素朴な疑問。けーねって月謝ってどうしているのかなってことでネタ
養婿場
幻想郷
外とは隔離されたこの土地では極稀に迷い込む人間がいる。
彼らは外来人と呼ばれ、外界に戻らず定住した人間は人里で大切にされるという・・・・
「・・・・というわけだ○○」
○○と呼ばれた青年は寺子屋の一室で、人里の守護者こと 上白沢慧音から説明を受けていた。
「ありがとうございます慧音さん」
「で、どうする○○?」
「そうですね・・・僕は外」
「今は午後だな!きっと風船巫女もお茶をしている頃だ!お茶でも飲んで落ちついたらどうだ!」
「あのっあ・・・慧音さん?」
「あの巫女の機嫌を損ねたら外界に帰ることも難しくなるぞ。ささっ!お茶でも飲んで・・・」
「・・・その白い粉は?」
「砂糖だよ」
「日本茶には砂糖は入れないと思うんだけど・・・・」
結局、○○はその日博霊神社に行くことができなかった。
その夜は「たまたま」空室があった外来人長屋の一室に泊った。
「よう!慧音が言っていた新入りっていうのはお前か?」
「あなたは?」
「妹紅。ただの健康マニアの焼き鳥屋さ」
「妹紅さんはどうして此処へ?」
「なに、慧音から様子を見てきてくれないかと頼まれてな。焼き鳥でも喰うか?上等の泡盛も持ってきたんだ」
「でも・・・・」
「金なんて要求しないさ。困ったらお互い様だろ?」
「はい。ありがとうございます」
無邪気に楽しむ○○は、彼女が彼を値踏みするように見つめていることに気づくことはなかった。
翌日
「○○一晩考えてどうだ?」
「そうですね・・・少しここで過ごして考えてもいいですか?」
「そうか!そうだな!困ったことがあったら何でも言ってくれ!」
「はい。よろしくおねがいします!」
草木も眠る丑三つ時
蝋燭の灯りに照らされて、二人の女性のシルエットが浮かび上がる。
「○○は外来人長屋に登録っと」
「お茶も菓子も安くなかったからな。それなりの金子は貰うぞ」
「もちろんよ」
神隠しの主犯 八雲紫は懐から「山吹色の菓子」を慧音に渡す。
「確かに」
「明日から宴会という名の内覧会をするわ。○○も呼んであげてね」
「ああ。恨むなよ○○・・・お前の犠牲で幻想郷の教育レベルも上がるんだ」
「さて今度は誰がお婿さんをゲットするかしらね?」
二人から延びた影は揺らめき、養豚場の豚を蔑み笑う悪魔のようだった。
最終更新:2012年08月05日 15:34