4月7日 晴れ
今日どっかの店で日記帳を買ったので早速つけはじめようと思う。
と言っても今日はそれ以外はいつも通りのことしかやっていない。こういう日記帳をつけているのだから自分を見つめ直すのには恐らくいい機会だ、
自分の名前は〇〇、生まれも育ちも幻想郷、性格はマジメ系クズ。
自分で書いておいてネガティブな気持ちになってしまった、もうダメ寝る。
4月10日 雨
危うく日記帳をつけ始めて早々三日坊主になるところだった、危ない危ない。
さて今日はお使いで買い物に行っていたのだがその店で凄い美人なメイド?を見た、確か名前は咲夜とかって言われてたな。
うん、ちょっと惚れたんだろう自分、彼女に何の考えもなく話しかけてしまった。
見た目の割に結構さっぱりした性格で会話が弾んだが家に帰って本を読んでたら知ってしまった。
彼女は紅き館の主の吸血鬼のメイドだった。
ビビったので寝ることにする。
追記:
そのことを親父に言ったら、お前外来人じゃなくて良かったなwwwと言われた、頭が?で埋め尽くされた。
4月17日 晴れ
外は快晴なのに心の中が曇天なのはなんでだろう、理由は簡単で驚異的な確率で彼女、咲夜さんに会ってしまうことだ。
あれから一週間ずっと会ってるような気がする。女っ気のないような場所にまで・・・
親父には妄想乙wwwwwとか言われるが実際に会ってしかも話してるんだから妄想ではない、どうでもいいが親父芝生やすな。
4月20日 晴れ
自分にも春がやってきた・・・!なんとちょっとしたハーレムに遭遇したからだ!
今日は花見をしに早朝目標の桜の下に陣地確保しに行った、あそこだけは譲らんよ。そこからの桜は絶景だからな、うん。
幸いにもまだ誰も来ていない、てかさすがに朝3時半は早すぎるか?
いや、それでも取られるというわずかな可能性を潰してこそ花見の通である。←これでは痛だが。
とか自分でノリツッコミしてたら誰かが大荷物を持って自分の前に立っている、咲夜さんだ。
どうやら彼女もここをポイントとしてたらしい、が譲らんよ?そう思っていると話し掛けられた。
朝9時、見事にハーレムとなっていた。両脇にかわいい姉妹、周りにはチャイナ服のお姉さん、
読書家ジト目(だがかわいい)紫パジャマの人、こぁ!と言ってる女の子、そして咲夜さん。
頭の中で春ですよ~と叫ぶ自分がいた。
追記:
おいやめろ、やめろ。とか親父に言われたがなんでだろう?
生まれも育ちも幻想郷なんだが、自分。
4月21日 曇り
うん、本当に自分の頭が春になっていたようだ。てか吸血鬼姉妹とそのメイドと魔女と悪魔と一緒にいてなぜビビらなかったし自分。
一応今日も花見に誘われたが・・・行った。ここで誘いを断ったらどうなるかわからんしあれでもみんなかわいいからな~
そんな軽い気持ちで行ったのが運のツキ。
みんなに凝視、特に咲夜さんは視線をロックオン、されながらおにぎりを食べるハメになった。
こんなに緊張したら美味しいおにぎりもあんまり美味しくなくなるって、そう思いつつ桜を満喫した。
追記:
なんか親父が最近早く寝るようになった、あの酒癖の悪い親父が。
いよいよもってヤバいことを感じ取った。
4月22日 晴れ
桜も散りはじめ夏が少しだけ近付いた今日、また三度花見に参加していた。
今度は凝視責めではなく質問責めだった、特に質問をしてたのは咲夜さんと美鈴さん、チャイナ服の人、だった。
咲夜さんの質問の内容は自分の好きなものとか趣味とか、まあ深く自分を知るためだろう。
一方美鈴さんは咲夜さんと似たことを聞いてきたあと最後にこんな質問をした。
「〇〇さんの両親の名前は何ですか?」
変に意味深な質問だったが気にせずに答えた、あれはどういう意図なのやら。
そして美鈴さんは自分が適当に答えたあとナイフで蜂の巣になっていた、咲夜さんのいつもの行動らしい?
まあ以前よりはヤバい雰囲気ではなかったことにホッとするとともに寝るとする。
追記:
親父はもうこれはダメかもわからんねとぼやいてた。仕事場で何かあったのか?
5月2日 快晴
幻想郷にもゴールデンウイークがやって来る。
近所の子供達、ちなみに自分は18の普通の新人大人だ、もいつもよりテンションが上がっているみたいだ。
親父はあれからまた酒癖が悪くなった、否自然と悪くならざる負えなかった・・・ゴールデンウイークだしね。
今日もまた咲夜さんに会った、出会ってしまった。ここまで毎日だと自分に変な気があるのでは?!と疑いたくなる。
今日はそれだけではない、おっとりとした妙な亡霊、名前は西行寺幽々子で亡霊と言っていた、に話し掛けられた。
この時自分は社交辞令でもして逃げるように帰った、そのときの悲しそうな顔が印象に残った。
あなた自身が死を操る能力を持ってるっておっしゃったのに自分が殺される可能性がゼロだと言える訳がないだろ!?
追記:
今日帰ったら親父に料理の手伝いやらなんやらをやらされた、まあ将来のためと思ってこれからも頑張ることにしよう。
あとは親父はいつもより元気なかったがどうしたんだろうか、あのとき以来だ。
5月3日 雨
今日は家から出なかった、親父が出張だから留守番というわけだ。
何も書くことがないので書く。いや、ふと気になったことだけど…
俺の母さんって誰?
まさかとは思うが親父って元外来人か?だとするとちょっと納得する部分がある。
幻想郷では不思議な能力を持った女性、が結構いる。その能力故に孤独になりやすくそれ故に外来人とくっつきやすい。
何故外来人となのかは何となく察しはつく、その能力に怯えるどころか珍しいと思ってしまうからだ。
親父もそういう珍しい者好きだった、一番珍しい茶碗を買って使わずに取っておいたり?それに…
俺が咲夜さんのことを言うと元気がなくなる。
自分は無礼な親父だなと今まで思ってたがまさか・・・ね、妄想乙。あくまでそんなことやられんの外来人だけだしな。
さっさと寝るか。
5月4日 雨
今日の自分の心が天気に反映されたのか今日もザーザー降りだ。
というのも今日は、いや今日もというか、いろいろなんかあって疲れた。でもここで止めてはいけないと思い日記に記録する。
寝たときにみた夢の内容だ、そこがどこかわからない。でも自分はそこにいるのに目の前の親父は一切気がつかない、
代わりにそこに咲夜さんがいた。咲夜さんはずっとこっちを見ていた、あのときのように・・・親父は、気付かない。
いや気付く暇がないというほど恐ろしい形相だった、あんな親父夢はでも見たことない。いや、夢だけど。
親父の視線は・・・自分がそちらを向いたところで意識が戻っていた。そのときはまだ外も暗かったと思う。
悪夢に違いないとは思ったがいつもの生活リズムを保たなければヤバいなんていう悪夢よりショボい理由で二度寝した。
今度は場所が森のようなところとわかった、親父は歩いている…何も持たず。自分は親父に必死に呼びかけたがこちらには
振り向かない、ただひたすら歩いている。そうして歩いて何時間経ったのかわからないが親父の足が止まった。
目の前にはあの紅い館・・・そこでまた意識を取り戻した。
我ながら何故日記帳に小説を書いているんだと思った、でも書く。
起きるとそこはいつもの風景、まあ当たり前だけどね。すぐに朝飯を食べようと準備しようとしたらドアをノックされた。
誰かと思ったら咲夜さんだった・・・思わず一回ドアを閉めた、がすぐに開けた。
咲夜さんはキョトンとしてたがすぐにくすくす笑った、多分顔真っ赤だったろうな、自分。
それからしばらくは記憶があいまいだが結構普通に喋ってたと思う、気付いたら太陽が反対方向にあった。
自分はすぐに優しい口調で帰るように言ったが咲夜さんはピクリとも動かずこちらを見ていた、花見や夢で見たあの目で。
余りの恐怖に自分は動けなかったがその視線を反らすどころかじっと見続けてしまった、光がどんどん消えてゆくその目を。
気が付いたときには彼女は居なかったが置き手紙を残していた。
あなたが望むなら、私があなたの時間をあなたと私の時間にしていいですか
明日返事を聞きに行きます、いい返事を待っています
自分は相当なニブチンだと思い知らされた、でも外来人じゃないからと逃げようとしてた・・いや今もしようと思ってる。
咲夜さんのあの目が怖いからだと冷静になってみて思う、戻れなさそうな気がして、見たくないものが見えそうで。
明日はゴールデンウイーク最終日だ、だからなんだ。
考えがまとまらない、今日の日記はここまでにする。
でも眠れないんだろうな、明日は非情にも待ってくれない。
追記:
親父が出張から帰る日を聞かなかったことにここまで後悔するとは思わなかった。
5月6日 曇り
今日紅の館、紅魔館というらしい、に遊びに来ている・・・もとい数週間後にはここに住むんだけどね。
昨日起きたら事を聞きたそうな咲夜さんが目の前にいた、自分は返事を言う前に彼女に質問した、何故咲夜さんはそうしたいんですかと。
自分でも思う野暮な質問、それに彼女は自分の目を見ながら淡々と答えた。
一目惚れだった、自分の目に惚れた、自分のことを調べて余計好きになった、自分が欲しい、自分を独占したい・・・
予想してたのよりもヤバかった。でもなんか嬉しかった・・・そう思ってくれて、自分が変われるキッカケを作ってくれて。
自分の返事は「はい」だった。そう思ったのもあるし自分が惚れていたのもあった。
彼女に、彼女の目に、彼女の歪んだ心に。
気が付くと自分は別のベッドに寝かされていて、目の前には彼女がいて、こちらをずっと見ていた、
自分の瞳をあの目で覗き込んでたというか。
その数時間後に解放されてここがあの紅の館、紅魔館にいたことがわかった。そして自分の家に帰った、横には咲夜さんがいた。
明日から数週間はあの館への引っ越しの準備に忙しくなる、今日は早く寝ないと。
追記:
なんか出張だった親父も紅魔館にいた、親父もあそこに引っ越しすることになっていた。
そのことにも驚いたが一番驚くべきことは・・・後ろに親父を抱きしめてる赤毛の女性がいたってことだ。
5月7日 晴れ
母さんや咲夜さんの手伝いもあって引っ越しが終わった、これから紅魔館に住むんだ・・・実感が湧かない。
これからどうなるのかはわからない、でも親父や母さん、咲夜さん、それに館の皆がいればきっと楽しく暮らせるはず。
そして咲夜さんに見つめられる生活が始まるだろう、浮気を見張ってるのかもしれないけどね。
追記:
紅魔館で夕寝して起きたらすごく痩せた親父がいた。
何が起きたか何となく把握し思った、これはひどいw
最終更新:2012年08月05日 16:49