藍「今帰ったぞー。」
○○「お帰りー、藍。」
八雲家…俺はそこに居候してる、外来人である。
そして…力足らずながら、藍の恋人である。
○○「藍…何だ、その、血…」
そんな俺は、久しぶりに目を丸くした。というより見開いた。
玄関まで出迎えに行ったら、藍が血まみれなんだ…
藍「なにって…帰り血に決まっているだろう?」
いつも通りの笑顔で…真っ赤に染まった藍を、俺はただ見ていた。
ぼうぜんとしていた。よくわからない。
藍が、帰り血って言った。つまり、何かを殺したってことだ…
はやまるな、これは野生妖怪の血に決まってる。
優しい藍のことだ、襲われてる人を助けたに違いない。
藍「まったく、人間のくせに、しぶとかった・・・」
今、人間って言った…そ、そうだ、きっととんでもない極悪人に違いない.
今日藍は人里に買い物に行った。
そこで見かけた殺人犯かなんかを仕留めたんだ。
それで慧音さんあたりに引きとめられて、こんな遅くになったんだ。
そうだ、そうにきまってる。
藍「ほんと、私の○○に近づこうとするなんて、薄汚い奴らめ。」
忌々しそうな顔で吐き捨てる藍。
きっとおれの耳が悪いんだ、だからいけないんだ。
○○「な、なぁ、藍…一ついいか・・・?」
藍「ん、なんだ○○?」
先ほどとは打って変わっての、いつもの優しい笑顔で藍は俺に問う。
○○「その…血は…何の血だ…?」
藍「あ、ああ。これは、私の恋人のお前に近づこうとした薄汚い豚どもの血だ。正確に言うなら…」
そうして藍は、一人一人、名前を読み上げ始めた。
…その名前は、全部知っている奴らだ…
名前が一つ上がるたび、絶望感に襲われる。
視界が、ぐらつく…
藍「・・・これくらいだったか?
まったく、お前の人望が厚いことはうれしいが、周りが害虫ばかりだと、
駆除する側も疲れるんだぞ?
藍もの 続き - 麺類
2009/11/03 (Tue) 12:13:00
○○「う…ここは?」
起きたら、いつも俺が寝る布団に入っていた。
…夢…だったのか…?いや、そんなわけがない、あんなに鮮明に覚えてる記憶が、夢なはずない。
起き上がって、身支度を整えて、障子をあけて、居間に行こうとした、でも、その足は止まった。
そとの、縁側につるされているものを見て、俺は・・・猛烈な吐き気に襲われる…
○○「あ・・・ああぁぁぁぁ・・・!!う!!・・・ゲェ・・・」
それは全部知ってる奴だった。
友達だった…女ばかりがつるされてる。
藍「ああ、おはよう、○○。」
声がする方を向くと、藍がまた新しい死体を釣る下げてる…
○○「ら…藍・・・お前…!!何やってんだよ!!」
藍「なにって・・・益虫まで殺してしまってはまずいだろう?殺した害虫は害虫でちゃんとわかるように、ここにつるしておくんだ。」
橙「藍さま~、○○~…どうしたの・・・ヒィ!!」
橙が、廊下の曲がり角からこちらに来て、つるされたそれを見て悲鳴を上げる。
藍「おや、橙、おはよう。どうしたんだ?おびえて…」
橙「…イヤァァァーーーーーーーー!!」
そのままおびえて逃げていく橙。
○○「な・・・なんでこんなことをぉ!!」
藍「なんでって、言ってるだろう?害虫退治だって…」
さも当然そうな顔で藍が言う。
○○「お前!!…人を殺したんだぞ!?」
藍「そんな奴ら人じゃない!!」
いきなり藍が大声を上げる。
藍「全部!全部虫だ!紫さまと橙と私と、なによりお前以外!全部虫けらだ!
勝手に許可もなく私の○○を取ろうとする虫なんて、つぶされて当然だ!!」
○○「!!・・・・・・」
その剣幕に、つい押し黙ってしまう。
藍「なんでこんな虫どもの心配なんて…そうか、わかったぞ!!」
いきなり明るい表情になる藍。
藍「この害虫の毒にやられたんだ!だからこの虫どもを心配するようなことを言うんだ!・・・なら、私が消毒しなくちゃなぁ…」
ゆっくりと、こちらに歩いてくる藍…逃げなきゃ…でも、足が動かない…九本のしっぽを揺らしながら歩いてくるその気迫に、俺はもう動けない。キツネににらまれたネズミ…
藍「もう、毒されないように、してあげるからな…」
俺はしっぽに包まれて、気を失う直前に感じたのは、大好きな藍の香だった。
紫「藍、うまくいったかしら?」
藍「ええ、紫さま、ご協力誠にありがとうございました。」
紫「何言ってるのよ藍。
わたしはあなたが幸せになるためなら、何の犠牲も惜しまないわ。」
藍「紫さま…」
紫「橙や目迎者の記憶は全部消しといたわ。安心しなさい?」
○○「藍さま、ご夕飯の用意できましたよ?」
橙「藍さまー、紫さまー、早く食べよー?」
紫「ええ、わかったわ、ほら藍、二人の作ってくれた料理、味わいましょ?」
藍「ええ・・・ありがとうな橙、○○。でも、評価は厳しいからな!」
○○「少しは甘く評価してくださいね…?」
藍「料理に甘さは必要ない!」
紫「あら藍、厳しいわね―・・・」
式神を扱う式神の能力を応用してこんなんにしてみた。
反省はした、後悔もした。
藍が好きだったからさー・・・
後の
ナズーリンである。ということは全然ないぜ!
最終更新:2010年08月27日 01:32