主の家のドアに貼られている札を無理矢理剥がし家に入った。
『ねぇtさん!今日ね---
『ハhハソうかそうカ!よし!ナr父sんが---
『あらあらウフフ---
茶の間に小さい男の子とその男の子の父親と母親達が話している途中に言葉がノイズの音になっているが親子はなんも疑問も持たず話している。
女性はその光景を見てため息をつき茶の間の隅っこにいる家主のとこに歩く。
「大丈夫か?」
女性こと上白沢慧音は顔を伏せブツブツと呟いている頭に片角生えている男を心配しながら頭を撫でようとする。
「----・・・!触るな!!!」
バチン!っと手を払いのける。
「すっすまない・・・」
「なんのようだよ!帰れよ!笑いに来たのか!?あいつらみたいに!!!」
狂ったように○○はブツブツと怨み言を喋る。
「なんでだよなんでだよなんでだよなんでだよなんでだよなんでだよなんでだよなんでだよなんでだよチキショウやっと帰れると思ったのになんで化物なんかになったあげく金をあいつらなんかに!!!」
「・・・すまない」
「それにたいしてあんたはいいよなぁ?俺は満月以外はずっと“コレ”だぜ?・・・ただ片角生えただけだろ!?それだけで俺は!俺はぁ!」
「すまない・・・」
慧眼はただ謝る。
「なぁ・・・謝まらないでくれよ・・・なぁ殺してくれよ・・・外に帰れるのが潰された俺はもうこんなとこに生きたくないんだよ・・・なぁ俺の存在ごと殺してくれよぉあんたならできるだろう?なぁ頼むよ・・・」
○○はさっきと変わり弱々しい態度で慧音に縋りつく。
「!!そんなことできるわけないだろう!!!」
「頼む・・・頼むよ・・・俺はクズなんだ・・・俺一人いなくなってもまだまだ餌は沢山いるんだろう?なら存在ごとじゃなくてもいい・・・俺を殺してくれ・・・殺してくれよぉ何回死のうとしても死ねないんだよぉ・・・」
頭を抱えながらすすり泣く○○をぎゅと抱きしめる。
「大丈夫だ・・・私がいる・・・お前を一人にはしない・・・たとえ他のがお前を忘れようと私だけがお前を覚えてやる・・・一生お前を覚えてやる・・・」
滑稽かな○○は一時の安息を得たが彼女は彼の見えない位置で笑っているのを見たら○○もその安息は罠でしかないというのを気づけたかもしれないといのに・・・


「なぁ・・・離れてくれ」
「あっああすまない」
冷静になった俺はまずそう言い上白沢さんが離れる。
「そっそうだご飯はあれから食べたか?」
「・・・なにも食べたくない・・・」
「・・・すぐ作る・・・食べろよ?」
彼女の睨みで食べなければいけないと危機感が騒ぐ。
そもそも俺がこんなとこに居るのは俺の能力と“コレ”のせいだ。
ある日突然俺の家に人が居た。
俺は当然驚いてまばたきをしたら人が居なくなったので当時の俺は疲れてるんだろうと思った。
それからだろう
俺の周りに少しずつだがノイズの音がし人、動物あらゆる生物が半透明に次第に実物になっていった。
『生物の歴史を見せる程度の能力』俺が家に隔離されて初めて話した上白沢さんが付けた能力である。
といっても自分は能力をコントロールできていないしハクタク?になった俺は村人に隔離されたのである。
なに一人の元人間に隔離してんだよと言われればその通りである。
「ほら、出来たぞちゃんと食えよ?」
半獣になってから体にも変化が起こったまぁ少ないが一つ目は寿命が延びたらしい。
二つ目は死ににくなった何回死のうとしても死ねないのである。
最後に空腹感がなくなった。
まあ何が言いたいかと言うと
「腹が減ってない」
そうまったく空腹感がないのだ。
「それでも食え」
・・・彼女は頑固らしい。
「なんなら口移しで食わせてやろうか?」
前言撤回
「・・・食う」
「よろしい」
彼女は何故か俺をしつこく構う。
村人は時々俺がいつ死ぬか様子を見に来るだけだが。
彼女は必要以上に毎日俺の様子を見にくる。
正直鬱陶しい。
「うまいか?」
彼女はいつもそわそわしながら俺にそう言う。
「うまい」
「そっそうか!」
いつも通りに言い彼女は嬉しそうに笑いながらご飯を食べ始める。
・・・なぜかデジャブを感じる・・・“いつも通り?”。
「大丈夫か?」
彼女は心配しながら手を当てる。
「・・・大丈夫だ」
「ん、そうかところで何考えてたんだ?」
彼女は笑いながら聞く。
「いや何も考えてないが・・・」
「そうかそうか」
彼女は満足そうに笑った後再び箸を伸ばした

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最終更新:2012年02月18日 16:06