霧の湖に立つ紅の館 紅魔館
その客間にはそうそうたるメンバーが揃っていた。
彼らは個々が異変を起こせる実力者であるということの他に、元外来人の伴侶を持っているという共通点があった。

「では定例会議を始めます」

妖怪の賢者の厳かな声で会議は始まった。

「報告を」

元孤独なサトリ妖怪 古明池さとりが報告する。

「件の幻想ガジェットは人里の人気スポットや広告収入で安定な収支を報告しており、当面は資本注入は必要なく感じます。また彼らの一部は戦闘訓練を行っておりますが、脅威とはいえません。」

「彼らの新聞は意外と人気なようね。あなたの新聞もうかうかしてられないかも?」

「あややや。これは心外ですね。彼らの新聞は新聞よりも娯楽誌といったほうがいいですよ?まぁ彼らの暗号には舌を巻きましたが」

彼女たちの前には彼らの仲間が発行している新聞があった。
稗田家に婿入りした男が作成している裏幻想郷縁起も広げられている。
どれも境界が弄られ暗号の意味を為していない。
つまり、彼らの行動は全て彼女達にとって筒抜けだ。

伴侶達が外来人支援組織を結成し、外来人達を救い出してもそれは幻想郷にとって害はない。
天狗の伴侶が発刊している新聞は天狗や賢人会議のメンバーにメディアを支配する力を与え、サトリの夫がスパイした情報をさとりが密かに読み取り賢人会議に報告することにより、幻想郷を破壊する輩を刈り取ることによって幻想郷を守ることに繋がる。

「では夫たちの戦争ゴッコは現状維持で」

「「「「「「異議なし!!」」」」」

「できる妻は夫の道楽に付き合うのも甲斐性よね」

「ほんとほんと!カルパーリングなんて今どき中二病でも考えないわよ?」

「いや実際にあったわよ。あの頃のアメリカはよかったわ。ウィスキ一瓶で馬車一杯の処女や童貞の血肉が手に入ったから。」

会議は時間通りに終わった。
彼女達は伴侶の元に戻り、彼らに愛を囁くだろう。
そして彼女達の伴侶は細心の注意を払いながら、なおも「戦争ゴッコ」に打ち込むだろう。
残酷な真実を知らずに・・・・

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最終更新:2012年02月18日 16:22