エイプリルフールと聞いて
「さ、咲夜…」
「何?○○」
ごくり、と唾を飲む。
緊張で、体中が震える。落ち着け落ち着け、相手は悪魔ではないんだ。命を取って喰われるわけじゃない。
「…早く。私も忙しいのよね。まぁ、○○もってのお願いなら…」
ぽっ、と顔を染める咲夜。その顔はとても愛らしいもので…
それを壊すのは気が引けたが、まあいい。
「俺、外界に帰ろうと思うんだ!もうスキマ妖怪と博麗の巫女と話は付けてある!」
ピタリ。
時が止まったように見えた。が、彼女は柔和な笑みを返した。
「○○。エイプリルフールだからって…嘘はやめてよ。ちょっと悲しくなってしまうわ。」
「うぇ?」
何の事か分からない。今日も?昨日もエイプリルフールだったんじゃ…
心を見透かすように咲夜は言う。
「ここは幻想郷よ?」
あぁ、と良く分からない納得をし、部屋に一人取り残された。
「…○○。おふざけがすぎるわ。」
咲夜は懐中時計を手にその綺麗な瞳を光らせた。
咲夜はふぅ、と息を吐く。
咲夜はその洞察力とかなんやらで、○○が帰りたいと言う時が分かる。
それが近づくと私は能力を駆使し、次のエイプリルフールまで時を進める。
お陰で私はそのたびに進めた分老けてしまう。
私はそこは少し心配だが…
「○○…永遠に一緒よ?」
その時は、○○も一緒に、ね?
死のう。
私は時を止め、ナイフで○○の首に少し傷をつける。
お休み○○。いい夢を。
最終更新:2012年08月05日 16:11