芳香でひとつ思いついたった!

「○○…」
暗い墓場で○○と芳香は抱きしめあっていたーとは言っても、芳香は関節が曲がらないので○○が抱きつく形だが。
芳香は○○を病的に、盲目的に好きだった。
永遠に一緒にいたいから○○をキョンシーにしたいが、キョンシーになれば私のように関節が曲がらなくなる。
○○の抱擁が好きな芳香はそれだけはさけたかった。
この頭を一晩使って、計画を立てた。
そして今、実行する。
「○○。」
「なんだい芳香?」
「まだ…抱きしめてて。」
○○をつなぎとめようと曲がらない関節を駆使し、○○に抱きつくような形をとる。
「甘えん坊だなぁ。芳香。可愛いよ。」
ああ、この甘美な時間!これからこの時間は、永遠に私の物になるのだ!
私はがぶり、と○○の肩を喰い千切った。
○○は「いたっ!」と声をあげたが、ふっ、と笑うだけだった。
そうして○○の関節はそのまま固まった。
彫刻のような二人は、そこに固まっていた。


まあ、でも一時的にだが。


「いててて、芳香の奴…」
あいつが寝たあと、操り主に芳香を引き渡した。
そして、八意先生の所へいっている。
「通い始めて数週間。あなたも物好きね?」
ふうと息を吐き、薬を放り投げてくる。
この薬は、怪我をした部分に塗ると一瞬で治る。ほうらい?の薬に似ている、といわれるが、断じて違うらしい。
「物好きが現れて私たちの生活も潤っているわ。」
「はあ…」
そこまで大金ではないはず、だが。
「…あ、そろそろ。有難うございました。」
「さっさと行きなさい。この阿呆。」
八意先生が毒舌なのはしってるが、心が痛い!
俺はそそくさとその場を去った。
そんな背後に、永琳は呟く。
「病的な愛。あなたは何時までたえられるのしら?愛とは短きものであり、永きものでもある。がんばりなさい。」
永琳は白衣を翻し地下にいる愛しい人を慰めに行った。

「…芳香!」
俺は今日も喰われるだろう。その愛を一身に受けて。
俺は、その愛を貪ってやろう。
あのこの為に。

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最終更新:2012年07月17日 01:11