『もしもこの日記を読んでいる奴がいるなら一つだけ約束して欲しい。
これを読んでいるのが俺、つまり○○の友人ならば俺の事を起こさないでくれ。
○月△▼日
今日はひたすら雨だった。
結構強い豪雨で、外出などもっての他。
しかたないので惰眠をむさぼることにした。
良い夢を見られるだろうか?
○月△▽日
今日も雨だった。
昨日ほど酷くはないがそれでも外出はできなさそうだ。
ずっと眠っていたので身体が少しだるかった。
そういえば昨日は何の見たか思い出せない。
だから更に眠ることに決めた。
○月△◇日
今日も雨…。
こう連日で雨が降ると活力が失われる。
仕方ないので家の中で軽く運動していたら右手を強打した。痛い。
色々やる気が無くなったので寝る。
そういえば昨日の夢は少しだけ覚えているんだが。
ソレが本当に少しで分からない。
覚えているのは羽?みたいなの。
○月△◆日
今日はやっと晴れだった。
よっしゃぁ!と思うもつかの間、道は連日の雨でぐっちゃぐちゃ。
それでも少しだけ外に足を踏み出したがぬかるみが酷過ぎて危うく泥にダイブしそうになった。
仕方なく家で待機。
夢の方は少しだけ覚えている。
こう、羽というよりも翼?みたいのなの。
○月△○日
………雨。
しかも雷雨。
寝る。
夢の方は何故か連続で同じ夢を見れている気がする。
真っ白な翼が印象的だった。
○月▽?日
やる気が起きない。
仕方が無いので寝る。外は雨。
夢は順調、天使のような白い翼を今でも覚えている。
鳩か?
○月▽□日
晴れ。
さすがに何日も外に出ていないので出てみた。
一歩外に出たら足が滑って泥にダイブ。
寝る。
夢では金色の髪を一瞬見た気がする。
最近は夢の事ばっからが仕方が無い、やることが無いんだもの。
○月▽△日
痛ぇ。
どうやら寝違えたようだ。
外は雨。
もうずっと外は雨続きだ。
仕方なく俺は寝る。
そう言えば今日は良い夢を見た。
金髪の少女の夢だ。
もっとも本当に見ただけなのだが。
というより何も出来なかった。すぐに目が覚めたのだから仕方が無い。
○月▽▲日
仕事帰り。
久々の仕事は体力仕事。
このところ寝てばっかだから全然ダメだった。
身体がなまってる。
最近やけに眠い、ずっと眠りたい気分だ。
夢では例の少女が現れた。
何か驚いている様子だったが所詮俺の夢だ。
なんとなく「かわいいな」とだけ言うと眼が覚めた。残念。
○月▽▼日
やべぇ、寝過した。
目が覚めたら外は夕陽だった。
諦めよう、昨日の事があるので俺はしっかり運動してから寝た。
そういえば夢の少女に会うなりひっぱたかれた。あれ?
そして目が覚めたので二度寝しようとするがなかなか寝付けなかった。
頬が痛い。
~~~~~~~~~
□月○日
あれから数カ月たった。
今日までつい日記のことを忘れていたのでまた書くことにする。
体力を戻した俺はつい張り切り過ぎて体力を使い果たした。
疲れた俺は風呂に入った後惰眠をむさぼる。
ここ数日、あの夢の少女の事なぜか忘れられない。
□月?日
今日は休日。
しかし全身筋肉痛になってしまったので寝る。
そういえば夢で久々に少女に会った。
なんか信じられないモノを見たような眼で見られた。
ちくしょう、俺の夢のくせに生意気な。
□月□日
今日も休日。
そして今日も筋肉痛。
ちくしょう。
夢の少女は改めて思い出すととてもかわいかった。
しかし俺は決してロリコン趣味ではない。
そんな事を夢の中で叫んでいると後ろから顔を真っ赤にした少女に殴られた。あれ?
▼月▽?日
いかん、ついまた日記をサボってしまった。
それはそうと俺は最近、幻をみるようになってきた。
おっと、誤解しないでくれよ?おれは至って正常。……と言ってもみんなそう言うだろうな。
まぁいい、そんなのはよくあること。
問題なのは例の夢の少女が一緒にいるような気がしたんだ。
しかしそこに意識をやるとやはり何も居ない。
疲れているのかな?
~~~~~~~~
◆月○日
……サボり癖が付いてしまったようだ…。
まあ、ちゃんと読んでくれ。といっても読むのは俺だがな。
さて、以前書いた様に俺は最近幻をみるんだ、いや…前よりもひどくなっている。
夢から覚めてもまだ夢の中にいる様な感じにな。
最初の頃はただ寝ぼけているだけだとか見間違いかと思ったんだが違う。
はっきりとソレはいるんだ。
~~~~~~~~
……気付けば日記の最終ページを使いきっていた。
仕方が無いので適当な紙に書く。
以前、俺が幻を見るとか書いていたと思うが……。
うん、書いている。確認した。
最近その少女に羽があるように見えてきた。
いや、羽というより翼か…真っ白な天使のような。
思わず綺麗だなと思ってしまったがこれが幻なのがとても悔やまれる。
ちくしょう。
~~~~~~~~
……眠い。
圧倒的に眠い。
外の音が煩わしい。
寝る。
そいえば最近例の少女の姿を見かけなくなった。
まぁ、幻だからその内消えるんだろうなとは思っていたが、ちょっとさみしい。
そう思っていると一瞬少女が見えた気がした。
~~~~~~~~~
久々に起きている間に少女の幻を見た。
色々俺も末期かと思っていると少女は俺に何かを言おうとしていた。
幻を見るのが幻視なら、その言葉は幻聴か。
なんとなく少女を撫でてみようと手を伸ばすがその手は宙を掻くだけで終わった。
やはり触れないのか…、残念だ。
こんなに綺麗で可愛いのにな。「名前は?」と聞くと小さく名前を言ったような気がする。
まぁそんな感じの事を言うと少女は顔を真っ赤にして消えてしまった。
可愛い奴め。
~~~~~~~~~
う~ん。
俺は今どっちにいるのだろうか?
と言っても解らないだろうから一応書き記しておく。
こっちが夢なのか現実なのかが解らない。
たぶん、白昼夢?みたいなのに成ってるんだと思う。
今いる場所は俺の部屋なのだが、雰囲気が全然違った。
中々に心地よい雰囲気だったのでそのまま眠る。
白昼夢で更に眠る俺、すげぇ。
一瞬少女を見た気がしたが意識が途切れた。
~~~~~~~~
うーん。
昨日の書き込みが見当たらない。
やっぱり夢だったのか。
気付けば時刻は真夜中。
寝る。そういえば最近人にあって無い気が…。
~~~~~~~~
なんだか、現より夢の世界の方が心地よい。
よし、………これでよし。
一応此処にも書いておくが経った今日記の表紙に
『もしもこの日記を読んでいる奴がいるなら一つだけ約束して欲しい。
これを読んでいるのが俺、つまり○○の友人ならば俺の事を起こさないでくれ。』
って書き込んでみた。そうだ、ついてだから……。
『こんな現実よりも、夢の世界であの子と戯れる方が楽しい。
あと俺はロリコンでは決してない。』
よし、裏表紙にはこう書いてみた。なんか格好良く見える俺はおかしいのかもな。
さて……おれはもう寝るか…。あの子に会えるかな、できればずっと一緒にいたいな……幻月』
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○○はそれまでの日記に今までの日記代わりの紙を挟み込んで眠りについた。
白い羽が○○の手の上に乗るが眠りに落ちた○○は気付かない。
その日記を手に取り、最初のページから挟みこんだ日記まで全てを読む者がいる事にも。
その日記の拍子に書かれた文字を見て思わず笑みを零す少女。
その背中の白い翼は、○○を包みこもうとする。
「『こんな現実よりも、夢の世界であの子と戯れる方が楽しい。』…か。こっちの世界より私たちの世界が良いだなんて、なかなかに見る目あるじゃない。
ふふ、貴方から願ったのだから連れていってあげるわ…、でももう帰れないけどね…。
ねぇ、○○?ずっと一緒にいましょう?だって、私もそれを望んじゃったんだもの……♪」
少女は、眠り……目覚めることを知らない○○をお姫様だっこで持ちあげると、その唇を重ねて消えた。
その後に残されたのは白い羽と、○○が書き記した日記だけだった。
最終更新:2012年03月12日 19:14