翼をもがれた小鳥
ねぇ○○覚えている? あなたが此処へやってきた時のこと
貴族からの奉公という名の人身御供
あのニヤけた顔の貴族の息子がどこぞの島国の女性を孕ませて生まれた子供
そんな環境でもあなたは笑ってくれたわね
お姫様みたいだって・・・・
「美鈴さん!お茶の準備ができたって咲夜さんが」
「○○さん今少し手が離せなくて・・・・」
美鈴さんが土で汚れた手を振る。
美鈴さんは僕を助けてくれた恩人で・・・ここ紅魔館を紹介してくれた。
「綺麗な庭ですね」
「ええ。でもお嬢様は手を入れるのを許してくれなくて・・・・」
「さあ・・・・でもお嬢様が持ってきてくれた庭の設計図通りに作るならって許してくれたんです」
あなたは貴族なのに汚れ仕事を率先してやってくれた
あの庭はあなたの唯一の作品
だから美鈴には手を触れさせたくなかった
大切な思い出が
○○が
美鈴に凌辱されているようで
でも・・・いいわ
運命であなたがやってくるのがわかったから
「もし時間があったら・・その・・・」
「空を飛ぶ訓練ですね」
「美鈴さんありがとう!」
あなたが空を望んだのは私の所為
私があなたを抱えて空を飛んだから?
あなたが軍に入って「飛行機」という機械で空を飛んで・・・・・そして死んだ
あなたを殺した相手が「レッドバロン」というのは皮肉だったわ
泣いて泣いて、そして泣けなくなっていつの間にか笑っていた・・・
「ぐっぁぁぁぁぁぁあああああああ!」
「この門番風情が!」
僕と美鈴さんが休憩時間を利用して、いつものように空を飛ぶ訓練をしていた。
僕が一人で紅魔館の高さまで浮かび上がった時だ。
お嬢様が僕を見ていた・・・
お嬢様が美鈴さんの腕を砕く
お嬢様を楽しませるために庭を作り、どんなに寒くても門に立っている美鈴さんの働きものの手を・・・・
僕の中で何かが弾けた
「美鈴を苛めるお嬢様なんて・・・ダイッキライだ!」
「違うのこれは○○を守るため・・・○○違うのぉぉぉぉぉぉ!」
お嬢様が手を広げてやってくる
怖い・・・・怖い!!!!!!!!!
「助けっ!」
後頭部の衝撃を受け、薄れつつある意識の中で咲夜さんが僕を見つめていた・・・・
「パチェ・・・・○○と美鈴の記憶は消える?」
「ええ。問題ないわ」
美鈴が傷ついた○○を連れて紅魔館にやってきた時、私は確信した
○○が戻ってきた
もう空にあなたを奪われてなるものか
あなたは空を忘れ、ずっと此処に居るのよ
大丈夫
私が守ってあげるから
最終更新:2012年08月05日 16:28