久し振りに
紅魔郷/8スレ/551-552 の続き 魔法使い□□の視点を書いてみる
館からあまり出られない私は、室内で出来る趣味を持つ事が多い。
絵画を描く事もそのうちの1つだ。
暇に飽かせて書き続けてみたら、それなりに上手く描けるようになった。
バルコニーから見える湖畔や庭園、働く妖精メイド達を描いたりして廊下などに飾ってみたものだ。
そうしたら、当然の様に
パチュリーと
小悪魔から肖像画を描いて欲しいと頼んできた。
別に断る理由も無いので、読書室を背景に二人の肖像を描いた。
気合いを入れて描き続ける事数日。
まるで生き写しのような二人の絵が完成に近付き、満足して仮眠をアトリエの簡易ベットに身を横たえた。
ずるり、ドスン。ずり、ずり、ずり、ずり、ずり。
ここところ作品に夢中でパチュリーや小悪魔と閨を共にしてなかった事を思い出す。
いい加減我慢出来なくて忍んで来たのかと思い起き上がり私は驚愕した。
なんと、パチュリーと小悪魔の絵がキャンバスから上半身が飛び出した状態でこちらに向かって這いずってきていたのだ。
しかも、お互いに夜叉の形相で肘で相手を打ち空いた手で首を絞め合うという恐ろしい姿で。
絵のパチュリーと小悪魔と目があう。二人の形相が淫魔と悪鬼を半分ずつ混ぜたような顔付きになった。正直凄く怖い。
邪魔を仕合ながらも私の元に来る事だけは同意なのか、ベットに乗り上げて私に手を伸ばす二人。
本物同じ、執着と愛欲と病みに満ちた形相に私は声をあげかけ……息が止まった。
私にのし掛かろうとする絵の二人の後ろ。
道具入れに入れておいた筈のパレットナイフを逆手に持った、ネグリジェ姿の本物のパチュリーと小悪魔が。
「「邪魔だなぁ」」
その日以来、私が肖像を描く事は無くなった。
最終更新:2012年11月11日 17:48