「・・・・・・面倒かけやがって」
泡をぶくぶくを吹いて倒れる鈴仙を見て、妹紅を軽く舌打ちを打った。
「何か手頃な石ころは・・・無いか。じゃあ手の平で良いや」
キョロキョロと辺りを見るが、良さそうな石が無い為。妹紅は手の平を鈴仙の顔面に押し付けた。
強く押し付けずに、かざす程度だったが。徐々に鈴仙の顔が赤くなっていく。
「熱っつう!!」
口から溢れた泡が蒸発して、湯気になる頃。鈴仙は余りの熱さに飛び起きた。
「おはよう。えーっと確か・・・鈴仙って名前だったな」
「うわあああ!!!」
前後の記憶があいまいなのか。妹紅の姿を見たのは二度目のはずなのに、大声を出して仰天した鈴仙は逃げ出そうとした。
だが、寝袋に包まっていた姿だった為。見事に足を絡ませて、盛大にずっこけてしまった。
「はいはい、逃げない逃げない」
鈴仙はそのまま首根っこを引っ掴まれて、ズリズリと妹紅の自宅へと連れて行かれた。
「美味しくない!美味しくないから!!食べるなら兎よりもやっぱり鳥豚牛の方が・・・嫌あああ!!!」
「お前は私を何だと思っているんだ・・・人型のものを食うほどの業深さではないよ」
「そうら」と言う掛け声と共に、妹紅は鈴仙を転がすように自宅の中へと転がした。
「待ってな、茶でも入れるから」
一応客人として扱う気は在るようで。戸棚から確かに急須や湯飲みを取り出していた。
「毒ね!私が暴れるのを見越して、弱毒性の何かで動きを封じ込めるつもりね!!」
「落ち着け、馬鹿」
ある事ない事を想像し続ける鈴仙に、妹紅も少しムカっときたようで。湯飲みで水瓶から水を汲んで、そのまま鈴仙にぶっ掛けた。
お湯じゃないのはまだせめてもの良心と冷静さが残っていたからだった。
「もう茶入れるのも止めたわ・・・多分入れても飲んでくれないだろうし」
折角出した急須と湯呑みだったが。湯飲みで水をぶっ掛けただけで、急須に至っては何も活躍の場が無かった。
「その水、慧音も飲んでる奴だから。安心して良いよ」
茶を出そうとするだけあって、それなりに気を使っていたらしく。妹紅の横顔は大分寂しげな表情をしていた。
「・・・えっと、もしかして食べるってのはただの冗談?」
「いつ私がお前を食べるなんて言った!」
気絶により、前後の記憶が曖昧になった事の余波は。ありもしない酷い妄想を鈴仙は事実として認識しかけていた。
呆れ顔で戸棚から先ほど取り出した物を片付けた妹紅も、今の一言には怒気を含んだ表情と声になった。
「言ってない?」
「言う訳ないだろ!!」
「姫様は妹紅さんから千切り取った肉片を、池の鯉に上げたりしてたから・・・てっきりも降参にもそういう趣味が」
「あいつそんな事してたのか!?」
鈴仙の中に植え付けられていた誤った記憶を修正する途上で。物騒で激しく腹立たしい輝夜の所業を聞き取ったが。
今はその煮えかけた腸は、懸命に堪えて、冷ましていた。
今激昂してしまっては、ただでさえ少なくなっているであろう、輝夜との死闘が。また遠くなってしまうだけだ。
「イナバを使ったり・・・お前を使ったり。輝夜は何で私を見張るんだ?」
妹紅は頭を振り、一気に本題に入る事にした。何となく、輝夜から千切られた事のある体の部位が熱くなっていた。
輝夜との死闘で。輝夜は妹紅に止めを刺さずに体の一部を千切り取り、帰ってしまう事が度々合った。
話では鯉のエサにしていたそうではないか。それ以外にも鈴仙からそれなりに聞き出せるとは思ったが・・・
「・・・・・・」
「教えてくれないか・・・じゃあさ、こうしよう。○○を虐めれるようにする為に協力するからさ、教えてよ」
聞けば必ず自分は激昂する。聞こうとしていない今でさえも、ギリギリ堪えている状態なのに。
しかし、その煮えくり返りそうな腹の底を。本当の意味で冷ます時は、今ではない。
「・・・!!」
「兎耳、動いたぞ。黙ってても何考えてるか全然分かるよ。おっきく動いたぞ」
そして、冷ます為の場を整える必要条件として・・・・・・鈴仙の利益になる事への協力。これを行うことにした。
初めの内。何度か自分の家の周りをうろつくイナバを見つけたときは。ちょっと威嚇して散らすだけだった。
しかし、何度散らしてもイナバ達はやってきた。見ているだけで、何もしてはこないが、気持ちの良い物ではなかった。
その時点で。イナバ達の行動に、輝夜の影響があることはすぐに察しが付いた。
第一、イナバ達に自分を監視する事によって生じる利益が思い浮かばない。
不利益をこうむってでも監視すると言う事は。監視しないとより大きな不利益が掛かってくるかもしれないからだ。
そんな事が出来るのは・・・輝夜か永琳、あるいは両方だろう。
イナバ達のことは、一目見ただけで。話にならない連中だと感じ取った。
どいつもこいつも、命令されたから仕方なくと言う感じで。やる気が感じられなかった。
やる気が存在しないから。監視にも身が入っておらず、同僚とのお喋りに夢中だったりしていた。
そんな状況だから、監視対象者である妹紅との距離を測りかね。向こうが気付いた時には、こちらはかなりの至近距離まで近づく事ができた。
仮に妹紅の接近をイナバが気付いても。慌てて逃げ出した音で、居場所は完全に察知できた。
最初のうちは、それだけで済ましていた。
逃げる後姿に向って「もう来るんじゃねぇ!」と叫ぶくらいで許していた。
めんどくさいのも合ったが、輝夜と永琳の下の二匹の兎。それの更に下相手にいくらやった所で、そこに大した意味を見出せなかったからだ。
しかし、いい加減辟易としていたのは事実だった。
「埒が明かんな・・・」
そしてある時妹紅は考えた。
「・・・少し、実力行使をするか。輝夜がこなくても、近い奴は来るだろ」
監視役のイナバ達をとっちめようと。
妹紅はそれ以来、自分を監視していたイナバ達を見かけると、泣くまでボコボコにした。
その効果は、すぐに現れた。
ほぼ毎日発見できたイナバが、一週間程度で半分以上に減って。今ではもう全く見なくなってしまった。
しかしながら、何か妙な気配は感じるので。イナバではない誰かが・・・てゐか鈴仙のどちらかがいるとは感じ取っていた。
それは、見つける木もない慧音も感じているようで。慧音の動きを注意してみると、外出の際に同じ方向を、何かいぶかしむ様に見ていた。
無論妹紅も。慧音が覚えた違和感の方向と同じ方向に当たりをつけていた。
そして今日、ついに。仮眠を取っていた鈴仙を捕まえる事に成功した。
ただし、とっちめる事はしなかった。丁重に自宅へあげて、交渉を試みるつもりだった。
イナバ達を虐めていたのは、話の出来る人物を吊り上げる為だった。
「またなのか?妹紅」
逃げ去るイナバ達を見て、慧音も呆れ顔だった。しかし、本当に呆れている対象は、多分弱い物虐めをしてしまっている妹紅に。
そしてイナバ達が毎日泣きながら帰っても、まだその任を解こうとしない。イナバ達の後ろにいるであろう輝夜にだった。
もっと言ってしまえば、妹紅と輝夜の持つ蓬莱人の業自体に、呆れているのかもしれないが。
慧音の妹紅を見る目が、たまに酷く悲しくなる。それは時折輝夜に対しても向けられる事があった。
そして今も、逃げ去るイナバの方向を見ている慧音の目は、同じような悲しい目だった。
この目を見ていると、胸が締め付けられた。
妹紅も蓬莱人だ。この輝夜に向けられているであろう悲しい目も、辿っていけば自分に行きつくような気がしてならなかった。
「優しいな、慧音は。あんなのにも優しくできるんだからさ・・・」
妹紅は輝夜のことが、クソを前置詞に付ける位に大嫌いだった。
だが、蓬莱人の業は輝夜以外の知り合いと同じ時間を歩む事を、同じ時代を生きる事を。
同じように老いさらばえていく事を、許してはくれない。
だから、例えどれほど輝夜のことを嫌っていようが。妹紅と同じ時間軸をすごせる存在は、輝夜以外には存在しないのだ。
老いる事すらなく、黄泉路に向かうと言う救いの無い妹紅にとっては、親友の慧音の存在ですら。
残酷な言い方をすれば、一時の気休め以上になれないのだ。彼女が蓬莱人にでもならない限りは。
一人果てのない生の道を歩ませ続けられている妹紅にとって。輝夜の存在は、輝夜との死闘は、空虚感を唯一埋め続けてくれる存在なのだ。
輝夜以外の数多くの友人も、知人も、勿論慧音も。自分を置いて逝ってしまう存在でしかなかった。
蓬莱人となった妹紅が、人との関わりを断つ様になるまでに。それ程長い時間は必要なかった。
今、慧音とそれなりを通り越して。かなり深い付き合いをしている事が、例外中の例外なのだ。
慧音の先にいる輝夜の事を考えると、妹紅の頭の中で種々の事柄が氾濫していった。
慧音といるときは、勿論楽しい時間が流れている。
楽しいうちは、考えなくて済むが。今みたいに、慧音が出かけて一人になった時が一番危険だった。
「・・・っ!」
処理しきれない、氾濫した大量の感情に耐え切れなくなり。妹紅は頭を抱え、小さくうずくまった。
ここ最近は、一人でいる時。妹紅は常にこの発作にも似た心身両面での異変に怯えていた。
そして今も。恐れていた発作が妹紅を襲った。
「あの・・・妹紅さん。大丈夫で―
「大丈夫だ!!」
鈴仙の視線を気にする事も無く。妹紅は発作に抗うように、両手で頭を抱えるしかなかった。
それでも。いや、抗えば抗うほど。どうしても考えてしまうのだ。
慧音が逝ってしまった時の事を。そして、輝夜が唯一妹紅を置いて逝かない存在である事を。
慧音と出会うまでの間は。妹紅が考える事の大部分は、輝夜への怨嗟がほぼ全てだった。
しかしながら、そんな醜い感情も。もしかしたら、自分を守る為の防衛本能だったのかもしれない。
輝夜以外の存在は、いつか自分を置いて逝く。
これを感情でも頭でも理解していたから。自分を置いて逝かない輝夜の事だけを考えれば。
喪失感に襲われずに済む。実際、その通りだった。健康的で醜い感情のまま日々を過ごす事ができた。
そう、慧音と出会うまでは。
「くそぉ・・・・・・」
やらなくても良いのに。やれば自分を更に苦しめるだけだと言うのに。
妹紅は今自分の頭の中で暴れまわる感情の濁流が何で構成されているか。精査してしまった。
「・・・・・・慧音」
当然ながら。暴れまわる物の正体は、上白沢慧音に関する事柄だった。
慧音とご飯を食べたり。里で買ったお菓子を当てにお茶を飲んだり。頼まれて寺子屋の子供たちの遊び相手になったり。
慧音と仲良く過ごした日々の事柄が。朗らかで美しいはずの記憶なのに、今の条件下では妹紅を傷つけていた。
こんなにも仲良く付き合えているのに。こんなにも分かりあうことのできる良い親友なのに。
私は老いない、慧音は老いる。私はいつまでも死なない、慧音はいつか死ぬ。
声を上げずに、頭を抱えうずくまり、微動だにせずに妹紅はボロボロ泣いていた。
「・・・・・・妹紅さん?大丈夫ですか・・・?あの、妹紅さん・・・・・・?」
「うぬあああああ!!輝夜、輝夜、輝夜!!!」
暴れまわる楽しかった記憶を、楽しかった感情を。そして楽しかった感情の後にまとわり付く、空虚感や喪失感等と言った感情を。
それら全部を振り払うように、妹紅は叫びだした。そして、必死になって輝夜の事だけを。
輝夜に対する憎しみだけを、必死に思い出していた。
「ひいい!!?」
先ほどまで静かに涙を流すだけだった妹紅の、突然の表変異。鈴仙も怯え驚き、尻を地面につけたまま這うように後ずさった。
「クソ!クソ!クソ!恥をかかせやがって!藤原家の家名に泥を塗ったな!!あの女ああ!!」
頭を抱える為に使っていた手は。いつしか爪を立てて、ガリガリと自分の頭を引っかく為に使っていた。
これが平静と呼べるわけは無いのだが。輝夜への恨み辛みで自分を暴走させなければ、もっと酷い状況になる。
それに比べれば、今の状態ですらまだ平静と言える。
たとえ、頭を引っかきすぎて、血をダラダラと流していても。まだマシだと、自信を持って言い切れた。
「輝夜!輝夜!輝夜!!死ねええ!!!」
輝夜への怨嗟を叫びながら。
妹紅は頭をガリガリとかきむしったり、グルグルと自分の尻尾を追いかける犬のように回ったり、頭をブンブンと揺らしてもいた。
妹紅の爪の間には、自分の肉片が大量に入り込み。入りきらない分で、手の平はもちろん、二の腕や衣服。
それだけでなく、回ったり頭を振り回したりする物だから。畳や辺りの家具に至るまで、全方位の、様々な所に血しぶきが飛び散っていた。
「ひいい・・・・・・も、もこ、妹紅さん。落ちつい、落ち着いてくだ―
「これが落ち着かずにいられるかあ!!輝夜だぞ!?あの輝夜だぞ!!??」
「ひい!!ごめんなさい!ごめんなさい!!」
妹紅を落ち着かせようと、鈴仙は震えながらもやさしく声をかけたが。
それは火に油を注ぐだけで。油を注がれて燃え盛った火によって、鈴仙まで火傷してしまいかねない勢いで睨まれた。
睨み凄まれただけで。近づかれたり、どこかをつかまれたり、殴られたわけではないのだが。
鈴仙はすぐに、何度も謝った。そうしなければ、襲い掛かられて、挙句に殺されてしまいかねないと思ったからだ。
今の妹紅には、視線を合わしただけでも。見た物に死の恐怖を味わわせるぐらいの凄みが合った。
「父上が恥をかいたのは輝夜のせいだ!家名に泥を塗られたのも輝夜のせいだ!!」
「私が頭から血を流しているのも輝夜のせいだああ!!」
「はい!はい!!その通りです!だから殺さないで、お願いします!!」
最後に至っては、全く輝夜のせいではない。完全にただの八つ当たりなのだが。
鈴仙は妹紅の言う、輝夜のせいだと言う事柄に対して。恐怖感から、ただ無条件に追認するしかなかった。
鈴仙には強制的に、輝夜の責任を認めさせたが。妹紅の激情がこれぐらいで収まるわけが無かった。
それから妹紅は、家中の物を投げたり、戸棚をひっくり返したり。
ひっくり返した戸棚から酒瓶を出そうとしたが。戸棚をうつぶせに倒してしまって、酒瓶を出しにくい事を輝夜に責任転嫁したり。
やっと取り出した酒瓶を。中身を一気に煽って、気持ち悪くなってしまい、ゲロを吐き散らした事も。
「輝夜のせいだ!輝夜のせいだ!!全部全部輝夜のせいだああ!!!」
ちゃぶ台に勢い欲、そして何度も、力いっぱい頭を打ちつけながら。全て輝夜のせいにしてしまっていた。
「ひい・・・・・・ひいい・・・」
鈴仙は部屋の隅で、ガタガタと震えながら。ちゃぶ台に頭をしこたまぶつける妹紅を、怯えながら涙目で見ることしか出来なかった。
妹紅の両こめかみからは、かきむしった事で引き裂かれた皮膚から。そして、ちゃぶだいに打ち付けすぎて、ぱっくり割れた額から。
その両方からダラダラと際限なく血が流れ出ており、ちゃぶ台の上に小さな血だまりを作っていた。
その血だまりに向って勢いよく頭を打ち付けるものだから。一発打ち付けるごとに、部屋中に血しぶきを散らしていた。
「う・・・おええ」
辺り一面に散った血しぶきで。部屋には血の匂いが充満していた。
その充満した匂いに耐え切れず。遂に鈴仙も嘔吐してしまった。
きっとこれも、妹紅は輝夜のせいにしてしまうだろう。
「全部、全部!!輝夜のせいだあああ!!!」
少し溜めを行い。そして、他と比べて、一際大きな声で叫んだ後。ちゃぶ台をぶち割るのではないかという勢いで、妹紅は頭を打ち付けた。
があん!!と妹紅が額をぶつける音が部屋中に響いた。その音を最後に、妹紅はピタリと動かなくなってしまった。
輝夜への怨嗟は小声でも呟いておらず。ただ破れたこめかみと、割れた額から、血が止め処なく流れ出ているだけであった。
「妹紅さん・・・?あの、聞こえてたら返事を・・・してくれませんか?妹紅さん」
恐る恐る、鈴仙は妹紅に、返事を返してくれるように話しかける。
しかし、妹紅の口から返事は返ってこなかった。
返事の代わりに返ってきたのは。妹紅の体を包む、まばゆい光だった。
その光とは・・・リザレクションの光である。
「うう・・・眩しい」
リザレクションの光に照らされて。鈴仙は目くらましを食らったような状態になった。
徐々に回復する視界の中に。一人、直立でたっている人物がいた。
「ちょっと待ってろ。永遠亭の兎」
勿論その人物とは、藤原妹紅であった。妹紅は鈴仙の視力が回復しきる前に、部屋の奥に引っ込んでしまった。
そして、鈴仙の視力が回復した頃に戻ってきた。
「もう輝夜が私を見張らせる理由はもう聞かない、大体分かるからな。一気に話を進める事にしようじゃないか」
そう言って鈴仙に向う妹紅その手には、何枚かの紙切れが握られていた。
「これ、やるよ。使う時はお前に任せるが・・・出来るだけ早く使ってくれ」
その紙切れを、妹紅は鈴仙に手渡した。
「これって・・・妹紅さんのモンペに貼ってあるのと」
「ああ、同じだ」
手渡した紙切れの正体は、妹紅のモンペに貼り付けてあるお札と同じ物だった。
「お前にとっては不服かもしれないが・・・・・・これを使って、私が○○を虐めたと輝夜に錯覚させてくれないか?」
「・・・・・・」
「そしたら輝夜は絶対怒る・・・私に愛しの○○を虐められたんだから、絶対復讐に来る」
妹紅は自分のたくらみを、淡々とした調子で喋っていた。それ聞く鈴仙は静かだった。
「お前は○○を虐める事ができる。私は妹紅と死闘に興じる事ができる・・・どちらも損はしないはずだ」
妹紅の話が終わっても、鈴仙は黙ったままだった。ただ静かに、お札を見ていた。
「嫌か?じゃあこれは片付けるぞ」
「ちょ・・・待って!嫌なはずないでしょう!!」
お札を鈴仙の手から取り去ろうとするする妹紅に対して。鈴仙は、奪われまいと抵抗した。
「じゃあ、交渉成立だな」
その様子に、妹紅は口元をほころばせた。
最終更新:2012年08月05日 22:18