SS書きとして挑戦しないわけにはいかない・・・・というわけでアホ毛のおかんのSSをば
おや?こんな時間に宅配便が・・・・


オニンギョウアソビ

魔界
それは幻想郷に接する異世界の一つ
創造神である神綺が統治するこの世界は、全てが彼女の創造した存在「魔人」で運営されていた
幻想郷のように意図的なパワーバランスを必要とするわけでも、旧地獄のように暴力と悪徳に支配された世界でもない

「退屈だわ~~~~~」

豪華な執務室で輝くような銀髪をサイドテールにした妙齢の女性がひとりつぶやく
彼女が魔界神 神綺その人だ
彼女が魔界を作ったのはただ「自分以外にも人間が居たら退屈が紛れるかも」との思いつきだった
しかし、それで退屈が紛れたのは、ほんの一千年だけだった
そこで自意識を持った魔人を作った
困ったことは、その自意識を持った魔人も同様に退屈を感じ始めた
そこで今度は「自意識を持ち、成長する魔人」を作り、神綺は彼女に「アリス」と名づけた
だが、アリスも魔人特有の病である「退屈」から逃れることはできず、隣接した異世界「幻想郷」で一人暮らしを始めた
結局アリスの存在も彼女の退屈を癒すことはできなかった


「お会いできて光栄です。私の名前は○○と言います。此処へはアリスさんの紹介できました」

私は目の前の青年を見る
魔界に人間が来ることは初めてではない
しかし、人間の、しかも幻想郷の外にある外界からきた外来人は初めてだ
ましてや魔法使い志願とは

「あなたがどういう人物かはアリスちゃんから連絡を受けています。図書館及び研究室の使用を許可しますが条件があります」
「私にできることなら・・・・」

玉座から降りて○○の頬をなでる

「例えば、夜の相手とか・・・・」

○○の顔が赤くなる

「ちょっと・・・・それは・・・」

かわうぃーーーーーーーーー!
でも自重自重

「冗談よ。ここでの家事を手伝ってもらうわ。あら?ちょっと期待した?」
「ちっちがいます!」

これで当分は退屈が凌げそうだわ
ありがとうねアリスちゃん

彼、○○はよく働いた
教育係の夢子ちゃんも彼を誉めていた
ただ・・・戦闘能力はからっきしで、おまけに魔法の才能もない
とはいえ、真面目に研究していることは事実だ
だが、彼には足りない
人を捨ててまで研究したいと思う強い思いが
アリスちゃんは自立行動できる人形を作ること
彼にはそれがない
彼の実力なら中級の悪魔くらいなら倒せるだろう
しかし、それでは大成できるわけではない
彼には目標がない
必死さがない
まるで、借り物の目標をもっているようだ

最初はただの興味
彼の研究ノートを覗き見た
そこにあったのは・・・・

「アリスちゃんと同じ研究・・・・」

自立起動型人形
それはアリスちゃんが魔界を捨てた理由
私は全てを知った
なぜアリスちゃんが○○を送り込んだのか
アリスちゃんは恐れている
自立した意識を持っているがゆえに、絶対的な創造主を裏切ることができない
魔界に「一度でも」戻ったら自分は支配におかれる
意識を持つ人形にとって、自分が再び人形にされることを何よりも恐れる
だから自立意識を持つ人形を作り、その研究をもとに創造主に対する恐怖を克服する
「魔人」でない、人間の○○を使って必要な資料や術式を集めながら・・・

「かわいそうな○○・・・・」

純真な○○はきっと騙されているんだ
現に女の匂いはしていても彼からは童貞の匂いがする
本気で愛しているなら彼からは男女の陰陽の力があるはずだ
所詮、人形遊びにすぎないのだ
ならいっそ・・・・


「たまにはいいわね~男と交わるのも・・・」

汗と淫液に塗れた肢体を月明かりに照らす
ベットの上には白目を剥き、死んだよう動かない○○
心臓は鼓動している
でも彼は「死んでいる」
現に彼からは人間特有の霊力はなく、魔人の持つ魔力が根付いていた
まぐわいとともに霊力を抜き取り、代わりに魔力を注ぎ込んだ
彼はもう人間ではなく、魔人○○という新たな人形に過ぎない

魔人となった○○はいつもの○○と変わらなかった
いつものように邸での家事をこなし、研究室で「アリスからお願いされた」資料や術式を集める
彼の意識「では」いつもと同じだった
神綺が密かに用意した魔人を再び人形に戻す術式とは知らないままに

「愉しみだわ~あの子が自分が再び人形化したのを知った時はどんな顔をするかしら?」

玉座の上で、意識のない目をした○○の奉仕を受けながら魔界の神らしく笑みを浮かべた

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2012年08月05日 21:51