「ふぅ……」

ふと、真夜中(?)に目が覚めた。
と言っても今の俺の時間を知る術は、部屋に掛かった年代物の柱時計のみだ。
これが示す時間が本当かどうか、知っているのは俺の隣で寝ている女だろう。
金色の髪がふんわりと広がっている。
彼女は俺の上に跨り交わるのが好きなようだ。
その際の灯りを背にして広がる金髪は、まるで映画でのクライマックスシーンのように素晴らしい。
例え、現状が彼女によって俺がこの隙間のど真ん中にある幽閉部屋に閉じ込められていても、だ。

そっと、小窓を開いて外を見てみる。
無数に流れる漂流物と此方を凝視している目玉。
絶対に逃げ出せない、隙間の個室を監視する彼女の目だ。

「……○○」

彼女に呼ばれ、振り返る。
うっすらと目を開けた彼女が、むずがるように俺を呼んでいる。
いつもは胡散臭くて、妖しい妖怪なのに、ここに居る時は凄く素直だ。
まるで、親と一緒に眠る事を強請った子供のような仕草だ。

小窓を閉じ、寝床へと戻ると彼女に引きずり込まれた。
汗ばんだ乳房の間に抱き込まれ、抱え込むようにして彼女は寝息を立て始める。
……少し息苦しいんだが。加えて白い肌とたわわな2つの丘が目の前に。
数時間前に轟チンした愚息が頭をもたげてくる。

……何だかんだいって、この監禁生活を受け容れている自分は異常なんだろうか。
それとも、異常すら受け容れるのが愛なのか。
取り敢えず、昂ぶったものを彼女に鎮めて貰うとしよう。
自分を閉じ込めているんだから、そのぐらいはして貰わないとな。

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最終更新:2011年03月04日 01:13