東方人気投票と幻想郷


東方人気投票

多くの人妖を興奮と狂気に巻き込んだこのイベントがあともう少しでフィナーレを迎える

人外の伴侶を持つ夫たちには新たな絶望を運び

多くの人外は敵対する者より順位が上がっていることを喜ぶ


強欲巫女はいつもの「お布施」という名の帰還費用を50%引きで引き受け

敵対する神社の風祝は妖怪の山の通行パス及び中級の妖怪でも倒せる破魔矢を無料配布している



「と、いうわけで」

「君はまたお茶をたかりに来たのかい?」

「仕方ないだろ。内に居たら選挙活動しろと五月蠅いからな」

「まあ、君の妻レミリアさんには世話になっているからね。お茶位なら出すさ」

「君はやっぱり幻想郷の良心だよ」

「でも彼女でも投票の順位が気になるのかい?」

「いつものプライドの問題だろうな。だから他の妖怪みたいに有権者に媚びることはしない」

「でも君には選挙活動を強要するんだろ?」

「愛されていると思いたいのさ・・・・」


様々な器物に包まれた店内でお茶を啜る音が響く


「君、投票用紙はあるかい?」

「ああ・・・・」

「少しでも君の負担を軽減させたいだけさ」


古い万年筆で名前を書く


「ありがとうなこーりん」

「いやいいよ」


男はかけてある黒いローブを羽織るとドアを開いた
漆黒の影を引きずりながら

「今度は妻と一緒に寄らせてもらうよ」

「ああ・・・奥様を大切にした方がいいよ」

「どうしたんだこーりん?」

「いいや・・・なんでもない」


霖之助はいましがた見た光景を思い出していた

○○の影に潜んだレミリア

その満面の笑みを

「○○・・・君には自由な時間すらないのか・・・・・」

○○の息災を祈らずにはいられなかった

もうすぐ東方人気投票は終わる・・・

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最終更新:2012年07月06日 00:09