レミリア「どうしたのかしら○○?ぼーっとして。」
○○「いや。なんでもないよレミリアさん。ところで今日は?」
僕は、森を抜けたところまでは覚えていたんだけどそこから先は覚えていないんだ。
気が付いたら紅魔館でレミリアさんに起こされてたんだけど・・・どうなってんだろう?
後、なんか首筋がかゆいんだ。虫にでも刺されたのかな?
レミリア「○○。今日は大事な話があるの。あなた・・・ここに住む気はないかしら?」
○○「え?ここに?・・・・・それはちょっとできないかな。人里にはみんながいるし何より慧音先生が心配するから。」
そう。人里にいる慧音先生はとても優しい人だ。悩みとかもしっかり聞いてくれるし、人里に妖怪が来ないのは慧音先生のおかげだって大人の人が言ってた。
僕たちにとって慧音先生は憧れの人だ。
それを聞いたレミリアは、小さなため息をつくと○○に告げた。
レミリア「○○。なんで慧音先生がいるから里は安全なのか知っているのかしら?」
○○は「知らない。」と首を振る。
レミリア「それはね・・・あの先生は『リーンゴーン・・・リーンゴーン・・・』あら、鐘が鳴ったわ。じゃあ今日はここまでね。」
○○はレミリアが言いかけたことが気になったがこのまま長居をしていると家に帰れなくなってしまう。
○○は立ち上がり、レミリアに「またね。」と言って部屋を出ていこうとした。
「泊まっていけば?」レミリアがそう言ったが・・・
○○はそれを断った。確かに泊まることもできたが一応ここも妖怪の住処。
慧音先生から妖怪の家に泊まるのはあまりよくないと聞かされていたので帰ることにした。
○○が帰った後、レミリアは帰り道を歩く彼の背中を見つめながら、『その時』を待ち望んでいた。
レミリアの言う『その時』まではあと二日。
後は、その二日間の間にほかの妖怪につばをつけられないように用心しなければならない。
そのための『縛り』なのだから・・・
レミリアは、笑う。紅い目で空を仰ぎながら。
人里の入り口で一人の女性が○○の帰りを待っていた。
慧音だ。彼女も○○には一目置いている。
というより、恋焦がれているのが正直なところだ。
しかし、寺子屋の生徒と先生である二人が引っ付くのはあまりよろしくない。
しかし、彼女もあきらめてはいない。彼が成人したら告白するつもりだ。
その未来の旦那様(4年後だが・・・)を待っていると森の奥から○○と思しき人影が見えてきた。
慧音は安堵のため息をつく。
慧音「ふう。よかった。あの吸血鬼どもに唾でもつけられていたら厄介だ。」
その影はゆっくりとこちらに向かっている。
○○「あ!慧音先生!ただいま~。」
慧音の姿を見つけた○○は駆け出していた。
彼が走ってきたら精一杯抱きとめるつもりだ。
○○「あ・・・れ・・・せん・・・せい・・・」
どしゃあ!
○○が倒れた。慧音は転んだと思い起き上がるのを待っていたが一向にその気配がない。
心配になってきた慧音は○○のもとに駆け寄った。
慧音「どうしたの!○○。しっかりしなさい!○○!」
しかし、彼は目を閉じたままだった。顔は白くなり苦しそうに歪んでいる。
急いで彼女は○○を担ぐと寺子屋に駆け出していた。
慧音はこの時気付いていなかったが、彼の首筋にある蝙蝠のしるしが黒から赤に染まっていた。
今日はここまで。
後。めーりんと咲夜が最初に○○に行った行為は、レミリアには勝てぬと悟った二人が○○をあきらめるために行ったことです。
最終更新:2012年11月19日 23:58