ふと山鬼の話を読んでいたら思い付いたお話を一つ

ある日○○が寝入ってしばらくするとサワサワという音に目が覚めました。見ると、小柄な少女が焚き火にあたっているのです。
今流行りのヤンデレ少女か、と身構えましたが「逃げても仕方がない。運を天に任せよう。」
そう思って○○はじっとしていました。すると少女はニコニコして、「逃げるのはよくありません、運を天に任せましょう。」と言いました。この少女、人の考えていることがわかるのです。
○○は恐ろしくなって、心の中でお経を唱えました。すると少女もブツブツと同じお経を唱えたのです。
「ここまで人の心を知るものは、天狗か。」
ぶるぶる震えながら、そう思うとやはり、「失礼ですね、私は天狗じゃありません。」と少々怒ったように言います。○○はもう何も考える気が起きず、黙って焚き火にあたっていました。
夜も更け、焚き火も細くなったので気の枝を折って火にくべました。
そのうち、一本の枯れ枝を膝に当てて折ろうとしたら、その枝が焚き火に突っ込み、火のついた別の枝が飛んで少女の顔にまともに当たってしまいました。
「キャッ!」
少女は声をあげると、「木を折るまねをして油断していた私をこんな目に遭わせるなんて…。」
そう言って、「火傷しました!私を傷物にした責任、とってもらいます!」と喚きながら○○を地霊殿へと連れ去り、そこで末永く幸せにくらしました。

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最終更新:2012年11月11日 18:10