濡れ場後の特殊清掃って……黒いゴミ袋と火鋏使って、〇〇の残骸を拾い集めたりか?
なんか妄想が広がったので投棄、グロ表現中尉?
「……うっぷ」
基本は紅に赤に赤黒、所によりピンクや白。
色だけを並べ立てると、下着の様にも思えるんだが……。
目の前の惨状に、ダチから分けて貰った茸の炊き込みご飯を戻しそうになりながらも、俺は仕事と割り切ってソレを拾い集める。
やがて、満杯になったゴミ袋を掲げて、同じ長屋に住んでる先輩に尋ねた。
「先輩、コレって生ゴミで良いんスかね?」
「馬ッ鹿野朗、仏さんをゴミ扱いすんじゃねぇ!」
「──! す、スンません」
……それもそうだ。
ここでは人が容易く死んでしまい、人里から離れた草むらに分け入れば積んで遊べるくらいにしゃれこうべが転がっている。
そして、忘れてしまいそうになるが、この挽肉になってしまった物は人間で……しかも、自分達と同じ境遇なのだ。
明日は我が身かと思えば、粗略に扱う事は出来ない。
謝る俺の肩を先輩は軽く叩きながら、勉めて明るい調子で口を開いた。
「なぁに、気にすんな。 ただな……
妖怪に魅入られた奴は、死んでも良い金になるってだけ覚えとけよ?」
爆ぜてミンチ状になった同胞を、紅魔館行きと書かれた段ボール箱に詰めながら、先輩は爽やかな笑顔を浮かべた。
最終更新:2012年07月08日 12:26