なんか色々と酷いけど投下

流し雛



「ちょっとどういうこと、ねぇ…」

白い柔和な肌に合わせ ほんのり紅をつけてあげて

「なにこれ…(ハァハァ)新手のプレイかしらぁ(ハァ」

彼女の両手両足 そして全身を縄で括りつけ
お人形が何か言ってるが とにかくこれで準備完了だ

「やだ、○○ったら大胆なんだから、もぅ……ばか…」

おっきな雛人形を抱きかかえる とても軽かった
お姫様抱っこ これをするのは最初で最後
恥ずかしがる今の彼女が可愛くて愛おしくて

「あぁ…あん!もっと、優しく…」

これまでのことを忘れてしまうくらい
抱きしめたい 前の俺だったら
どうして自分を散々 執拗に求めてきたのか分からない
突然身体を迫ってきたあの夜みたいに 彼女の顔は真っ赤に熟れて
艶やかで美しくて思わず

「もっと、はぁ…じらさないで…」

投げ捨ててしまいそう
けどそうすると折角の綺麗なお人形が台無しになっちゃう
落とさないようにゆっくりと片足から水に浸かる

「ひゃぁ!冷たッ…、あ…イク……ぅ」

川に流そう
自らの咎も彼女の過ちも 彼女との数々の思い出も
俺に降りかかる厄も
みんな流れに捧げて 新しい一歩を踏み出そう




「ブクブクブクブク……」

下流の流れを見つめると何か岩に引っ掛かっている
その泡飛沫は段々小さくなった

痛ましい事故だ 早めに忘れよう

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最終更新:2012年08月05日 13:57