太陽の丘で、一人の男を見つけた。
最初は吹き飛ばそうと思ったけど、その男は私が今欲しい物ー栄養剤ーを沢山所持していたので、こうやって保護してあげている。
「…で?」
男は私の向かいで小さくなっている。…悪いようにはしてないわよ?
「…駄目です!」
男は意を決しばっと顔をあげた。
私は傘を男の首にあてがう。…こいつ。
「あなた、私の花畑にいたのよね。それだけで私はあなたを粉々にしたいの。だけどそれ目当てに保護してあげてたのに…」
「…分かりましたよ」
男は渋々と口を開いた。まぁ、命が惜しい、ということか。
そうして栄養剤を貰った後、男は○○と名乗った。そして、自分は花屋をしている、と言った。
「へぇ!そ、それは面白そうね…」
私は一度でいいから、と願ったものだ。四季、移動しないでも様々な花に囲まれ生活する…。
○○は実現していた。
私達は○○の花屋へ向かうことにした。

「…す、素晴らしいわね。」
私は感嘆した。全ての花々がこう、幸せそうにしているのを見たのは初めてだ。
(私の花畑を除いて)
私はその何ともいえない幸せな気持ちを胸に、笑った。
「明日も来ていいかしら?」
こくりと頷いたのを見て、花畑に戻っていった。
うふ�7ばらく通う事にした。

数カ月後。
○○の性格がとてもいいことに気付いた。
それで花はあんなに幸せそうだったのか。
私は一つ頷いた。

○…○。
その甘く、人妖問わず惹きつけてしまうあなた。
いつか痛い目にあうわよ?
私は芽生えた恋心を胸に、今日も○○に会いに行く。
可愛い○○…!

それから風見幽香は新聞で一面を飾る事になった。
「あの人間交流度最低の花妖怪、人里に訪れるようになる!」
その下に、男が出来たのか!?とある。幽香は笑う。

今日は焼き鴉ね。不味そう。

それから幽香は○○への愛が爆発するようになった。それは○○に伝えられることはなかったが。
また、会いたい。会って、話がしたい。○○。すきすきすき。
○○は私のもの。誰のものでもないわ。私のもの。
そんなことを考えながら、○○の花屋へ向かった。

「あら?いないのかしら。」
○○は不在だった。つまらない、と口をとがらせ、椅子に座った。
そのまま、その彩られた花々と戯れる。
その幸せそうな花を見て幽香は微笑む。
それは、見るものすべてを魅了するものだった。

暫くすると、○○が帰ってきた。私はお帰りなさい、というつもりだった。
「ほら、こっちに花がたくさんあるよ。」
「ありがとう。」
でも、その隣にはどこかで見たことのある蟲妖怪がいる。
あぁあああああ?

幽香は○○がほかの人といるのを見たことがない。
だから幽香は○○は私のものと思っていたのだろうか。
なんで?何で、笑うの?何で、私に気づかないの?ねぇ、なんで何でなんで?

そんなやつが隣にいるの?

その蟲妖怪はしばらく花を見た後、出て行った。
よりによって冷やかしかぁ。と落胆した声が聞こえる。
う、うふふふふ!あの、妖怪!
「あ、幽香!どうした…え」
私は、蟲妖怪を追いかけた。

「ちょっと、いいかしら」
「あ、はい…ひっ!?」
私の顔を見て恐怖する蟲妖怪。いいわ、もっと恐怖しなさい。
私はその妖怪を人気のないところに連れて行き、強打した。
何をされているかわからないような妖怪。

お前が、お前が、お前が!!

もはや何が言いたいのかすらわからない。ただ、お前が、と連呼する幽香。
だって、こいつをる甚振るだけでコロす気などないのだから。
「はぁ、はぁ、はぁ!」
幽香は荒い息をし、肩を動かす。そして、そのままへたり込む。
幽香の顔は、返り血でひどいことになっていた。

「おい、だれかいるのか?」

その声は、○○。最愛の人。
でもでも、○○にこんな姿見せたくない。だって○○は暴力が嫌いだから。
「あ、あああああああぁぁああ」
「ゆ、幽香!どうしたんだ?血だらけ…ええ?」
蟲妖怪を見て驚きの声を上げる○○。
「ゆ、幽香…?」
私は驚く○○に口づけをする。
「やめて○○!見ないで!見ないで!やだぁあああああああああ!」
私は、○○を気絶させた。

「…あ」
「お目覚めかしら?」
あの花畑の近くにある家で目が覚めた。幽香?
「ごめんなさい○○、痛くない?」
幽香はそのきれいな顔で覗き込んでくる。
うぅ。そういえば幽香、あの妖怪を…?
「○○、私のこと嫌い?」
「え、う~ん…。」
幽香は下を向いたままだ。何と答えよう。
「そりゃあさっきは怖っ!と思ったけど、好きだよ?」
ぼふん!と音がするように幽香は顔を真っ赤にする。
「わ、私も、好きよ?あ、あのね!そりゃあ人間交流度最低だけど、○○ならいいかな、なんて…。」
幽香はしどろもどろしながら、俺に話す。
あぁ、かわいいな。手に届かない、と思っていた想いがいともたやすくかなうなんてな。
俺は幽香を抱き寄せる。
「どんな幽香でも、好きだよ。」
「~!○○!」
幽香はその抱擁を受け入れる。二人は幸せで、

幽香はその瞳を濁らせ…その愛に溺れようとしていた。

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最終更新:2012年08月05日 15:30