小傘でひとつ。

多々良小傘はお腹がすいていた。
「おおおぅ…」
ぐぅ~とお腹がなる。ふらふらと歩き、もう駄目かも…と小傘が諦めた時、前から一人の人間が歩いてきた。
小傘はにやりと笑い、その紫色の傘を振り回し、その男を追いかけた。
「う~らめっしやああああぁっ!!」
「ぎゃああああ」
やった驚いた!小傘はお腹が満たされていくのに満足した。しかし同時に疑問を抱いた。
…?
この人間の味、少し違う。みんなより、甘い。
小傘はその味が気に入った。
人間は既に居ない。
また明日も通らないかな、と思いながら小傘は静かに眠りについた。

次の日。
その人間が昼に通りかかったので、私は近付いて、話をしてみる事にした。
「あの…」
「ん?」
その男は、疑問を投げかけてきた。
とりあえず私は自己紹介をし、暫くお話をした。
どこか違う所でもあるのかな?と、確認しながら。
でも、普通の人間だった。
その男は○○と言った。ふうん。

夜。
また来た。なんだろう。
とりあえずお腹がすいていたので、驚かした。
驚いてくれたのでお腹が膨れた。

次の日。
また昼、通ったのでお話をした。
何をしているのか聞いたら、ただ健康の為歩いているだけらしい。
「あぁ、そういえば小傘ちゃん髪の毛さらさらだね。」
といって来たら、なんだか心の中がきゅうってなった。
………なんだ?

また次の日も、次の日も、いつまでも。
○○は散歩しにきて、私が驚かしてお腹を膨らす、という日々が続いた。
でも、○○への気持ちは恋へと変わっていった。
そしてそれを自覚していくたび、○○の味は甘くなっていく。
…いひひ。
○○のこと、もっと好きになっちゃいそう。

ある夜。○○を驚かそうと私はスタンバイしていた。
でも、その日の○○は一人じゃなかった。
隣に緑巫女がいた。
何で、いるの。
何で、笑うの。
何で、頬を染めるの?
疑問。と同時に○○への気持ち湧き上がる。
○○は私のもの私のもの。
それを何で、あんたが持っているの?
私の中で何かが湧き上がる。
……あいつさえいなければ。
私が考えている間あいつと○○は別れた。
今だ。
「ねえ」
「ひぃっ!?」
緑巫女は驚いた。だけど○○みたいな味がしない。苦くて不味くて、吐きそう。
「ななな、何!?あ、小傘さん…」
私はこいつに蹴りをくらわし、首を絞める。
きっと驚いているのだろう。
まずいまずいまずいにがいにがいにがい。

「○○!」
次の日○○に声をかけた。
すると、○○は落ち込んでいた。
なんと、あの緑巫女は恋人だったいうのだ。
死んだという知らせを聞いてこの有り様だ。といった。
だから○○に教えた。あのゴミなら片付けたよ。幸せになろう。と。
すると○○は鬼の形相で私に襲いかかってきた。○○?
「お前かっ…!ただの妖怪風情が!小傘あああああっ!!」
あ…○○。名前呼んでくれた。幸せ。
あ…意識が遠のくなぁ。最後かなぁ。
じゃあ言っておこう。
「大、好き。」

目の前の妖怪は動かなくなった。…言うに事欠いて、好きだと?俺の好きな早苗はお前が…
でも、それでも。妹のように見ていたこの娘が愛おしくて、
動かないこの妖怪を抱きしめ続けた。

勢いで書いた結果がこれだよ!

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最終更新:2012年08月05日 14:12