「俺は治ったんだ・・・・そうだ・・・・女医にも言われた・・・薬も飲んでいる・・俺は正常だ・・・」

男の名前は外来人の○○と言った。
長期間療養していた彼はやつれ果て、幽鬼じみた風貌へと変わっていた。
彼は療養所から長屋へと重い足取りで向かっていた。
○○は不意に道を歩く少女たちの豊かな尻や頭を舐めまわすように見ている自分に気付いた。

「ああまただ・・・・くそ!薬を・・・薬を飲まなければ・・・・!」

○○は震える指で薬瓶の蓋を回すと、量を見ず口に流し込む。

一月も部屋も開けたというのに、○○の部屋は綺麗だった。
おまけに、この季節に嬉しい炬燵まで用意されていた。

「暖かい・・・・・ああ癒される・・・」

母親の抱擁のような炬燵に包まれ、○○はこれまでの事を思い出していた。

ある病に罹患し、「あるもの」を求めずにはいられなくなってしまったこと
そして「あるもの」を提供されることを条件に性奴隷をしていたこと
それを知った人里の守護者に助けられ、療養所に収容され病が完治したこと

「これで俺は人並みに生きら・・・」
「それはどうじゃな」

○○は自分の耳を疑った。
彼が性愛の奉仕をしていた人物は○○が助け出されると同時に幻想郷から姿を消した。
もとより外から自分の意思で入ってきた人物である以上、また幻想郷から出てもおかしくはない。
永遠亭の女医が彼を退院させたのはそれが理由だった。

「どこだ!頼む!俺をまた奈落に落さないでくれ!!!!!!!」
「ここじゃよ!」

もぞもぞと炬燵が蠢き、茶色と橙色のもふっとした尻尾に変わる。

「落すも何も自分で望んだことじゃぞ?ほれほれ!」
サドの二つ岩こと 二つ岩マミゾウはその豊かな尻から生えた尻尾を○○に突出し左右に振る。
「うぁぁぁぁっぁ!もふもふもふぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
○○は猫が魚に飛びかかるようにマミゾウの尻尾を抱きしめる。
「ふふふ・・・そうがっつくでない。これからもふもふの真髄を叩き込んでやるからのう・・・・」

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最終更新:2015年05月06日 20:45