そうか・・・

久しぶりにパラサイトイヴを読んだら思いついた
細胞記憶について知っているとより深く楽しめます


パラサイト


永遠亭の奥深く
その少年は眠りについていた。
彼の名は○○。
外界から神隠しに遭った不幸な外来人。
もともと身体の弱かった彼は働けなくなると、半ば追い出される形で永遠亭へ連れてこられた。
心臓は既に機能を失い、機械の心臓と肺が繋げられ心拍計と脳波計が彼が辛うじて生きていることを告げる。
傍らには捩れた兎の耳を付けた少女。
彼の看病をしていた。

「○○心配いらないわ・・・私が一生看てあげるから・・・」

兎耳の少女 鈴仙・優曇華院・イナバ は牝の欲を滾らせながら○○の白い肌を拭いていた。
彼は彼女の髪を美しいと呼んだ。
打算でもなく、心から。
月からの脱走兵である彼女はいつも自分に負い目を持っていた。
彼女の孤独を彼は癒したのだ。

「綺麗になった・・・今日の御褒美をもらいますね」

鈴仙は意思のない彼の手を取り、自らの花弁へ導く。
彼女が淫欲のまま、少年を凌辱するのをもう一人の人物が見つめていた。

「○○はあなただけのモノじゃないのよ・・・」


鈴仙の死は凡そ彼女らしくない死に方だった。
正体を無くすまで酒を飲み、暖房の練炭の消火を忘れ一酸化中毒で死んだというのだ。
彼女の恩師 八意永琳は涙ながらに彼女を見送った。

「○○どう?具合は?」

「ええ、昔に戻ったような気分です・・・・でも・・・」

「うどんげは不運だった・・・・私が気付いた時にはもう脳死していたわ。でも彼女の心臓はあなたの中で生きている」

○○は胸に手を置く。

「○○、あなたさえ良ければだけど・・・・薬売りの仕事を引き継いでみない?」

「ええお願いします・・・・























                                お師匠様」

永琳が振り向くと、○○は鈴仙のような紅い瞳で彼女を見つめていた。

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最終更新:2012年08月05日 18:22