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代表的なヤンデレ描写の病んだ嫁がイカれた事を一人勝手にぼそぼそ早口で喋り続けるみたいなのに挑戦してみた。
あとヤンデレは7.3でちょっと変態入ってるぐらいが個人的なジャスティス。たまには完全に嫁のターンもいいよなぁ。

妻は引っ込み思案の上にちょっとした触れ合いを恥ずかしがる。だが構っては欲しいらしい。
俺が家にいる日はちょっとした用事を見つけては昼だというのに俺の側から離れようとしない。
それが面白くてなんだか無性に妻をからかいたくなる時がある。
「あなたお茶にしましょう」
 その日、阿求はそう言って俺を書斎から引っ張り出した。夫婦で茶を飲む、という何ら特別の事も無い昼下がりであった。
変わった話題など無くともただ茶飯事を語らうだけで時を忘れるものだ。
「それでその後早苗さんは? 」
「すぐに八坂様が背負って連れ帰ったようだが」
 先日、神社の宴会に呼ばれて行くとそこで守矢神社の巫女が呑みすぎで倒れちょっとした騒ぎとなった。
誠に酒とは節度を持った付き合いが肝要である。……というような。そんななんでもない話で時は過ぎた。
「呑んでも呑まれないようにしなければな」
「ふふ。羽目を外しすぎるのも考え物ですね」
その日は阿求の好きな紅茶であった。着物にティーカップはちぐはぐな気がするが阿求がコロコロと笑うのでその不調和まで微笑ましい。
「あら、あなた。羽織が」
 話の切れ目で阿求が俺の手元を見た。
 見れば成る程。俺の着物の袖が少しばかり破けて糸が解れている。
「しまった。どこかに引っ掛けたか」
「ああ。これならすぐに直せますよ。お借りしますね」
 言いながら阿求は俺の羽織を脱がしに掛かる。結婚してからは阿求の針仕事の腕にも驚かされた。
元々あのか細い筆先を華麗に操る指があるのだ。細かい仕事の素養はあったのであろう。本人は花嫁修業の成果だと言って得意顔である。
「それでは頼もうか。すまんな」
「いえいえ。夫の着る物に気を使うのは妻として当然ですよ。ふふ」
 妻として、という部分を特に力強く言うと阿求は嬉しそうに俺の羽織を受け取った。
「上手に出来たらお礼に思い切り抱きしめてやろう」
 あんまり嬉しそうなので少しからかいたくなった。阿求は照れくさそうに目を逸らし俺の羽織をもじもじといじった。
「も、もう。また子ども扱いして。幼く見えてもちゃんと妻として扱うのが紳士というものですよ。あなた」
「ははは。すまん。すまん」

暫く後。
「はい。出来ましたよ。あなた」
 受け取った羽織はどこが破けていたのか分からぬほど丁寧に縫われていた。
「おお。大したものだ。ありがとう、阿求」
「いいえ。これも妻の務めですから」
受け取った羽織をそのまま着ると阿求はにこにこと上機嫌で俺を見ている。なんだかご褒美をねだる子犬のように見えた。
そんな阿求を見ているとまた、からかいたくなってくる。
俺はあえて気付かない振りをして縫い目の確認に時間を掛けた。
「おお。破れる前より綺麗な程だ」
「え、えへへ。そうですか? それではあなた。その……んんっ……ごほごほ」
 阿求は何かを期待する上目遣いでわざとらしく咳払いをしてみせる。その姿が可愛らしいが更に気付かない振りを続けた。
しばらくすると例の件を忘れているのかと段々不安になってきたようだ。なんだかそわそわし始めた。さらに気が付かない振りを続けるとついに決心をしたようだ。
「ええ。ごほん。それでは、あなた。……その……どうぞ? 」
 阿求は目を閉じ軽く両手を広げて俺の抱擁を促した。僅かに頬が桜色に染まり物のついでにねだってみようと唇まで軽く突き出している。たまらなく愛しくなったがぐっと堪えた。
「ん? 何だ阿求? 新しい遊びか? 」
「……」
 そこでようやく阿求は俺がからかっていると気付いたらしい。俯いて真っ赤になりぷるぷると震え出した。
「……。うぅ……。ひ、ひどい。ひどいぃ。あんまりですあなたっ! 恥ずかしかったのにぃ……」
 阿求はぐすぐすと嗚咽を漏らしながらとぼとぼ自室に戻っていった。俺が呼び止めて今からでも抱きしめてくれやしないかと殊更にゆっくり歩きながら。
その後姿は苛められた子供そのものだった。
 俺はその背を見送りながら勝手に緩みそうになる頬を引き締めるのに必死であった。やはり阿求をからかうのは面白い。

そうして平穏な一日が暮れた。
夕刻に早々と風呂の支度を整えて俺を風呂に入れ自分も俺の背中を流すついでに入浴を済ませる。すぐに台所に取って返し夕餉の支度を整える。その晩の阿求は何とも忙しなかった。
食卓ではさらに奇妙な事が起こった。珍しく阿求が随分呑む。
「おいおい。大丈夫か」
「ご心配無く。これは必要なのです。私だってお酒の力を借りて勇気を出したい時ぐらいあります」
「阿求。呑んでも呑まれるなよ」
「いいえ。あなた。お酒に呑まれなければ成し遂げられない事があるのです。正気にては大業は成りません」
 何だか良く分からんがすごい意気込みだ。
「いい加減に止しておけ。茹蛸のようだぞ」
 阿求は猪口を離さずジト目で俺を観察するようにじっと見詰める。かと思うとなんだかそわそわと視線をあちこち彷徨わせる。すっかり酔いが回っているようだ。
神社の宴会に出席した時を除けば普段、全くと言っていいほど呑まない阿求の許容量は既に超えているはずである。これは面倒な事になりそうだ。
元々、阿求はせめて昼の間ぐらいは節度を持って接しようとしており、なるべく夫婦間の触れ合いを控える努力をしているのである。そのため夜はその分を取り返そうと熱を入れる。
今宵の阿求にはそこにさらに酒が入っている。阿求は酔うと非常に、良い言葉を選べば『積極的』になるのだ。大概翌日は恥ずかしがって忘れるように頼まれるのだが。
「あなたお味の方はいかがですか?」
俺の危惧が伝わったわけでは無いだろうが当の本人はなんだか落ち着かないまま不安そうである。 
「出汁を変えたか?汁物が特にこくがあって旨いな。こっちの煮物にも一工夫ありそうだ」
「そっ。そうですか。良かったです、ふふ」
 ぱぁっと阿求の顔が明るくなる。昼間の事で怒っていると思ったが褒められればそれはそれで嬉しいらしい。にこにこと笑いまた杯を傾ける。
「いっぱぁい食べてくださいねぇ」
 阿求の語尾がふよふよと頼りなく間延びしている。ああやはり大分酔っているな、と思った。
 このままでは際限なく呑みそうなので声を掛けた。
「阿求。それ以上は」
 体に毒だ。
 何故か自分の声が突然、妙に遠くなったように感じた。
――あら。どうなさったのですかあなた。なんだか眠そうですよ。
 う、む。むう。
曖昧な返事をしつつ何だか阿求の声まで遠くなったと思った。まるで水の中にいるようだ。
かたぁん。俺の握っていた箸が知らぬ間に手から滑り落ち茶碗に当たって軽い音を立てていた。
顔を掌で拭うと自分の指がぼやけて見えた。おかしい。意識が朦朧とし始めた。何だか夢の中のように現実味が薄れていく。
――あ。お疲れなのですね。すぐにお布団を敷きますからね。お部屋まで歩けますか?お辛いですか?さ、私の肩に掴まって下さい。
ああ。すまんな。阿求。
余り体重を掛けては阿求の細身に辛かろうと思ったから出来るだけ姿勢を正していた。しかし。
――あなた。もっとしっかり掴まらないと危ないですよ。
阿求が俺の腕を自分の肩に掛けさせた。
何故か阿求の言う事だけが砂地に水を染み込ませるように頭の中に入り込み逆らえなかった。
半ば眠っているような意識の中、阿求に抱きつくようにしてやっと寝室まで歩く。重いだろうに何故だか阿求は嬉しそうだ。
寝室に布団の用意が出来た。その光景を見ながら更に意識が深い奈落へ落ちていくのを感じた。最後の理性が消える寸前。
最近は何も入れていないようだったから油断したな。と思った。
――はい。お布団が敷けましたよ、あなた。それでは私の膝枕でお休みください。
――ねっ?ほら横になって?気持ちいいですよ。どうかなさいましたか?女の子のお膝で眠るのはお嫌ですか?
――ふふ。大丈夫、誰にもいいませんよ。私とあなただけの秘密です。夫婦なのですから何も恥ずかしい事なんて無いんですよ? 
あなたはいつも私を甘やかして下さるじゃないですか。あなた?ご存知ですか?愛する人に甘やかされると蕩けそうなぐらい気持ちいいんですよ?
私なんていつもあなたに身も心もトロトロにされちゃうんですからね。私だってあなたに甘えて貰えたらなぁって妄想がずうっと止まらなかったんですよ?
なのに、あなたは昼間みたいに私を茶化して甘い一時を過ごしたいというご自分の欲求を誤魔化してしまいます。あの時本当は約束どおり私を抱き締めたかったんですよね?
照れ臭かっただけですよね? そうですね。そう決めました。そうに決まっています。あなたに素直になって頂くためには少し強引な方が良いと分かりました。
――だから。ね?こっちに来て?私のお膝に埋もれるみたいするといいのです。あぁん。逃げちゃダメですよ、あなた。お薬で体が動かないんでしょう?もう逃げられないんです。観念なさって私に可愛く甘えて下さい。
――はいっ。捕まえちゃいましたよ。うふふ。ほら嫌々しないの。じっとして?暴れたらめっですよ。はい。そうです。そのままゆっくり横になって。ふふ。膝枕ですから仰向けかと思っちゃったんですね。
でも今夜はうつ伏せでどうぞ?わ、わたしの。えへへ。私の太ももに顔を挟んでちゅっちゅしてくれればいいのですよ。はい。いらっしゃい?
――ほら。あなたの頭を全部むぎゅうって抱き締めちゃいまず。柔らかいですか?いい匂い?……あっ……はぁ……ん……っ。あ、あなたの吐息が直に当たりますよ。くふふっ。くすぐったぁい……。
あなたお耳まで真っ赤ですよ。そんなに私の匂いお好きなんですか? ね、ね。あなた深呼吸してみて下さい。はい。吸ってー。すうー。吐いてー。はあー。はいもう一度です。うふふ。とっても素直で可愛いですよ。いい匂いですか?
うふふふふふ。あなた気付いていますか。うつ伏せで膝枕なのですからあなたのお鼻の先に何があるのか。私の、お、ま、た、ですよ。いっぱい嗅いで下さいね。うふ。うふふ。わ、私の一番、こっ……濃い匂いを。頭の中まで染み込ませるんですよぉ。
朝になってもこの匂いが嗅ぎたいって思うようにならないと駄目ですよ?
――……きゃ。あなたのお顔……すごく熱いですよ?冷ましてあげますね。まずはお耳から…ふううぅぅ……。あら? 今度は鳥肌が。ぞくぞくしちゃいます? 寒いんですか? じゃあ今度は暖めないと。
いきますよ?…はああぁぁ……。うふふっ。あったかい?あらあらどうして息が荒くなっちゃうんですか。
――ううん。いいんですよ?仕方ないですよ。あなたは今お薬のせいでいけない事で頭が一杯の上に体が痺れて動けないのですから。そんな時に限って、あなたの事がだぁい好きでずぅっと今までもこれからもあなただけのお嫁さんに捕まってしまったのですよ。
しかも運悪くそのお嫁さんはもしもあなたが動けず二人きりと言う夢のような状況が起こったらどんないやらしいイタズラをして差し上げようか毎日ムラムラと妄想していたのです。困りましたね? あ、でもいやらしいのはあなたに対してだけですから安心してくださいね?
昼間あなたと二人きりでお話ししている時なんてすまし顔のようですけど頭の中ではあなたの妄想でそれはもう凄い事になっているんですからね。本当に困った変態なお嫁さんですね?でもあなたはお優しい人ですもの。変態なお嫁さんでも可愛がって下さいますよね?ねっ?そうですよねぇ?うふ。私も愛してますよあなた。
――だから、そのお嫁さんが今あなたにいやらしい事をしたいなぁって思ったらもうどうしようも無いのです。大人しくされるがままになりましょう。ねっ。意地を張らないで?諦めちゃいましょうよぅ。あなた……。あなたぁ……はぁはぁ。ほらぎゅうってさせて下さい。
あっ。に、逃げようとしないで下さい。だ、大丈夫ですよっ?痛いことなんて絶対にしませんから。ね?だからここにいて?お願いですから私から離れないで下さい?ね? あ……。あなっ、たっ……。あ、暴れちゃ…だ、めっ……!待って。
待ってください……ッ。お願い逃げないで!戻ってください!待って!動いちゃダメ!ダメです!あなた!置いていかないで!行かないで下さい!いかないでぇ!いっしょ、一緒じゃないと嫌です!……一人にしないでぇ……。…………好きなんです……。お願い…私を怖がらないでぇ……。……ここにずっといてください
――はぁはぁ……。はぁはぁ……。はぁはぁ……。そう。そう呼吸を落ち着けて……。大丈夫ですよ……。ここにはあなたの事が大好きな私しかいませんからね。
もう絶対に私から離れちゃダメですよ?怖くないからね?やっと落ち着いてくれましたね。ごめんなさい。お薬が効きすぎてびっくりしてしまったのですよね?
私に抱き締められるのがお嫌だった訳ではありませんよね?そんな訳ないですよね……?…ご、ごめんなさい私ったら取り乱して……あなたが遠くにいってしまうと思って……む、胸が張り裂けるかと思いましたよ?え、へへ。
お、大げさ、ですよね……?ふふ。でもあなたがいないと私悲しくなってしまいます。お願い。あなた。不安なんです。こっちを見て?見てくれます?良かった……。これから先もずっと見続けてくださいね?
ごめんなさい、少し焦りすぎました。昼間の意趣返しにあなたに少しだけ意地悪して差し上げようと思ったのですよ。……ふふ。いえ、怒ったりはしませんよ。少しだけ悲しかったですが……。
ただ。その。あなたにも知って欲しい事がありまして……。こういう時でないと言えませんし。こほん。……実は……実はですね、こんな事までしておいて何ですけど。……私はあなたに意地悪されるのも嫌いではないんです。
――昼間に……あなたが戯れに抱擁をおあずけにして私を焦らした時……私はとても悲しかったはずなのに……何故か……すごく………………すごく、ゾクゾクしてしまって……。へ、変ですかね?私のこと変な子だって思いますか?あなた。
で、でもでもっ!あ、あなたにもっ。好きな人に意地悪されると何だかとってもゾクゾクするって、あなたにも知って欲しくてっ。ふっ、夫婦の間で知らない事があるなんて間違っていると思いませんっ?思いますよね?
だ、だっておかしいですよ、そんなの。愛し合う私たちが隠し事なんて。多少変わった趣味があってもお互いに理解を深めるべきだって思うんです。さ、最初はちょっとぐらい変だなって思われる事も有るかもしれませんが。
私たちならお互いの趣味を受け入れられると思うんです。だから私のことをへっ変な子だなぁって思ってもそれは今だけですよね?あっ……。で、でも少しずつ少しずつで大丈夫ですよ?
さっきみたいに……驚かせるつもりはないんですよ?……そ、そう。少しずつ少しずつ。ゆうっくり時間を掛けて夫婦の歴史を育みましょうね。くひっ。くふふふっ。
――……こほん。じゃあ今度はゴロンって仰向けになって下さい。はぁい。良く出来ました。あん。恥ずかしがっちゃダメですってば。目を逸らしたらダメですよ。あなたも私の粘っこい視線と見つめあいたいでしょう?ねっ?
…………ああ……素敵……やっぱりあなたのお顔とっても素敵です。私にとっては世界一格好いいです。……あ・な・た。お顔……ちょっとだけ舐めてもいいですか?……ご、ごめんなさい。顔を背けないで下さい。傷つきます……。
……うふふ。でもどうしたんですか?なんだかとっても切なそうですよ。あ、分かっちゃいました。いやらしい事を考えちゃったんですね? だって私と見詰めあいながら、その。舐めるって聞いてからですもの。切なげなお顔なのは。
――あなた? どうします? あなたのお嫁さんにあなたがとっても助平な事を考えてるのがばれちゃいましたよ?しかもあなたの妻が何者かお忘れですか?うふふ。そうですよ。もう私あなたの恥ずかしいお顔絶対に忘れませんよ?
誰にも見せないお顔を覚えちゃいましたよ?ずっとずうっと永遠に私の心に刻まれちゃいました。いいんですかあなた。えっちなお顔ずうっと私に覚えられたままなのですよ?息を荒くしている場合なのですか?私と一番恥ずかしい所まで永遠に一緒なのですよ。
――あっ。不安そうな顔しないで?大丈夫ですよ。二人だけの秘密って言ったでしょう?たまに私がいやらしい妄想する時のオカズにされちゃうだけですよ。
仕方ないでしょう?私の病状が良くないときは出来ないんですから。それなのにあなたは愛しい匂いを振りまきながら愛しい声で私に優しくしたり苛めたりするんですもの。
せめて妄想の中だけでも愛を確かめ合わないと気が狂ってしまいます。あなたは……私のオカズにされるのは、お嫌ですか?そんなに頬を赤らめて下さっているという事はいいんですよね?
き、気持ち悪いとは思っていませんよね?うふふ。触れ合えない時はあなたの事いっぱい想って、その……し、しますからね?はい……。変態でごめんなさい。でっ、でもあなただって私を想ってしてくれるでしょう?
……わぁ。おかしくなりそうなぐらい嬉しいですぅ……。ね。ね?あなた?今度、はぁはぁ。いえ本当に今度で良いのですが。はぁはぁ。…………ふ、二人で。…………見せ合いっこしましょうか……?
そ、その後は二人で、ね?ええ。やっぱり一人より断然二人ですから。うふふ。あなたもそう思いますよね?思ってくれていますよね?
やっぱり愛し合うあなたと私、夫婦が想いと肌を重ねる程の幸せも快楽も有り得ないと思うんです私。だからその時は一杯愛してくださいね?
いっ……いいんですよ?あんなに気持ち良い事耐えられるわけが無いんです。あなたは何にも悪くないですよ。ぜぇんぶ私に任せて安心して下さいね?ほうら撫で撫でして上げますね。
――ああッ。何て官能的な声を出すんですかあなたは。もう。あんまり私を誘惑すると今すぐ食べちゃいますよ?うふふ。またお顔が真っ赤ですね。
普段あんなにカッコ良くて凛々しくて素敵で優しくて頼りがいがあってその上カッコ良くて男気のあるあなたが私のお膝の上ではこんなに可愛いだなんて何度惚れ直させれば気が済むのです?
もう絶対に離してあげませんからね。こんな所他の人が見たらどう思うでしょうね。みんなきっとびっくりしてあなたは恥ずかしくなってしまうのです。ね?恥ずかしいですねぇ?だからお約束です。
こういう事は絶対に私としかしたらダメですよ?お約束出来ますね?おてて出して?はい。指切りっ。うふふ。いい子です……。


翌朝。目覚めるとどうも昨夜の記憶が判然としない。夕飯を食い始めたのは覚えているのだが。
思案していると隣で阿求がうんうん唸っていた。二日酔いであろう。
「うーん。うーん。あなたぁ」
「そう言えば昨晩は珍しく呑んでいたな。強くもないのに呑み過ぎるからだ」
「あ、あなた。昨晩の事はお忘れ下さい。あ、あの時はよ、酔っていて。普段言わない事まで。……い、いえとにかくあんな変態なのは私の本当の意思ではなく……。そ、そう何者かが私に化けてこの家に……」
「それが昨日の記憶が余り無くてな。どうやら俺も酒を呑んだのか。俺は二日酔いではないが」
「そ、そう。ですか。それは残念……いえ良かったです」
「どれ。茶でも淹れてやろう。少しは楽になるだろう」
「あ、まま待って下さい。お茶はいいですからぁ。ここにいて優しく介抱して下さいぃ」
「いやいや遠慮するな。二日酔いには熱い茶が一番だ」
「うう……。ひどいです……」
 誠に酒とは節度を持った付き合いが肝要である。布団の中で涙目になっている阿求がとても可愛かったので朝からついからかってしまう。
「あなたあぁ」
 力無く俺の背に掛かる声を襖を閉じて無情に遮る。やはり阿求をからかうのは面白い。
……何故だかこんな事を昨日も考えたような気がする。

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最終更新:2012年08月05日 15:26